パニック障害をセルフチェックする4つのステップと心理検査

パニック障害は、突然強烈な恐怖感や不安感に襲われる

「パニック発作」を特徴とする精神的な障害です。

この障害は予期せぬタイミングで発生し、

その症状の強さから生活に大きな支障をきたすこともあります。

パニック障害の有病率は2~3%とされており、決して少ない病気ではありません。

精神的な問題とは無縁だと思われがちな方でも発症することがあります。

この記事では

パニック障害をセルフチェックするための方法と心理検査について詳しく解説します。

1. パニック障害は早期に治療することが大切

パニック障害を治療する際は、できるだけ早期に対応することが重要です。

発症初期の段階で治療を始めれば、症状の悪化を防ぎ、広場恐怖の合併を避けることができます。

パニック障害は思春期から青年期にかけて発症することが多く

特に20〜24歳での発症が多いとされています。

発症が早ければ早いほど、早期治療による回復の可能性が高くなります。

多くの患者さんは最初に小さな発作(症状限定発作)を経験します。

これは動悸や息苦しさ、胸のざわつきなど、パニック発作の前兆ともいえる症状です。

最初は軽い症状でも、放置すると次第に発作が強くなり、予期不安に悩まされるようになります。

この予期不安が日常生活に影響を与え

「またパニック発作が起こったらどうしよう」という恐怖が生活全体に広がります。

早期に治療を始めれば、パニック発作を抑えることができ

広場恐怖(パニック発作が起こると逃げ出せない状況を恐れる)などの

症状が発展するのを防げます。

研究によると、広場恐怖がない場合の回復率は82%に対して

広場恐怖がある場合の回復率は42%であることが示されています。

2. パニック障害のチェック① – パニック発作があるか

パニック障害の最も顕著な症状は「パニック発作」です。

パニック発作とは、突然の恐怖感や不安感が強く高まり、短期間でピークに達する症状を指します。

パニック発作がパニック障害の診断において重要なポイントとなるのは、以下の2つです:

  • 繰り返し発生すること
  • 予期しない発作であること

パニック発作は予期せずに発生し、特にきっかけがない場合が多いです。

例えば、睡眠中に突然目が覚めることがあり、これが睡眠時パニック発作として知られています。

発作の際には以下のような身体的・認知的症状が4つ以上認められます:

  • 激しい動悸や脈拍の増加
  • 息切れや息苦しさ
  • 胸の痛みや圧迫感
  • 吐き気やめまい
  • 現実感の消失や自分が自分でない感覚(離人感)

一度の発作ではパニック障害とは診断されませんが、繰り返し発生することが重要です。

症状が3つ以下の場合は症状限定発作として区別されますが

これでもパニック障害の可能性があるため注意深くチェックすることが求められます。

3. パニック障害のチェック② – 予期不安があるか

予期不安とは、パニック発作がいつ起こるか分からないという不安が

日常生活に影響を与えている状態を指します。

パニック障害では、「またパニック発作が起こったらどうしよう」という

不安に常にとらわれることが多いです。

この予期不安があると、特定の状況を避けようとする回避行動が見られるようになります。

例えば、「パニック発作が起きたら周囲に変な目で見られるのではないか」

「発作を起こすことで自分をコントロールできなくなるのではないか」といった

恐怖が強くなります。

この予期不安はパニック障害の悪循環を生み出すため、

非常に重要な診断ポイントとなります。

予期不安がない場合は、別の身体的疾患(例えば喘息や不整脈)や

薬物による影響が原因である可能性があります。

4. パニック障害のチェック③ – 他の病気でないこと

パニック障害の症状は、他の精神疾患や身体疾患と似たものがあるため

まずはそれらの疾患を除外する必要があります。

例えば、以下のような病気がパニック発作と似た症状を示すことがあります:

  • 社交不安障害(人前での不安)
  • 広場恐怖症(逃げられない状況を恐れる)
  • 強迫性障害(強迫観念)
  • PTSD(心的外傷後ストレス障害)

これらの疾患が原因である場合、パニック障害ではなく、別の病気に対する治療が必要です。

また、アルコールや薬物の影響、あるいはその離脱症状も発作の原因となることがあります。

5. パニック障害のチェック④ – 広場恐怖があるか

広場恐怖(アゴラフォビア)は、パニック障害と密接に関連していますが

独立した病気としても存在します。

広場恐怖がパニック障害に合併すると

患者は「パニック発作が起こったら逃げられない」と感じるようになり

特定の状況を避けるようになります。

広場恐怖の症状としては、公共交通機関や人混み、窓のない部屋などでの恐怖感が挙げられます。

最新の診断基準では、広場恐怖とパニック障害は別の病気として扱われていますが

実際には両者が同時に現れることが多いため、広場恐怖の存在もチェックすることが重要です。

6. パニック障害を心理検査からセルフチェック

パニック障害の診断には

客観的に症状を評価するための心理検査が有効です。以下に代表的な心理検査を紹介します。

6-1. PDSS(パニック障害重症度評価尺度) パニック障害の症状の重症度と生活への影響を評価するための心理検査です。患者は最近の症状を1〜4の段階で評価し、重症度をチェックします。

6-2. PAS(パニック障害・広場恐怖尺度) パニック障害と広場恐怖の症状を評価するための検査で、患者は過去1週間の症状をチェックします。

6-3. STAI(状態-特性不安検査) 不安の程度を評価する検査で、特性不安と状態不安をそれぞれ評価します。この検査はパニック障害に限らず広く用いられています。

まとめ

パニック障害は早期に診断し治療を始めることが重要です。

発作が繰り返し起こる前に適切な対応を行うことで

広場恐怖などの合併症を防ぐことができます。

パニック障害の症状に心当たりがある方は

早めに専門家に相談し、必要な治療を受けることをおすすめします。