日常生活の中で、「なんとなく不安」「なぜか落ち着かない」と感じることは、誰しも経験があるのではないでしょうか。
ですが、こうした不安が慢性的に続き、仕事や人間関係、生活そのものにまで影響を及ぼしてしまう場合、それは「不安障害」という精神疾患の可能性があります。
中でも「全般性不安障害(Generalized Anxiety Disorder:GAD)」は、その名の通り、特定の出来事に限らず様々な事柄に対して慢性的な不安を感じ続ける状態です。
症状が地味で目立ちにくいため、本人も周囲も気づかずに長期間悩み続けてしまうケースも少なくありません。
本記事では、全般性不安障害とは何か、他の不安障害との違い、そして特に目立つ特徴を4つに分けてご紹介します。

不安障害とは、過剰で不合理な不安が長期間にわたって続き、日常生活や社会生活に支障をきたす精神疾患の総称です。
単なる「心配しすぎ」とは異なり、その不安が原因で身体症状や行動上の問題も引き起こされるため、治療が必要なケースも多くあります。
不安障害にはいくつかのタイプがあり、代表的なものは以下の通りです。
そして、今回取り上げる「全般性不安障害」は、これらとは少し異なる特徴を持ちます。

全般性不安障害は、特定の出来事や物事ではなく、生活のあらゆる側面に対して過剰な不安や心配が長期間続く状態を指します。不安の対象は絶えず変化し、「将来」「健康」「家族」「社会情勢」など、多岐にわたります。
この疾患の難しい点は、「大きな発作」や「明確な行動の異常」といった目立つ症状が出にくいことです。そのため、単なる性格や心配性と捉えられてしまいがちですが、実際には精神的・身体的に深刻な影響を及ぼします。
では、全般性不安障害にはどのような特徴があるのでしょうか。
ここからは、特に目立つ4つの特徴について詳しく見ていきます。
全般性不安障害の最大の特徴は、「特定ではない、全体的な不安が慢性的に続くこと」です。
こうした慢性的な不安により、心と体のバランスが崩れ、「緊張感が抜けない」「疲れが取れない」「不眠になる」といった状態になることが多いです。
これは単に不安な気持ちだけでなく、自律神経の乱れなど身体症状にもつながっていきます。
全般性不安障害は非常に慢性化しやすいという特徴があります。
診断基準でも「6か月以上持続する不安」とされていますが、実際には何年にもわたって続くケースがほとんどです。
症状が長引くことで、本人の「性格」や「考え方のクセ」と混同されやすく、周囲の理解も得られにくくなります。
また、本人自身も「こんな性格だから仕方がない」と自分を責めたり、諦めてしまうこともあります。
全般性不安障害の治療には、主に以下の方法があります。
どの治療法も即効性があるものではなく、時間をかけて少しずつ効果が見えてくるものです。
そのため、焦らず継続して取り組む姿勢が求められます。
全般性不安障害は、「環境要因」だけでなく、「生まれつきの特性」も大きく関わっているといわれています。たとえば、もともと不安を感じやすい性格や、感受性の強さ、完璧主義傾向などが影響することがあります。
もちろん、きっかけとなる出来事(例えば大切な人の死や、仕事の失敗など)によって不安が悪化することもありますが、そうした出来事がなくても不安が生まれることがあるのがこの障害の特徴です。
全般性不安障害は、決して「気の持ちよう」や「性格の問題」で片づけられるものではありません。症状は目立たないものの、心にも体にも大きな負担をかける疾患です。
しかし、適切な理解と治療によって、少しずつ不安を和らげていくことは可能です。
「なんだかいつも不安で疲れてしまう」「どこか気が休まらない」と感じている方は、ぜひ一度、専門家に相談してみることをおすすめします。
自分の状態に気づくこと。そして、無理をせず、少しずつでも「安心」を感じられる日々を取り戻していくこと。それこそが、回復への第一歩です。