統合失調症の主な認知機能障害5つ

統合失調症セルフチェック

~統合失調症における認知機能障害5つについて~

今回は、統合失調症に関連する「認知機能障害」について詳しくご紹介していきます。特に、統合失調症においてよく見られる主な認知機能障害5つについて取り上げます。
どうぞよろしくお願いいたします。

統合失調症と認知機能障害

統合失調症とは、脳内のドーパミンという神経伝達物質の働きが過剰になるなどして、幻聴や妄想といった「陽性症状」が現れる脳の病気です。治療によって陽性症状は比較的改善しやすいものの、病気の改善後には「陰性症状」と「認知機能障害」が目立つようになります。これらは慢性的に生活に影響を及ぼすため、十分な理解と対応が求められます。

まず「陰性症状」について振り返ってみましょう。陰性症状とは、本来持っているはずの意欲や感情表現が低下する状態を指します。急性期が落ち着いた後にも目立つことが多く、長期間続くことが特徴です。薬による治療効果は限定的で、社会生活や日常生活に支障をきたすことが少なくありません。

さらに、改善後に目立ってくるのが「認知機能障害」です。認知機能障害とは、考える・記憶する・集中するなど、脳の基本的な働きに障害が生じる状態を指します。この障害も、薬だけでは十分な改善が難しいとされています。そのため、日常生活全般に大きな影響が出ることがあるのです。

認知機能障害がもたらす影響

認知機能障害は、生活面にさまざまな困難をもたらします。
具体的には、日常生活のさまざまな作業が滞る、人とのコミュニケーションがスムーズにいかない、新しい知識を習得することが難しい、などが挙げられます。こうした困難が積み重なると、再発(再燃)のリスクも高まるため、早めに適切な対策を取ることが重要です。

主な対策としては、リハビリテーション(リハビリ)を通じて、頭と身体を積極的に動かし、認知機能の改善を目指す方法があります。また、生活面で困難が強い場合には、訪問看護師やヘルパーなどの支援を利用することも検討されます。さらに、リハビリを続けても障害が慢性化してしまった場合には、各種福祉制度を活用することも大切な選択肢です。

統合失調症における主な認知機能障害5つ

ここからは、統合失調症において特に目立つ5つの認知機能障害について、詳しく見ていきます。


1.注意力の低下

統合失調症では、注意力が低下し、集中力を持続させることが難しくなることがあります。何か作業を始めても、すぐに気が散って中断してしまう傾向が見られます。

【実生活への影響】
・家事や仕事など、日常の作業が滞る
・会話中に集中できず、話がうまくかみ合わない
・新しいことを学ぶ際に、集中が続かず困難を感じる


2.記憶力の低下

新しい情報を覚えにくくなったり、以前覚えたことを思い出しにくくなったりする記憶力の低下も特徴的です。

【実生活への影響】
・忘れ物や物を失くすことが増える
・約束を忘れてしまい、人間関係のトラブルが発生する
・生活全般に混乱をきたしやすくなる


3.計画や段取りの困難

物事の計画を立てたり、段取りを考えたりすることが苦手になる傾向もあります。順序立てて行動することが難しくなるため、活動全体に支障が出ます。

【実生活への影響】
・日常生活の流れを作ることが難しくなる
・問題を発見しても解決まで至らない
・悪化すると生活の破綻や、再発リスクが高まる


4.問題解決能力の低下

問題を整理し、解決へと導く思考過程に障害が出るため、日常生活で直面するさまざまな問題をうまく処理できなくなります。

【実生活への影響】
・小さな問題が積み重なり、次第に追い詰められる
・環境の変化に適応できず、混乱する
・未解決の問題が増え、生活に大きな影響を及ぼす


5.処理能力の低下

情報を受け取り、理解し、反応するまでの一連のプロセスが遅くなるため、物事をこなすスピードが落ちてしまいます。

【実生活への影響】
・日常の作業が遅くなり、やれることが減る
・変化や試行錯誤への対応が難しくなる
・負担が増えると混乱し、再燃リスクが高まる


認知機能障害への対応

統合失調症における認知機能障害は、回復には時間がかかることが多く、焦らず少しずつリハビリに取り組むことが大切です。
具体的には、無理のない範囲で頭と体を動かし、できることを一つずつ増やしていくことが基本となります。また、生活に大きな困難を感じる場合には、訪問看護や福祉サービスなどを活用することも検討しましょう。

リハビリや支援をうまく組み合わせることで、生活の質(QOL)を高め、再発リスクを抑えることが可能になります。

まとめ

今回は、統合失調症のセルフチェックとして、「主な認知機能障害5つ」についてご紹介しました。

統合失調症における主な認知機能障害
1.注意力の低下
2.記憶力の低下
3.計画や段取りの苦手
4.問題解決能力の低下
5.処理能力の低下

これらの障害は、回復後も長期にわたり影響を及ぼすことが多いため、リハビリや支援を上手に活用しながら、無理のないペースで生活の安定を図ることが大切です。

「できること」に焦点をあてて、ゆっくり一歩ずつ前に進んでいきましょう。