「努力しているのに『怠けている』と思われる」「頑張っているのに評価されない」
「要領の悪さに自分で嫌気がさす」――こうした悩みを抱えながら
社会で懸命に働いている方は少なくありません。
中には「何をやっても仕事が覚えられない」と感じ、自信を失ってしまう方もいるでしょう。
そのような場合、背景に発達障害がある可能性があります。
今回は、仕事が覚えられないことに悩む方に向けて
大人の発達障害の特徴や対処法、医療機関の探し方などを詳しく解説していきます。

「学生時代は何とかやってこられたのに、社会人になった途端にうまくいかなくなった」と
感じたことはありませんか?
実は、発達障害の特性は学校では目立ちにくく
大人になってから顕著になるケースが少なくありません。
社会に出ると責任や対人関係の複雑さが増し、苦手な部分が表面化しやすくなるためです。
発達障害の3つの主なタイプ
発達障害は、大きく以下の3種類に分類されます。
1. ADHD(注意欠如・多動症)
注意力が続かない、物忘れが多い、段取りが苦手といった特性があります。
マルチタスクや整理整頓が苦手な人に多く見られます。
2. ASD(自閉スペクトラム症)
こだわりが強く、変化や曖昧さに弱い傾向があります。
特定の分野には集中できる一方で、興味が持てないことは覚えづらいという特徴があります。
3. LD(学習障害)
読み書きや計算など、特定の学習領域が極端に苦手な状態を指します。
業務マニュアルを理解しにくいなどの困難が見られます。
このうち、仕事の覚えが悪い人に多いのはADHDの特性である「ワーキングメモリの弱さ」です。
これは、情報を一時的に記憶し、処理する脳の働きが低下していることが原因とされています。
発達障害の特性がある場合でも、工夫を重ねることで仕事に適応することは可能です。
ここでは、すぐに実践できる工夫から、効果が立証されている方法までをご紹介します。
今すぐできる3つの工夫
1. メモを活用する
話をすべて書き取ろうとせず、キーワードだけをメモしましょう。
メモを取る目的は「後で思い出すため」であることを意識してください。
2. 分かったふりをしない
曖昧な理解のまま進めると、大きなミスにつながります。
理解できなかった部分は素直に聞き直すことが信頼を築く第一歩です。
3. 指示通りに動く
慣れないうちは、アレンジを加えずに基本を忠実に守る「守破離(しゅはり)」の
「守」から始めましょう。
基本を理解したうえで応用力を身に付けることが大切です。
栄養療法
神経伝達物質の生成に関わる
栄養素(タンパク質、ビタミンB群、鉄など)を積極的に摂取することで
脳の働きがサポートされる可能性があります。
運動療法
認知機能を高める効果があるBDNFというタンパク質は、運動によって分泌されます。
週3回のランニングなど、継続的な運動が脳の働きを活性化させると報告されています。

コグトレ
日本の精神科医が開発した認知機能トレーニングです。
市販の教材を使って、自宅で気軽にトレーニングができます。
コグメドプログラム
スウェーデンで開発された科学的トレーニング法です。
5週間の集中トレーニングを通じて、記憶力や集中力の向上が期待できます。
費用はやや高額ですが、専門的なサポートを受けられる点が魅力です。
各地には、発達障害のある方が情報交換や支え合いを行う
「自助会」やオンラインコミュニティがあります。
経験者の生の声を聞くことができ、孤立感の軽減にもつながります。
発達障害は病気ではないため、治療というよりも「うまくつき合う」ことが求められます。
ただしADHDに関しては、症状を軽減する薬があります。
主なADHDの薬
これらの薬は特性に応じて処方され、医師の判断で組み合わせて使われることもあります。
発達障害の診断には、専門のテストが必要です。
臨床心理士が在籍し、知能や特性を評価することができる医療機関を選びましょう。
病院検索には「QLIFE」などのサイトが便利です。
仕事が覚えられないという悩みは、自分の努力不足ではなく
発達障害という特性に由来している可能性があります。
自己理解を深め、適切な対処をすることで
今よりも生きやすい毎日を手に入れることは十分可能です。
一人で抱え込まず、必要に応じて医療機関や支援団体に相談してみてください。
工夫やサポートを受けながら、自分らしい働き方を見つけていきましょう。