自律神経失調症の原因になる精神疾患4つ

今回は「自律神経失調症の原因になりうる精神疾患4つ」について、詳しくご紹介していきます。
どうぞよろしくお願いいたします。

自律神経失調症と精神疾患の関係

自律神経失調症とは、身体に明らかな異常が見られないにもかかわらず、さまざまな不調が現れる状態を指します。
この背景には、自律神経のバランスの乱れが関与しており、特に精神疾患が原因となるケースも少なくありません。
今回は「自律神経失調症の原因になりうる精神疾患4つ」について、順番に見ていきたいと思います。

自律神経失調症とは

まず、自律神経失調症について整理しておきましょう。
自律神経は、私たちの体内環境を整えるために24時間働き続けている神経です。
この自律神経のバランスが崩れることで、全身にさまざまな症状が現れる状態を「自律神経失調症」と呼びます。

症状の現れ方には個人差が大きく、たとえば「めまい」や「頭痛」が強く出る方もいれば、「動悸」や「吐き気」が目立つ方、「息苦しさ」や「手足のしびれ」が主症状となる方もいます。

また、自律神経失調症にはいくつか特徴があります。

  • 症状がストレスと強く連動する
  • 症状の場所や内容が変化しやすい
  • 検査をしても明確な異常が見つからず、内科的な治療が効果を示しにくい

このような特徴が、身体疾患とは異なる点です。

自律神経失調症の背景

自律神経失調症の背景には、特に「交感神経の過剰な働き」が関与していることが多いです。
交感神経は、緊張や覚醒をつかさどる神経であり、強いストレスや過剰な緊張状態が続くと、交感神経が過剰に働き、自律神経のバランスが崩れてしまいます。

この流れは次のように整理できます。

  1. 強い緊張が続く
  2. 交感神経が過剰に働く
  3. 自律神経のバランスが崩れる
  4. 自律神経失調症が発症する

そして、この「強い緊張」が生まれる背景には、次の3つが考えられます。

  • 先天的な傾向(もともと緊張しやすい体質)
  • ストレスや過労など外的要因
  • 精神疾患の存在

この中でも、精神疾患が関与している場合、自律神経失調症の症状はより複雑で長引きやすい傾向があります。

自律神経失調症の原因となる精神疾患4つ

それでは、具体的に自律神経失調症の原因となりやすい精神疾患を4つご紹介していきます。

1. うつ病

まず最初に挙げられるのが「うつ病」です。
うつ病は、脳内の神経伝達物質、特にセロトニンの不足が背景とされる脳の不調であり、強い落ち込みや興味・喜びの喪失が主な症状です。

うつ病では、不安や緊張が高まることが多く、それに伴って自律神経症状(頭痛、動悸、吐き気など)が現れることがあります。
これらの症状は、自律神経失調症とほぼ同じ内容を示すため、見分けが難しい場合もあります。

治療と対策
うつ病の治療は、「休養」「薬物療法」「精神療法」の三本柱が基本です。
主に抗うつ薬を使用し、必要に応じて抗不安薬を併用することで、自律神経症状の緩和も期待できます。
うつ病が改善することで、自律神経の乱れも自然と整っていきます。

2. 適応障害

2つ目は「適応障害」です。
適応障害は、特定のストレス(例えば職場環境や人間関係など)に対して、うつ症状や不安症状が強く現れる状態を指します。
脳そのものの異常はなく、ストレス源から離れることで症状が軽快するのが特徴です。

適応障害でも、うつ病と同様に自律神経症状が出現することがあり、ストレスにより緊張が高まることで、さまざまな身体的不調を引き起こします。

治療と対策
適応障害の治療では、まず「環境調整」が重要です。
可能であれば、ストレス源から距離を取ることで自然に症状が改善していきます。
併せて、ストレスマネジメントを取り入れ、ストレスに強い心身を作っていくことも大切です。
適応障害の改善によって、自律神経症状も次第に軽快していきます。

3. 不安障害

3つ目は「不安障害」です。
不安障害は、過剰な不安や緊張が長期間続き、日常生活に支障をきたす疾患群の総称です。
代表的なものに、以下があります。

  • 社会不安障害(対人場面で強い不安を感じる)
  • パニック障害(突発的な強い不安発作、自律神経発作)
  • 全般性不安障害(あらゆることに慢性的に不安を感じる)
  • 強迫性障害(特定の強迫観念に基づく不安)

不安障害でも、強い不安や緊張によって自律神経症状(動悸、息苦しさ、吐き気など)が現れることがよくあります。

治療と対策
不安障害の治療は、主に抗うつ薬(SSRI)が用いられます。
また、リラックスを促しながら不安への耐性を高める「脱感作療法」も並行して行うことが一般的です。
これらの治療によって不安障害が改善されると、自律神経の乱れも次第に整っていきます。

4. 不眠症

4つ目は「不眠症」です。
不眠症は、何らかの原因で「眠りにつけない」「眠りが浅い」「夜中に何度も目が覚める」といった症状が続く状態です。
不眠が続くと、十分な休息が取れず、体に常に緊張状態が続くため、自律神経のバランスが乱れやすくなります。

特に、不眠による疲労の蓄積と交感神経の過剰な働きが、自律神経失調症の症状を悪化させる要因となります。
また、悪循環として、不眠→緊張→自律神経症状→さらに眠れない、という流れに陥ることも少なくありません。

治療と対策
不眠症の治療では、まず生活習慣の見直しを行います。
睡眠環境を整えたり、就寝前のリラックスタイムを設けたりすることで改善を図ります。
それでも改善が見られない場合は、依存性の少ない睡眠薬の使用を検討し、必要に応じて調整を行います。
不眠が改善すれば、自律神経の不調も改善されるケースが多いです。

まとめ

今回は「自律神経失調症の原因となる精神疾患4つ」についてご紹介しました。
体に明らかな異常がないにもかかわらず、さまざまな症状が出る自律神経失調症。
その背後には、以下の精神疾患が関与していることがよくあります。

  1. うつ病
  2. 適応障害
  3. 不安障害
  4. 不眠症

これらの精神疾患が背景にある場合は、まず精神疾患そのものの治療を優先的に行う必要があります。
精神面が改善されることで、結果として自律神経のバランスも整い、体の不調も改善が期待できるでしょう。

もし、これらの症状に心当たりがある方は、早めに医療機関に相談することをおすすめします。
自分自身の心と体を大切に、無理をせずケアしていきましょう。