【発達障害と診断されたら#2】サポートを受けるための手続きの流れ【知的障害/自閉症スペクトラム(ASD)/注意欠如多動症(ADHD)/学習障害・限局性学習症(LD/SLD)など】

発達障害のある方が適切なサポートを受けるためには、まずその必要性を明確にすることが大切です。
障害福祉サービスの申請や専門医による診断を受けることは欠かせません。
さらに、発達障害者支援センターの役割を理解し、相談することも有効です。
特に子どもに対しては、親が納得していることが重要です。
無理解や不適切な対応は、事態を悪化させる可能性があるため、注意が必要です。

今回は、発達障害に対する適切なサポートの重要性と手段についてお話しします。

対象となる制度・障害福祉サービス

対象となる制度・障害福祉サービス

発達障害のある方が受けられる支援は、個々の状況や居住地によって異なります。
同じ診断でも、ケースバイケースで対応が異なるため、似た事例でも同じ支援が受けられるとは限りません。
療育や支援は自動的に提供されるものではなく、自身や子どものニーズを把握することが重要です。
具体的な福祉サービスや手続きは自治体によって異なるため、まずは詳細を確認しましょう。
分かりやすいパンフレットや冊子、情報を相談窓口から入手すると役立ちます。
制度は年度ごとに変更されることがあるため、常に最新情報を入手するよう心がけましょう。

障害福祉サービスの申請

障害者総合支援法に基づく支援の中で、自立支援給付はすべての自治体で同様のサービスを利用できます。障害福祉サービスを希望する場合は、市区町村の窓口で申請します。
障害福祉サービスは、介護給付と訓練給付に分かれており、介護給付の場合には障害支援区分の認定が必要です。この場合、障害の種類や程度、介護者、住居の状況、サービス等利用計画案を考慮して支給が決定されます。

発達障害では、知的障害がある場合は知的障害者として、ない場合は精神障害者として扱われます。
一方で、地域支援生活事業は各自治体が独自に提供しているため、具体的な内容や対象は居住地域によって異なることを覚えておく必要があります。
居住地を変更した場合、同じサービスが利用できるとは限りません。

発達障害支援センターへの相談

発達障害支援センターへの相談

発達障害を抱える方々に総合的な支援を提供する専門機関が、発達障害者支援センターです。
このセンターは国の政策により2002年から活動を開始し、年齢を問わず、乳幼児から高齢者まで継続的な支援を受けられます。
診断を受けていなくても、自分が発達障害かもしれないと感じる方の相談も受け付けています。
センターは本人だけでなく、家族や関係機関も支援の対象とし、子どもとのコミュニケーションや行動面の心配ごと、学校や職場での困難など、幅広い問題について相談が可能です。
同時に、地域の拠点として発達障害に関する情報や専門知識を提供しています。

発達障害支援センターの4つの役割

発達障害支援センターは、相談支援、発達支援、就労支援、普及啓発・研修という4つの役割を担っています。このセンターでは、人間関係や日常生活の悩み相談から、家族に対する療育や支援のアドバイス、職場での問題対応、正しい理解を広めるための講演や研修まで、幅広い活動を行っています。
また、保険、医療、福祉、教育、労働などの関係機関と連携し、地域全体で支援体制を整えています。
ただし、各都道府県や政令指定都市に一箇所しか設置されていないため、利用者が集中し、距離が遠い場合もあります。
内容も地域によって異なるため、直接問い合わせるか、公式ホームページなどで情報を確認することが重要です。

診断ができる専門医を受診

診断ができる専門医を受診

発達障害の診断を受けるには、精神科を受診する必要がありますが、すべての医療機関で適切な診断が行えるわけではありません。
専門医がいる施設を選び、事前に診断可能かどうかを確認することが大切です。
子どもの場合は、児童精神科や小児科の発達外来が適切です。
都道府県や市町村には、発達障害の診察・診断を行える専門医のリストがあることも多いので、確認しておくと良いでしょう。
ただし、専門医の数が限られており、予約から診断までに数か月かかることが一般的です。
医師は患者を観察し、家庭や学校での行動や成長経過を問診し、診断基準に基づいて診断を行います。
診断を受けることで、適切な支援にアクセスできる道が開かれます。
障害者手帳の取得や手当の受給、福祉サービスの利用などには診断書が必要です。

医療機関の受診・診断

発達障害の疑いがある場合、すぐに受診が必要とは限りません。
特に乳幼児期は経過観察が必要なこともあります。
また、年齢や状況によって診断名が変わる可能性もあります。
子どもの場合、年齢や困りごとの内容、サポート体制を考慮して、親が十分に納得してから受診することが重要です。診断を受けることで、特性に合わせた対応策が見えてくる一方で、レッテルを貼られることに不安を感じる方もいます。
また、診断書がなくても利用できるサービスがあるため、保健センターや医療機関以外の専門機関に相談することも選択肢です。

無理解・不適切な対応は症状が悪化する

無理解・不適切な対応は症状が悪化する

発達障害のある方の行動は、周囲から否定的に受け取られがちです。以前に比べて理解は進んでいますが、不適切な対応が続くと、さらに問題が発生する可能性があります。
本人がいつも叱られてばかり、一生懸命でもうまくいかないと感じると、ストレスが増大します。
学校や職場での失敗や挫折が続くと、苦痛は一層強くなります。
無理解から「いじめ」を受けるケースも少なくありません。否定的な評価や非難ばかりでは、自尊心が傷つき、自分に対する肯定的なイメージを持つことが難しくなります
このような状況下では心身に支障をきたし、うつ病や不安障害、適応障害、依存症などが引き起こされる可能性があります。
これらは二次的な障害であり、「二次障害」として知られています。

反抗や暴力を引き起こす可能性

大人になってから発達障害と診断された方の多くは、うつ病をきっかけに自身の発達障害を知ることが多いです。うまくいかない原因とその対応が分かり、救われたという声もよく聞かれます。
一方で、子どもの場合、発達障害に関連する二次障害として、反抗挑戦性障害や暴力行為、非行などが現れることがあります。
また、対人恐怖から引きこもるケースもあります。不適切な対応が続くと、本来の発達障害の特性がより顕著になることもあります。自閉スペクトラム症ではこだわりが強まったり、パニックが増えることがあり、注意欠如・多動症では不注意や衝動性が増加することが知られています。

それぞれの特性に合った支援と環境づくりが、予防や改善に重要な役割を果たします。
以上が、発達障害に対する適切なサポートの重要性と手段についての説明でした。