近年、発達障害に対する認知が高まり、従来は子ども時代に診断されることが多かった発達障害が、大人になってから判明するケースも増えてきました。「大人の発達障害」とは、具体的にどのようなものなのでしょうか?本記事ではその概要とともに、特に目立つ5つの特徴についてご紹介します。

発達障害とは、生まれつきの脳機能の偏りにより、社会生活にさまざまな困難が生じる状態を指します。代表的なものとしては、以下の2つが挙げられます。
ADHDの主な特徴は、「不注意」「多動」「衝動性」の3つです。たとえば、忘れ物が多い、話の途中で遮る、時間管理が苦手で遅刻しやすいなどの傾向があります。本人は一生懸命努力していても、周囲には「だらしない」「落ち着きがない」と誤解されがちです。
ASDの主な特徴は、「対人関係の困難」「こだわりの強さ」などです。冗談が通じにくい、空気を読むのが苦手、予定外の出来事に強いストレスを感じるなどの傾向が見られます。
発達障害の多くは幼少期に兆候が見られますが、家庭や学校など周囲のサポートにより問題が目立たずに過ごすことも少なくありません。そのため、社会に出てから困難に直面し、大人になって初めて診断を受けるケースが増えています。
では、実際に「大人の発達障害」にはどのような特徴があるのでしょうか? 以下に代表的な5つをご紹介します。
多くの場合、大人の発達障害は子ども時代に顕著な問題が見られないことが特徴です。例えば、家族や先生、友人などが自然とフォローしてくれていたために、本人の特性が表に出にくかったというケースがあります。
また、本人も「自分が少し変わっているのかもしれない」と感じつつも、それが障害であるとは気づかずに成長します。そのため、成人するまで発達障害に気づかないことが少なくないのです。
社会に出て働き始めると、それまで以上に自己管理能力や対人スキルが求められます。ここで初めて、自身の特性による困難が表面化します。
たとえばADHDでは、以下のような問題が生じることがあります。
一方ASDの場合は、
などの問題が挙げられます。こうした不適応がきっかけで心身に不調を来たし、病院を受診して初めて発達障害が判明するというケースが増えています。
大人になってから発覚する場合、発達障害の特性は比較的軽度であることが多いです。もし重度であれば、幼少期に周囲が気づいて対応しているはずだからです。
しかし軽度であるがゆえに、「なんとなく生きづらい」「努力しても報われない」と感じながらも、自分の特性に気づかず、長い間苦しむ人も少なくありません。
また、診断基準をすべて満たさないために「グレーゾーン」と呼ばれる状態に該当する人もいます。この場合、医療や支援制度の対象にはならず、自己理解と自助努力が重要になります。
長年にわたる不適応や周囲からの否定的な評価により、うつ病や不安障害などの「二次障害」を発症することがあります。これは、発達障害そのものよりも深刻な問題となる場合もあります。
【二次障害の主な例】
このような二次障害は、適切な治療とともに、発達障害の特性に対する理解と対処も並行して行うことが大切です。両者を切り離さずに扱うことで、回復への道が開かれます。
子どもの場合は療育や支援体制が整っている一方で、大人になってから診断を受けた場合は、原則として自ら対策を講じる必要があります。これは非常に大きなハードルになることもあります。
しかし、軽度であるということは、日々の生活の中で少しずつ改善していく余地があるということでもあります。
たとえば、
といった方法で、少しずつ生きやすさを手に入れることが可能です。
社会の変化とともに、発達障害の認知は進んでいます。その中で、「大人の発達障害」はこれまで見過ごされてきた多くの方々の生きづらさに光を当てる重要なテーマです。

あらためて、大人の発達障害に見られる主な特徴は以下の5つです。
発達障害は「障害」ではありますが、正しく理解し、適切な対策を講じることで、自分らしい生き方を見つけることが可能です。大切なのは、自分の特性を否定するのではなく、受け入れ、工夫しながら前に進んでいく姿勢です。