精神疾患にみられる代表的な精神症状5つ
精神疾患は現代社会において多くの人が直面しうる問題です。うつ病や不安障害をはじめとするさまざまな疾患があり、いずれも早期発見と早期治療が重要とされています。発見のきっかけとなるのが「精神症状」です。今回は、特に代表的とされる5つの精神症状について詳しく見ていきましょう。
① うつ(抑うつ気分)

うつは、気分の落ち込みや無気力感といった症状が特徴です。日常的なストレス反応から、脳内物質(セロトニンなど)の不調まで原因はさまざまです。具体的な症状としては、以下のようなものがあります。
うつ症状がみられる代表的な疾患には、うつ病、適応障害、双極性障害があります。うつ病は脳の化学的バランスの乱れが関係し、薬物療法や精神療法、休養が基本的な治療法です。適応障害は強いストレス反応によるもので、環境調整が主な対策です。双極性障害では、うつとその反対の「躁(そう)」が交互に現れる点が特徴です。
② 幻聴(ないはずの音や声が聞こえる)
幻聴とは、実際には存在しない音や声が聞こえると感じる症状で、特に統合失調症に多くみられます。幻聴の種類には次のようなものがあります。
統合失調症は、ドーパミンの異常によって幻聴や妄想が現れる脳の疾患です。治療には抗精神病薬が用いられますが、幻聴は重度のうつ病や双極性障害、解離性障害、一過性のストレス反応でも出現することがあります。
③ 不眠(眠れないことによる心身の不調)
不眠は精神疾患の代表的な症状であり、同時に疾患を引き起こす原因にもなります。不眠には4つのタイプがあります。
不眠はうつ病、統合失調症、不安障害などの症状として現れることが多く、放置すると症状が悪化する可能性もあります。治療はまず睡眠環境の改善から始め、それでも改善しない場合は薬物療法を検討します。
④ 不安(コントロールできない心配や緊張)
不安は、将来への過度な心配や緊張、落ち着かなさとして現れます。日常のストレスから生じることもありますが、強くなりすぎると「不安障害」と診断されることがあります。代表的な不安障害は以下のとおりです。
治療ではSSRIなどの抗うつ薬を中心に、認知行動療法や脱感作などが行われます。不安を避けるだけの対応はかえって症状を強めることがあり、専門的な治療が効果的です。
⑤ 躁(そう)状態(気分の異常な高揚)
躁状態は、うつの反対とも言える異常に高揚した気分が続く症状です。双極性障害にみられる特徴的な症状で、以下のような兆候があります。
このような状態は、本人には快感として感じられることもありますが、対人関係のトラブル、金銭の浪費、生活の崩壊など深刻な結果を招くことがあります。躁状態がひどい場合には入院治療が必要になることもあります。
おわりに

精神疾患に伴う精神症状は、一見すると本人の性格や気分の波のようにも見えますが、実は深刻な疾患のサインであることが多いです。特に今回紹介した以下の5つは、精神疾患の早期発見につながる大切な手がかりです。
「ちょっと変かも…」と感じたときこそ、早めの受診や相談が重要です。心の不調も、身体と同じように適切なケアが必要なのです。