近年、精神疾患に対する理解が徐々に進んできた中で
「躁うつ病」や「双極性障害」という言葉を耳にする機会も増えてきました。
しかし、これらの用語の違いについて正しく理解している方は、それほど多くないかもしれません。
この記事では、「躁うつ病」と「双極性障害」の違いや
それぞれの症状、診断、治療法について、できるだけわかりやすく解説します。
精神疾患は誰にとっても無関係ではないからこそ、正確な情報をもとに理解を深めていきましょう。
「躁うつ病(そううつびょう)」は、かつて広く使われていた病名で
現在の正式な診断名ではありません。
現在では「双極性障害(そうきょくせいしょうがい)」という名称が正式に使用されています。
しかし、一般の会話や一部の医療現場では
今でも「躁うつ病」という言葉が使われることがあります。
「躁うつ病」という言葉は、文字通り「躁状態」と「うつ状態」が交互に現れる病気を指します。
具体的には、以下のような症状が特徴です。
◆ 躁状態の特徴

◆ うつ状態の特徴
このように、気分の波が極端に振れるのが「躁うつ病」の最大の特徴です。
「双極性障害」は、精神疾患の一つで、「躁状態」と「うつ状態」という
両極端の気分エピソードが周期的に現れる病気です。
英語では「Bipolar Disorder」と呼ばれます。
日本では、2002年以降のDSM(精神疾患の診断・統計マニュアル)改訂を受けて
正式にこの名称が使用されるようになりました。
「双極性障害」は主に以下の2つのタイプに分類されます。
◆ 双極Ⅰ型障害
◆ 双極Ⅱ型障害
どちらのタイプも、「脳内の神経伝達物質(セロトニンやドーパミンなど)のバランスの乱れ」や
「遺伝的要因」などが発症に関係していると考えられています。
「躁うつ病」と「双極性障害」は基本的には同じ病気を指していますが
次のような違いがあります。

◆ 呼び名の違い
精神科医療の分野では、「躁うつ病」という表現が持つ曖昧さを排除し
より客観的かつ診断基準に沿った呼称として「双極性障害」が用いられるようになりました。
◆ 理解される印象の違い
◆ 症状の継続期間・パターンの違い(誤解されやすい点)
一部では、「躁うつ病」は数日~数週間のサイクルで症状が現れるのに対し
「双極性障害」は数週間~数か月続くとされることがあります。
しかし、実際にはこれは明確な区別ではなく、個人差が大きい部分です。
双極性障害の診断の際には、症状の深刻度や影響の程度、継続期間など多くの要因が考慮されます。
双極性障害(躁うつ病)の治療には、主に以下の方法が用いられます。
◆ 薬物療法
症状の波を抑えることを目的として、複数の薬を組み合わせて使用することもあります。
◆ 精神療法(カウンセリング)
日々の生活リズムを整え、ストレスへの対処法を学ぶことが再発予防に効果的とされています。
「躁うつ病」と「双極性障害」は本質的に同じ病気を指しており
現在では「双極性障害」という呼び方が標準です。
気分が大きく変動するこの病気は、本人も周囲の人もその対応に悩むことが少なくありません。
しかし、適切な診断と治療、そして周囲の理解と支えがあれば
症状は安定し、充実した生活を送ることが可能です。
大切なのは、「病気に振り回されない知識」と「支え合いの姿勢」です。
心の健康に対する理解を深める一歩として、本記事が少しでもお役に立てれば幸いです。