精神疾患がある場合、夜勤のある仕事はきついのか?
今回のテーマは「精神疾患がある場合、夜勤のある仕事はきついのか?」というご質問についてです。精神疾患を抱えながら仕事を探している方にとって、夜勤のある職種に就くべきかどうかは非常に大きな悩みのひとつです。経済的な理由や求人の多さなどから夜勤も選択肢に入ってくることは珍しくありません。しかしながら、精神的・身体的な健康を保つためには、その影響について十分に理解したうえで判断することが重要です。
本記事では、夜勤のある仕事の特徴、メリット・デメリット、精神疾患との関係性、そして注意点などを具体的に解説していきます。
まず、精神疾患を抱える方が夜勤を検討する背景には、いくつかの現実的な理由があります。
夜勤のある仕事は、慢性的な人手不足により常に求人が出やすい傾向にあります。特に介護、医療、物流、製造業、小売などの業界では24時間体制での勤務が必要不可欠であり、深夜帯で働ける人材が常に求められています。日勤の求人がなかなか見つからず、夜勤の方が選びやすいというケースも少なくありません。
夜勤には、深夜手当や交代勤務手当が付く場合が多く、給与が高めに設定されていることがよくあります。たとえば、通常の賃金に対して深夜帯(22時〜翌5時)に勤務すると25%以上の割増賃金が支払われることが労働基準法に定められており、結果として手取り収入が増えるケースが多くなります。この経済的インセンティブは、特に経済的な余裕がない方にとって大きな魅力となりえます。
一部の専門職や業種では、夜勤が避けられない場合があります。たとえば、看護師、介護職、警備員、交通関連業務(鉄道、空港勤務など)、工場勤務などは夜勤が業務の一部として組み込まれていることが多いです。このような職種を希望、あるいはすでに従事している方にとっては、夜勤を完全に避けるのが難しい現実があります。
具体的に夜勤のある代表的な職種をいくつか挙げてみましょう。

一見すると負担が大きそうな夜勤ですが、以下のようなメリットも存在します。

一方で、夜勤には明確なリスクとデメリットが存在します。特に精神疾患のある方にとっては、この点を軽視することはできません。
夜勤の最大の問題点は、自然な生活リズムが崩れてしまうことです。人間の体は本来、昼に活動し夜に休むようにできています。夜勤によってこのリズムが逆転すると、自律神経の乱れ、ホルモンバランスの崩れ、消化機能の低下など、さまざまな身体的不調が引き起こされやすくなります。
昼間に寝ようとしても、外の騒音や光、生活の都合などでなかなか深く眠ることができません。これにより慢性的な睡眠不足に陥り、集中力の低下や疲労の蓄積が深刻化することも。
夜勤だけの勤務では、家族や友人との生活時間がずれてしまうため、社会的な孤立感を感じることが多くなります。特に精神的な安定を必要とする方にとっては、孤独感が悪化の引き金になりかねません。
精神疾患を抱える方にとって、夜勤はより注意を要する働き方です。
精神疾患、特にうつ病や不安障害、双極性障害などは、生活リズムや睡眠の質に大きく影響されます。夜勤によってこれらが乱れることで、症状の再発や悪化のリスクが高まることは臨床現場でもよく知られています。
夜間勤務中に体調が悪化しても、医療機関や相談窓口が閉まっている時間帯であることが多く、すぐに助けを求めにくいという問題があります。この「孤立状態」も、精神疾患を抱える方には大きなストレスになります。

どうしても夜勤を避けられない場合、以下のような工夫と対策が求められます。
現在休職中で、夜勤のある職場への復帰を考えている方は、より慎重な対応が求められます。基本的には以下のようなステップで進めるのが一般的です。
復職において最も大切なのは、無理をしないことと、周囲との連携を密にすることです。

精神疾患がある場合、夜勤のある仕事は基本的にはお勧めできません。その最大の理由は、生活リズムや睡眠への悪影響が、精神的な不調の引き金となりうるためです。
しかし、経済的事情や職種上やむを得ない事情があることも現実です。そうした場合は、生活リズムの安定、睡眠環境の工夫、無理をしない姿勢を大切にしながら、必要に応じて早めに医療機関へ相談することが重要です。
自分の心と身体を最優先に、長く働き続けられる環境を選んでいきましょう。