【自閉症スペクトラム(ASD)】会話ができない人の特徴

ASDの特徴:一人ひとりの理解は異なります

自閉症と診断されている方々でも、その状態は一人ひとり異なります。特にアスペルガー症候群を含む自閉症スペクトラム(ASD)の枠組みで考えると、その多様性はさらに広がります。しかしながら、自閉症に共通する心理的特徴も確かに存在します。

視覚的理解力について

例えば、絵や写真、マーク、文字、数字などを見せた際に、どの程度理解できるでしょうか?また、実物でないと理解しにくい場合もあるでしょうか?

例えば、「トイレ」を示す方法として、ジェスチャーが通じる方もいれば、写真で示されると理解しやすい方もいます。

しかし、写真の場合、家庭のトイレと公共のトイレが見た目が違うため、同じ「トイレ」を意味することが理解されない場合もあります。

絵で示すとシンプルですが、絵と実物が似ていない場合には、それが同じものを表していることがわからないこともあります。

公共の場でよく目にするマークの方が、一般的でわかりやすいこともあります。その人にとって何がわかりやすいのか、さまざまな方法を試してみることが重要です。

視覚的理解力について

コミュニケーションの特徴

自閉症スペクトラム(ASD)は「三つ組」の特性からなります。その一つである「コミュニケーションの質的な障害」について、以下の特徴があります。

  1. 話し言葉の発達の遅れ、または完全な欠如(代わりのコミュニケーション手段による補おうとする努力が見られない)
  2. 十分な会話能力がある場合でも、他者と会話を開始し、継続する能力に著しい障害が見られる
  3. 常同的で反復的な言語の使用、または独特な言語
  4. 発達水準に応じた変化に富んだ自発的なごっこ遊びや社会的な物まね遊びの欠如

これらの症状は3歳までに明らかになりますが、すべての症状がすべての人に見られるわけではありません。

独話や実況中継

ASDの方によく見られる特徴として、独話や独り言、実況中継があります。これは、聞き手を必要としない言語行動で、以下の2つの機能に分類されます。

  1. 精神の安定化としての独話:これは自己刺激行動の一種で、例えば好きなテレビCMや歌のフレーズを繰り返し言うなど、遅延性エコラリア(以前に聞いた言葉やフレーズを時間をおいて繰り返す現象)として見られることが多いです。内容が周囲の状況と合致していない場合もありますが、過去の叱責場面をきっかけに、それに関連する言葉を繰り返す場合もあります。
  2. 行動調整としての独話。

話し方の特徴

ASDの中でも、質問された際に妙にかしこまった話し方をしたり、必要以上に詳細な情報を話したりする方がいます。これを「ペダントリー(pedantry)」と呼びます。

例えば、家族に対しても初対面の人と同様に敬語を使ったり、年齢に見合わない難しい言葉を使ったりします。また、質問に対して、主な出来事や印象に残ったことを答えるのではなく、詳細に話すこともあります。

これは、非言語的または言語的な手がかりから、相手との関係性や意図を理解することが難しいことが原因と考えられます。

こだわりに関する困りごと

ASDのある方の多くは、決まった手順を守ることが得意な一方で、変化に対応することが苦手です。変化に弱い部分が困りごとにつながる場合は、「考え方」や「行動の癖」を見直したり、「環境を調整」することが効果的です。

理解の特徴

ASDの方は、一般的に話し言葉よりも視覚的に提示されたものの方が情報を理解しやすい傾向があります。また、言語表出と理解のバランスが悪いことが多く、よく喋る割に理解が伴わない場合があります。

般化(はんか)の難しさ

ASDの方は、学んだことを別の場面に応用することが苦手です。文脈が少し変わっただけで、学んだことを応用することが難しくなります。

変化が苦手:見通しが持てないと不安

ASDの方は、些細なことで不安になりやすく、特に見通しが持てないときや予想と違う展開になると、混乱することがあります。彼らのこだわりは、不安の裏返しとも言えます。

知的障害を伴うASDのケース

ある28歳の男性が作業所で働いており、挨拶ができ、仕事に取り組む態度も真面目です。しかし、いつもと違う流れになると混乱することがあり、音に敏感であるため、掃除機の音を嫌がることもあります。

知的障害を伴うASDのケース

支援学校を卒業後、19歳の時にてんかん発作をきっかけにASD(自閉症スペクトラム)と診断されました。作業所では、彼の行動特徴を理解することで、特性に合った支援が行われています。

ASDの方への支援のポイント

支援が成功するコツは、予防的な介入とプラスのフィードバックです。また、本人を変えようとするのではなく、環境を変えるという発想も重要です。

以上が【自閉症スペクトラム(ASD)】会話ができない人の特徴でした

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