うつ病は、日常生活に大きな支障をきたす心の病気です。さまざまな症状が現れますが、特に特徴的なのは「こころの症状」と呼ばれる落ち込みや罪悪感などの変化です。これらは本人が自覚しやすい一方で、周囲には見えにくいため、見逃されやすい側面もあります。
この記事では、うつ病におけるこころの症状について、早期発見の重要性とあわせて詳しく解説します。
まず、うつ病とは、落ち込みや意欲の低下などの「うつ症状」が続く脳の病気です。背景には、脳内の神経伝達物質、特にセロトニンの不足が関係していると考えられています。
うつ病では「こころの症状」のほか、「からだの症状」や「行動の変化」も見られます。
代表的なのが、落ち込みや罪悪感、興味の減退といった、本人が自覚しやすい精神的な不調です。
吐き気やめまい、倦怠感などの身体的不調が現れることがあります。これらは自律神経のバランスの乱れに起因することも多く、本人も「うつ病」とは気づかないことが少なくありません。
人を避ける、イライラしやすくなるなど、周囲からも観察できる行動の変化が見られることもあります。
特に、仕事への影響は大きく、集中力の低下やミスの増加、対人関係のトラブルなど、職場でのパフォーマンスが著しく低下する場合もあります。

うつ病の治療は、次の3本柱を中心に行われます。
まず必要なのは「休養」です。脳をしっかりと休めることで、徐々に症状の改善を図っていきます。過度なストレスから距離を置き、心身をリセットする時間を確保することが重要です。
次に「薬物療法」があります。主に抗うつ薬(SSRIなど)が使用され、症状の改善だけでなく、再発予防にも役立ちます。副作用に注意しながら、医師の指導のもとで適切に服用を続けることが大切です。
最後に「精神療法」です。ストレスへの対処法や考え方のクセを調整するために、カウンセリングや認知行動療法(CBT)が行われることがあります。心の回復をサポートする大切な治療手段です。
うつ病では、こころの症状が比較的早く出る一方で、からだの症状や行動の変化は後から現れることが多いとされています。
したがって、落ち込みや意欲低下など、こころの不調にいち早く気づくことが、早期発見・早期治療につながります。
注意すべき点として、うつ病は徐々に進行するため、本人も変化に気づきにくいことがあります。また、ストレスの影響で悪化するものの、ストレス源から離れても症状が続く場合は、特に注意が必要です。
例えば、仕事が休みの日にも不調が続くといった場合、うつ病を疑うべきサインといえます。

ここからは、うつ病において代表的な「こころの症状」5つを順に見ていきます。
もっとも典型的な症状が「抑うつ気分」です。気分が落ち込み、喪失感や絶望感を強く感じるようになります。
急に悲しくなる、理由もなく涙が出る、何にも希望が持てないといった形で現れることもあります。
具体例:
以前は楽しめた趣味や活動にも興味が持てなくなるのが「興味の減退」です。
悪化すると、何もする気が起きず、一日中ぼんやりと過ごしてしまうこともあります。これが孤立のきっかけになることも少なくありません。
具体例:
「罪悪感」も代表的な症状の一つです。
自分に責任のないことでも、すべて自分が悪いと感じたり、周囲に迷惑をかけていると思い込んだりします。過去の失敗を何度も思い返してしまい、さらに気持ちが沈む悪循環に陥ることもあります。
具体例:
集中力が続かなくなる「集中力の低下」もよく見られる症状です。
脳の機能が本調子でなくなり、仕事や日常生活に支障をきたします。また、これに伴い、判断力や記憶力、思考力の低下も見られることがあります。
具体例:
「極端な考え」が現れる場合もあります。
自己評価の低下により、「自分はいなくなったほうがいい」といった思考が頭を支配することがあります。
特に、考えに行動が巻き込まれる場合、具体的な計画を立てる場合、他のうつ症状も強く出ている場合には、早急な専門的支援が必要です。
具体例:
うつ病で最も特徴的なのは、落ち込みなどの「こころの症状」です。
代表的な症状は次の5つです。
これらの症状は、早期発見・早期治療につなげるためにも、できるだけ早い段階で気づくことが大切です。
セルフケア(休養を取る、ストレスを減らすなど)をしても症状が続く場合は、自己判断せず、速やかに医療機関を受診することをおすすめします。
うつ病は適切な治療によって回復が十分に可能な病気です。一人で抱え込まず、早めの行動が回復への第一歩となるでしょう。