発達障害(ASD・ADHD)で会話が苦手な原因3つ

発達障害のセルフチェック

発達障害で会話が苦手な原因3つ

~生来の特性からくる苦手さと、できる範囲での対策を考える~

発達障害を持つ方にとって、人との会話が苦手だと感じることは珍しくありません。この「会話の苦手さ」は、本人の努力不足によるものではなく、発達障害に由来する「生まれ持った特性」が大きく影響していることが多いのです。

今回は、発達障害によって会話が苦手になる主な原因を3つに整理し、できる範囲での対策についても考えていきます。


1.発達障害とその特性

~生まれ持った特性が会話にも影響~

発達障害とは、代表的なものに「ASD(自閉症スペクトラム障害)」と「ADHD(注意欠如・多動症)」があり、生まれつき脳の機能に偏りが見られる状態を指します。

発達障害は、幼少期に気づかれることもあれば、大人になってから診断されるケースも少なくありません。こうした特性は、対人関係や会話の場面にも大きな影響を及ぼすことがあります。

ここで代表的な2つの発達障害について、それぞれ簡単に振り返っておきましょう。

ADHD(注意欠如・多動症)

ADHDでは、不注意、多動性、衝動性といった特性が目立ちます。具体的には、

  • 興味が次々と移り集中が続かない(不注意)
  • 落ち着きがなく、言動が止まらない(多動)
  • 思いついたことをすぐに口にしてしまう(衝動性)
    などの行動が見られます。

ASD(自閉症スペクトラム障害)

一方、ASDでは、

  • 相手の気持ちを察するなど非言語的なやり取りが苦手(社会性の障害)
  • 一つのことに強くこだわり、変化への対応が難しい(こだわり)
    といった特性がみられます。

これらの特性は、本人にとっては自然な行動であっても、周囲からは「話が合わない」「空気が読めない」と受け取られてしまうことがあり、結果として会話がうまくいかない原因になりやすいのです。


2.発達障害と会話

~元々の特性が不適応や二次障害のリスクに~

発達障害のある方は、会話に困難を感じることが多いと言われています。その多くは「生来の特性」が由来です。

この会話の苦手さは、対人関係の不適応を引き起こし、うつ病や不安障害といった二次障害に発展するリスクもあるため、注意が必要です。

【対策の方向性】

  • 自分の特性と、会話にどのような影響が出ているかを理解する
  • できる範囲で改善に取り組む
  • 難しい場合は、自分に合った環境を選ぶ

努力だけで全てが解決するわけではありません。無理を重ねすぎず、自分にとって居心地の良い環境を見つけることも、大切な対策のひとつです。


3.発達障害で会話が苦手な原因3つ

3.発達障害で会話が苦手な原因3つ

では、発達障害によって会話が苦手になる原因を、さらに具体的に3つに分けて解説していきます。

① 話す内容のズレ

発達障害があると、話の内容が「相手の期待」とずれてしまうことが少なくありません。

ADHDの場合

ADHDの不注意特性により、話題があちこちに飛び、まとまりのない話し方になりがちです。そのため、相手は「何を言いたいのかわからない」と感じ、疲れてしまうことがあります。

ASDの場合

ASDでは「こだわり」の特性が影響し、自分の興味に偏った話題を一方的に長時間話してしまうことがあります。また、相手が退屈しているサインにも気づきにくく、修正が難しいため、結果として「ズレた話を延々と続ける」形になってしまうことが多いのです。


② 場に合わせにくい

発達障害のある方は、場の雰囲気や相手の変化に合わせることが難しい場合があります。

ADHDの場合

ADHDでは、不注意から相手の話をじっくり聞き続けることが苦手です。また、衝動性により、相手の話を遮って自分の話を始めてしまうこともあります。この結果、「自分勝手」「無礼」と受け取られてしまうことがあるのです。

ASDの場合

ASDでは、「こだわり」から会話の流れの変化に適応できず、無理に合わせようとすると、ますますズレた話をしてしまうことがあります。そのため、黙り込むか、場違いな発言をしてしまうかという二極化した対応になりがちです。


③ 聞いたことを理解しにくい

発達障害があると、「耳で聞いた情報を理解すること」が難しい場合があります。

この背景には、「APD(聴覚情報処理障害)」という特性が関係していることが多いです。APDでは、聴力は正常であるものの、音として聞いた情報を正しく理解することが難しいという特徴があります。

ASD、ADHDの両方で見られることがあり、特にリアルタイムの会話では、「話を聞いても内容がうまく理解できず、会話についていけない」という困難に直面することになります。


まとめ

まとめ

今回は、「発達障害で会話が苦手な原因3つ」というテーマで解説を行いました。ポイントを整理すると、次の通りです。

【発達障害による会話の苦手さの主な原因】

  • 話す内容のズレ
  • 場に合わせにくい
  • 聞いたことを理解しにくい

発達障害に伴う特性は、生まれ持ったものであり、完全に克服することは簡単ではありません。大切なのは、できる範囲で改善に取り組みつつ、「これは特性だから仕方がない」と割り切る姿勢も持つことです。

過度に自分を責め続けると、うつ病や不安障害といった二次障害を招く危険もあります。できることをひとつずつ重ねながら、自分に優しく、無理のない生き方を模索していきましょう。