【知的障害】軽度知的障害から最重度までの特徴と症状を解説!

知的障害は、その程度によって特徴が異なりますが、支援の必要性もさまざまです。また、知的障害は遺伝環境的要因二次的な精神的・身体的症状などが影響することもあります。以下、それぞれの知的障害の程度について、特徴と必要な支援についてまとめてみます。

知的障害

軽度の知的障害
軽度の知的障害は、IQが50~70程度の範囲にあり、幼児期には大きな遅れが見られないことが多いですが、小学校に入ると学習面での遅れが現れます。読み書きや算数において通常の子どもと比べて進度が遅くなり、学習支援が必要です。学校を卒業してからも、就労や結婚、育児といった新しいライフステージに進む際に、適切なサポートが重要です。

中度の知的障害
中度の知的障害は、IQが35~50程度の範囲で、幼児期から運動やコミュニケーションに遅れが見られます。社会的な付き合いや基本的な買い物などの簡単な日常生活は可能ですが、学業や仕事においては支援が必要です。通所施設を利用したり、支援を受けて企業で働くことができる場合もあり、生活の場面では世話をする人が必要となります。

重度の知的障害
重度の知的障害は、IQが20~40程度で、3歳以前に発達の遅れが明確に見られることが多いです。日常生活の多くの場面で支援が必要で、学校では生活に必要なスキルの指導が中心となります。対人的な問題が残ることもありますが、適切な支援があれば地域社会で生活することが可能です。仕事の場面では通所施設を利用することが多くなります。

最重度の知的障害
最重度の知的障害は、IQが20未満で、幼児期から著しい発達の遅れが見られます。幼児期から成人に至るまで、常に集中した支援が必要であり、介護者との密接な関係がその人らしい生活を送るための鍵となります。生活の場面ではほぼすべての活動で支援が必要となりますが、適切な支援によって簡単な作業を行うことも可能です。

知的障害の程度に関わらず、支援の内容はIQの数値だけでは決められません。個々のニーズや生活状況に応じた柔軟な支援が必要であり、それぞれの人に適した方法を見つけることが重要です。
また、遺伝や環境要因が原因となることがあり、二次障害として精神的な問題が発生することもあるため、これらに対処するための適切なケアが求められます。

知的障害者の高齢化問題

知的障害者の高齢化問題は、1970年代から議論されてきました。当時、知的障害者の平均寿命は一般の人よりも短く老化も早いとされていました。しかし、最近では適切な医療ケアや生活環境が整えられることで、健康で長寿を保つことが可能になってきています。それでも、まだ多くの課題が残っており、知的障害者が高齢になっても健康に生活できるための支援が必要です。

知的障害はさまざまな原因で発生し、遺伝的要因もその一つです。例えば、脆弱X症候群やメンデル型遺伝疾患など、特定の遺伝子が親から子へ伝わることで知的障害が現れることがあります。
しかし、親が原因となる遺伝子を持っていても、必ずしも子どもに遺伝するわけではなく遺伝した場合でも必ず発症するとは限りません。さらに、突然変異によって知的障害が発生することもあり、遺伝子の変異は誰にでも起こりうるものです。

知的障害に伴う二次的な症状も深刻な問題です。知的障害がある人は、思考力や判断力が低下しているため、環境からの情報や刺激をうまく処理できず適切な行動ができないことがあります。このため、不適切な生活習慣や反社会的行動を学習しやすく過剰な防衛反応や無気力感に陥ることもあります。これらは知的障害に起因する二次的な症状として現れます。

不安障害

不安障害も知的障害者には頻繁に見られます。知的障害児の約8.7%が不安障害を抱えているとされ、これは遺伝的な脆弱性が関与していることが多いです。
単純恐怖症、広場恐怖症、社会不安障害、強迫性障害など、さまざまな種類の不安障害が発症する可能性があります。また、知的障害者は言葉による虐待や身体的暴力を経験することが多く、これが心的外傷後ストレス障害(PTSD)につながることもあります。この場合、過剰なストレス反応睡眠障害、攻撃的な行動が引き起こされることがあります。
知的障害者の高齢化、不安障害や二次的症状に対処するためには、個別の支援と環境整備が不可欠です。

軽度知的障害は、知的障害の中でも比較的軽いレベルで、日常会話や基本的な動作は問題なくこなせるため、周囲から気づかれにくいことがあります。しかし、臨機応変な対応が苦手であったり、複数人とのコミュニケーションが難しかったりすることが特徴です。また、金銭管理が苦手であることも多く、お釣りの計算などに困難を感じることがあります。

軽度知的障害の特徴としては、全般的な学習能力の遅れが見られる点が挙げられます。これは学習障害(LD)とは異なり、学習障害では特定の学習分野に困難さがある一方で、知的障害の併発は見られません。軽度知的障害のある人は、全般的に学習の遅れがあるため、学業や社会的な場面で支援が必要です。また、
軽度知的障害の人は、自閉症スペクトラム障害(ASD)注意欠如・多動症(ADHD)を併発することもあり、これらの障害によって学習や社会的スキルにばらつきが見られることが多いです。

意思決定のサポートが必要な場合もあり、知的障害を持つ人は事実判断価値判断において認知の偏りが見られることがあります。例えば、特定の事柄を過度に一般化したり、異なる概念を結びつけて認識したりすることがあります。そのため、意思決定の際には、本人の認知能力や特性に応じたサポートが求められます

依存的な傾向も軽度知的障害の特徴の一つで、自尊心が低く他者に依存しやすいことがあります。これは、自分が周囲の同年代と比べて劣っていると感じることで顕著になることがあり、この依存性が強まる他者に騙されたり犯罪に巻き込まれるリスクも高くなります。
知的障害者は状況を十分に理解することが難しいため、知らないうちに不正行為に加担してしまう可能性もあります。
このため、外部からの福祉サービスカウンセリング家族や支援者の定期的なサポートが必要となります。

外部からの福祉サービスやカウンセリング、家族や支援者の定期的なサポート

二次障害として、軽度知的障害のある人は、うつ病不安障害などの精神的な問題を発症することがあります。特に、臨機応変な対応が求められる場面社会的なプレッシャーがかかる場面では、ストレスが蓄積し、精神的な負担が増すことがあります。このため、適切な心理的支援や環境調整が不可欠です。

まとめ

行動の理解についても、重度・最重度の知的障害者は感情や意見を表現することが難しい場合があり、行動を通してその人の気持ちやニーズを読み取る必要があります。この際、環境を調整しながら適切な行動を引き出すための支援が求められます。

まとめると、軽度知的障害の人は、日常生活では支援なしでも対応できる部分が多い一方で、学習や社会的な場面で困難を抱え、依存的な行動や二次障害のリスクを持っています。適切なサポートがあれば、安定した生活を送ることが可能です。