●診断基準によって診断名が異なる

ICD-11(WHO)「神経発達症群」
DSM-5(米国精神医学会)「神経発達症群」
●診断ができる専門医を受診
診断を受ける最大の目的は、適切な支援にアクセスできる道を開くことです!
※障害者手帳の取得、手当の受給、福祉サービスの利用などには診断書が必要です。
18歳未満
18歳以上
発達障害の診断を受けるには精神科を受診する必要がありますが、すべての医療機関が適切な診断を行えるわけではありません。専門医のいる施設を選び、事前に連絡を取り、診断が可能かどうか確認することが重要です。
子どもの場合、児童精神科や小児科の発達外来が選択肢となります。都道府県や市町村には、発達障害の診察・診断を行える専門医のリストが存在する場合もあるため、それを確認することをお勧めします。
ただし、専門医の数が限られており、予約から実際の受診まで数か月を要することがよくあります。医師は患者を観察し、家庭や学校での行動や成長経過などを問診し、診断基準に基づいて診断を行います。
診断を受けることの主な意義は、適切な支援にアクセスできる道を開くことにあります。障害者手帳の取得や手当の受給、福祉サービスの利用には診断書が必要です。
●医療機関の受診・診断について
予約
問診・診察・観察
検査
診断
発達障害がある場合、ただちに受診が必要とは限りません。特に乳幼児期は、しばらくの経過観察が必要なこともあります。
さらに、年齢や状況によって診断名が変わる可能性もあります。子どもの場合、年齢や困りごとの内容、サポート体制などを考慮し、親が十分に納得した上で受診することが重要です。
診断を受けることで特性に合わせた対応策が見えてくる一方で、レッテルを貼られるようで将来に不安を抱く方もいます。
診断書がなくても利用できる福祉サービスが存在するため、保健センターや医療機関以外の専門機関に相談することも選択肢の一つです。
●本当に必要な支援を受ける
どんな支援が受けられるかを見ていく中で、「制度の骨組み」を知っておくことは非常に役立ちます。重要なのは、本人が本当に必要とする支援を受けられるようにすることです。
発達障害のある方が必要な支援を受けるために、制度の仕組みを理解することが有益です。
さまざまなサービスの法的根拠や事業の経緯を把握することは、適切な支援を受ける手助けとなります。
何より重要なのは、本人が実際に必要な支援を受けられるようにすることであり、それが本来利用できるべき訓練や支援を受けられない状況に直面した場合、制度の概要を知っておくことで対処策を見つけやすくなるでしょう。
●障害者総合支援法
□介護給付
□補助具
□相談支援
□自立支援医療
□訓練等給付
★児童福祉法
□障害児相談支援
□障害児通所支援
□障害児入所支援
■都道府県
↓支援
□地域生活支援事業
■市町村
障害者への支援の基盤となるのは「障害者総合支援法」です。
この法律は、障害者に対する施策の基本理念を「障害者基本法」に基づいて規定しており、障害福祉サービスを提供しています。この法律は障害の有無にかかわらず、地域社会での共生を支援することを目的としています。
発達障害者に特化した支援は「発達障害者支援法」によって規定されています。また、18歳未満の児童への支援は「児童福祉法」によって提供されており、この法律は児童の健やかな成長と生活を保障し、障がいのある子どもたちにも福祉サービスを提供しています。
障害年金や障害者手帳、介護保険など、対象となる場合にはそれぞれの制度から福祉サービスや給付を受けることができます。
●対象となる制度・福祉障害サービス
発達障害のある方が受けられる支援は、個々の事例や居住地によって異なります。「似たようなケースに見えても同じ支援が受けられるとは限りません」。
療育や支援は自動的に提供されるものではないため、「自身や子どものニーズを明確に把握することが重要」です。また、福祉サービスや手続きは自治体によって異なるため、最初に詳細を確認することが重要です。
「制度は年度ごとに変更されることがあるため、最新情報を入手」することを心掛けてください。
●障害福祉サービスの申請
□受付・申請
市区町村の窓口に申請をする(福祉課、障害者福祉センター、相談支援センターなど)
□障害者支援区分認定
障害者の特性や程度、状態によって必要な支援の度合いを調査のうえで認定
□サービス等利用計画案の作成
市区町村の指定を受けた特定支援事業者に「計画相談」を行い、「サービス等利用計画案」を作成してもらう
□支給決定
□サービス担当者会議
支給決定後、サービス担当者会議が開かれ、「サービス等利用計画」が作成される
□支給決定時のサービス等利用計画
□サービス利用
□支給決定後のサービス等利用計画
「障害者総合支援法」による支援の中で「自立支援給付」は、すべての自治体で同様のサービスを利用することが可能です。
障害福祉サービスを受けたい場合は、市区町村の窓口で申請を行います。障害福祉サービスは介護給付と訓練等給付に分かれており、介護給付の場合のみ「障害支援区分」の認定が必要となります。
その他の場合は、障害の種類や程度、介護者や住居の状況、そして「サービス等利用計画案」を考慮して支給が決定されます。発達障害の場合、知的障害がある場合は知的障害者として、そうでない場合は精神障害者として扱われます。
一方で「地域生活支援事業」については、各自治体が独自に工夫して提供しているため、具体的な内容や対象は居住地域によって異なることを覚えておく必要があります。居住地を移動した場合、同じサービスが必ずしも利用できるとは限りません。
●地域によって異なる「療育手帳」
□療育手帳
18歳未満は児童相談所、18歳以上は知的障害者更生相談所で知的障害があると判定された人に交付されます。東京都の「愛の手帳」、名古屋市の「愛護手帳」など独自の名称もあります。
□精神障碍者保健福祉手帳
うつ病、そううつ病などの気分障害、統合失調症、てんかん、薬物依存症、高次脳機能障害、発達障害など、一定程度の精神障害の状態にあることを認定します。
□身体障害者手帳
体の機能に一定以上の障害があると認められた人に交付されます。視覚障害、聴覚障害、肢体不自由など、それぞれに対象となる障害の程度が定められています。
障害のある方々が利用する手帳には、一般的に「精神障碍者保健福祉手帳」、「身体障害者手帳」、「療育手帳」という3つの種類があります。この中で発達障害に関わる支援を受けるために利用されるのが「精神障碍者保健福祉手帳」です。
この手帳は精神疾患によって日常生活に支障がある人々を対象としており、障害の程度に応じて1級から3級までの等級が与えられます。
さらに、知的障害を伴う発達障害の方々は「療育手帳」の取得も可能です。ただし、療育手帳は国ではなく自治体によって運用されているため、認定基準や取得条件が居住地域によって異なることがあります。
通常、知能指数が70~75程度が上限とされ、重度から軽度という基準によって等級が区分されます。
複数の障害が同時に存在する場合には、これらの手帳を複数取得することが可能ですが、それぞれの基準を満たす必要があります。
特に療育手帳取得に関しては、地域ごとの違いを考慮して申請手続きを進める必要があります。これらの手帳は障害者の方々が社会でより快適に生活し、適切な支援を受けるための重要な手段となっています。
●手帳取得は本人や家族の意思に委ねられている

□療育手帳
重度(A)の基準
それ以外(B)の基準
重度(A)のもの以外
※1度(最重度)~4度(軽度)の4区分の自治体もあります。
□精神障碍者保健福祉手帳
1級
常に人の支援を得なければ日常生活ができないほどの状態
2級
常に人の支援を必要とするほどではないが、日常生活が困難
3級
支援や配慮を受けて就労も可能だが、日常生活や社会生活で何かしらの制限を受けている状態
発達障害は外見からでは把握しにくいため、障害者手帳は公的な証明書として役立ちます。
この手帳を持つことで必要なサポートを受けやすくなるだけでなく、緊急時における身元確認の手段としても親に安心感を与えることができます。
また、特別支援教育や障害者雇用などの選択肢が広がるほか、交通機関の料金割引や税金の控除、レジャー施設の優待など、経済的な面でも支援を受けることができます。
ただし、手帳を取得するかどうかは本人や家族の意思に委ねられています。強い抵抗感を感じる場合は、手帳の利点と欠点を慎重に考慮して判断することが重要です。
特に子どもの場合、障害者手帳がなくても児童福祉法による福祉サービスを利用することが可能です。また、症状が軽減した場合には手帳を返納したり、更新しないことも選択できます。
このように、障害者手帳は重要な支援手段である一方で、その利用に関しては個々の事情に応じて慎重に判断することが求められます。
●「精神障害者保健福祉手帳」の交付を希望する場合
「精神障害者保健福祉手帳」を申請する際には、まず市区町村の窓口で相談し、必要な書類を入手します。
窓口の名称は障害福祉課や保健センター等、自治体によって異なるため、ホームページなどで確認することが重要です。申請には診断書が必要で、これは主治医によって作成されます。
初めて精神科を受診してから6か月が経過していない場合は申請することができません。障害年金を受給している場合は、診断書の代わりに証書の写しを提出することも可能です。
申請後、審査が行われ、手帳の交付までには通常1~3か月程度かかります。申請は15歳未満の場合、保護者が行います。
●「療育手帳」の交付を希望する場合
療育手帳についても、市区町村の窓口または児童相談所に相談し、必要な書類を確認します。基本的には医師の意見書は必要ありません。
18歳未満の場合は児童相談所で判定が行われ、心理判定員や小児科による本人との面接、聞き取り、知能検査などによって手帳の交付と障害の程度が決定されます。
18歳以上の場合は知的障害者更生相談所で判定が行われ、手帳は2か月ほどで交付されます。ただし、これらの手帳を取得しても自動的に支援が提供されるわけではありません。
利用可能な福祉サービスを紹介した冊子を入手し、それぞれに適したサービスを選んで申請する必要があります。
また、これらの手帳を身分証明として利用する場合、実際にはサービスを利用しなくとも問題はありません。
以上が発達障害の受診と診断/各種サービス・手帳申請手続きになります
お読みいただきありがとうございました