発達障害とは?ASD・ADHD・LDの特徴を分かりやすく解説

はじめに

近年、「発達障害」という言葉を耳にする機会が増えてきました。

教育現場や職場、日常生活においても、

発達障害に関する理解や対応が求められるようになっています。

発達障害とは、生まれつき脳の発達に偏りがあり

その影響で対人関係や行動、学習などに困難が生じる状態を指します。

発達障害は、主に自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)

学習障害(LD)に分類されますが、それぞれの特徴は異なり、個人差も大きいため

周囲の正しい理解と適切な支援が不可欠です。

この記事では、ASD・ADHD・LDの3つの主要な発達障害について

それぞれの特徴や困りごと、接し方の工夫を分かりやすく解説していきます。

自閉スペクトラム症(ASD)とは?

自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder:ASD)は、対人関係の築きにくさや

興味・関心の偏り、行動や感覚のこだわりが特徴の発達障害です。

かつては「自閉症」「アスペルガー症候群」などと分類されていましたが

現在ではすべてASDという枠組みに統一されています。

ASDの特徴は非常に多様で、「スペクトラム(連続体)」という言葉が示すように

症状の現れ方は人によってさまざまです。

ASDの主な特徴

  • 対人関係の困難:空気を読んだり、相手の気持ちを推測したりするのが苦手です。たとえば、冗談を真に受けてしまったり、目を合わせるのが難しいといった傾向があります。
  • こだわりの強さ:物事の手順や日常のルールに強いこだわりを持つことがあります。いつもと違う順番や予定の変更に強い不安や混乱を感じることもあります。
  • 感覚の過敏さ・鈍さ:音や光、匂いなどに対して敏感だったり、逆に鈍感だったりします。例えば、服のタグが気になって集中できなかったり、大きな音に強く驚いてしまうことがあります。

ASDの方は、一見「わがまま」「空気が読めない」と誤解されることがありますが

本人は自分なりに周囲に適応しようと努力しているケースがほとんどです。

注意欠如・多動症(ADHD)とは?

注意欠如・多動症(Attention Deficit / Hyperactivity Disorder:ADHD)は

「不注意」「多動性」「衝動性」の3つの症状が主に見られる発達障害です。

症状の現れ方には個人差があり、不注意が目立つタイプ、多動・衝動が目立つタイプ

そして両方が混在する混合型に分類されます。

ADHDの主な特徴

  • 不注意:忘れ物やミスが多い、話を最後まで聞けない、集中力が続かないといった特性があります。周囲からは「だらしない」「やる気がない」と誤解されがちです。
  • 多動性:じっとしているのが苦手で、そわそわしたり、落ち着かずに動き回ったりします。授業中に立ち歩いてしまう子どもなどがその例です。
  • 衝動性:思いついたことをすぐに口に出してしまったり、順番を待てなかったりします。本人も「やってはいけない」と分かっていても、制御が難しい場合があります。

ADHDの子どもたちは、その行動が目立ちやすいため

周囲から注意されたり叱られたりすることが多くなります。

結果として自己肯定感が低下し、二次的な問題(不登校やうつなど)を引き起こすこともあるため

早期の理解とサポートが重要です。

学習障害(LD)とは?

学習障害(Learning Disabilities:LD)は、全般的な知的発達には問題がないものの

「読む」「書く」「計算する」など、特定の学習領域において著しい困難が見られる発達障害です。

LDの主な特徴

  • 読字障害(ディスレクシア):文字を読むのが極端に苦手で、読み間違いや読み飛ばしが多くなります。
  • 書字表出障害(ディスグラフィア):字をうまく書けなかったり、文章の構成がうまくできなかったりします。
  • 算数障害(ディスカリキュリア):数の概念を理解するのが難しく、簡単な計算や時計の読み方などにも困難があります。

LDのある子どもは、努力しても成果が出にくく

周囲から「怠けている」「練習が足りない」と誤解されやすい傾向があります。

本人のやる気や能力とは無関係に、脳の情報処理の仕組みに原因があるため

早期の発見と適切な学習支援が不可欠です。

発達障害との向き合い方

発達障害は「できないこと」ではなく

「得意・不得意のバランス」が大きく偏っている状態ともいえます。

困りごとに注目するのではなく、その人の「強み」を見つけて活かすことが

よりよい関係性と支援につながります。

また、診断を受けることは「ラベルを貼ること」ではなく

その人の特性を客観的に理解するための手段です。

特性に応じた配慮や環境調整を行えば、多くの困りごとは軽減されます。

家庭や学校、職場で周囲が正しく理解し、温かく接することが

本人の安心感や自信につながるのです。

おわりに

発達障害は目に見えにくく、その特性も一人ひとり異なります。

しかし、適切な理解とサポートがあれば、その人らしく活躍することは十分に可能です。

ASD、ADHD、LDという言葉にとらわれず

「その人が何に困っているのか」「どうしたら生きやすくなるのか」を一緒に考えていく姿勢が

社会全体に求められています。

発達障害について知ることは、多様性を受け入れる一歩でもあります。

この記事が、そのきっかけになれば幸いです。