統合失調症は「幻聴」や「妄想」といった特徴的な症状がよく知られています。
しかし、実際にはそれ以外にもさまざまな症状があり、それらは時間の経過とともに段階的に回復していく傾向があります。
本記事では、統合失調症の代表的な症状や病期を整理したうえで、「症状が良くなる順番4段階」について詳しく解説していきます。

統合失調症は、主に脳内の神経伝達物質「ドーパミン」の過剰な働きによって発症するとされ、抗精神病薬を中心とした薬物療法が治療の基本となります。
症状にはいくつかの種類があり、病状の時期によって目立つ症状が異なります。
陽性症状とは、幻聴や妄想など「本来ないものが現れる」タイプの症状です。
例えば、誰かに見られていると感じたり、声が聞こえたりといった現象が起きます。
急性期に目立ちやすく、患者本人にも強い影響を及ぼします。治療によって改善することが多いですが、一部は長期にわたり残存するケースもあります。
陰性症状は、感情の乏しさや意欲の低下、社会的な引きこもりなど、「本来あるべき機能が失われる」症状です。
これらは急性期を過ぎた後、病状がある程度落ち着いた段階で目立ってくる傾向があります。陽性症状に比べて目立ちにくいものの、生活への影響は大きく、回復にも時間がかかります。
思考力や記憶力、集中力などの低下を含む認知機能障害も、統合失調症の重要な症状のひとつです。これは「考える力」や「行動を組み立てる力」が損なわれるため、日常生活や社会復帰に大きな影響を与えます。
薬物治療だけでの改善は難しく、リハビリテーションや生活支援が重要です。
急性期には幻聴や妄想といった陽性症状に加えて、興奮や感情の不安定さ、過敏さといった精神的な混乱が加わります。
この時期には生活の維持が困難になり、入院治療が必要になることも珍しくありません。
統合失調症には以下のような4つの病期があります。
治療には主に以下の3つの方法が組み合わされます。

統合失調症の症状は、一斉に改善するわけではありません。
一般的には以下のような順序で回復していくことが多いとされています。
もっとも早く変化が現れやすいのが、興奮や過敏さ、混乱といった急性期特有の症状です。これらは適切な治療を受けることで比較的早期に落ち着いてきます。
しかし、治療にたどりつくまでが困難な場合も多く、入院が必要になることもあります。
改善の兆しとしては、「幻聴に行動を左右されなくなった」「感情の高ぶりが収まり落ち着いてきた」などが見られます。
この段階での大きな目標は、安全な生活が送れる状態に戻ることです。
急性期症状が治まった後、幻聴や妄想などの陽性症状が徐々に目立たなくなっていきます。完全に消えるケースもありますが、一部の症状は慢性的に残ることもあります。
改善例として、「幻聴が以前より気にならなくなった」「妄想にとらわれなくなった」といった変化があります。陽性症状が落ち着くことで、他者とのコミュニケーションが可能になり、回復に向けたステップが踏みやすくなります。
意欲や感情の動きといった陰性症状は、急性期を抜けた後に強く目立ちます。
これらは治療薬の効果が限定的なため、長い時間をかけてリハビリや支援によって回復を目指します。
具体的には、「徐々に人と話せるようになった」「日常生活の中で少しずつ活動できるようになった」といった変化が現れます。
この段階での支援は、本人の気力を引き出すような関わりが重要になります。
最後に残ることが多いのが認知機能障害です。
考える力や集中力といった機能は、日々の繰り返しによって少しずつ改善が期待されますが、完全には戻らないことも少なくありません。
改善の実感としては、「話が理解しやすくなった」「作業がスムーズにできるようになった」といった点が挙げられます。
この段階まで来ると、社会復帰や就労といった現実的な目標に取り組むことが可能になってきます。
統合失調症は、病状によって現れる症状が異なり、それぞれが異なるペースで回復していきます。一般的には以下の4段階で症状が良くなるとされています
治療後も一部の症状が残る場合はありますが、本人に合った支援や福祉資源を活用しながら、自分らしい生活=「リカバリー」を目指すことが可能です。
統合失調症の回復は決して一直線ではありませんが、段階ごとに適切な対応を重ねていくことで、希望を持って生活を再構築する道が開かれていきます。