
「アスペルガー症候群」や
「自閉症」などと呼ばれていた特性を、
共通する点が多いことから「ASD」として
まとめて表現するようになりました。
ASDの人々は、目を合わせることや曖昧な指示の理解が難しく、対人関係に影響を及ぼすことがあります。
主な特徴として「コミュニケーションが不得意」や
「こだわりが強い」などが挙げられますが、
感覚過敏を抱える人も多くいます。

■強いこだわりの例

興味や関心が特定のものに限定されがちで、
職場では「柔軟性がない」と
見られることもありますが、特定の分野において
深い知識を持つという強みもあります。
ASDには否定的な側面だけでなく、良い面も多く存在します。長所や個人の強みに注目することも非常に重要です。

ASDの特性は、
次の3つの主要な要素から成り立っています。
ASDの特性を理解するには、
この3つの要素を知ることが重要です。
1つ目は社会的相互作用の障害で、
人と対話をしたりつながりを築いたりすることが
難しいことを指します。
2つ目はコミュニケーションの質的な障害で、
言語や非言語的なコミュニケーションに関する
困難さを示します。
そして3つ目は想像的活動の障害で、
創造的な遊びや想像力の発展が制限されることを
意味します。
これらの特性には、
しばしば反復的な行動パターンが伴います。
イギリスのキャンバーウェル調査に基づき、
ローナ・ウィングとジュディス・グールドは、
ASDの各特徴をカナー型自閉症や
アスペルガー症候群といった特定のカテゴリーに
分類するのは難しいと結論づけました。
その代わりに、ASDの特性は
連続的なスペクトラムとして捉えられ、これが
「自閉スペクトラム障害」の名称の由来となりました。
自閉スペクトラム障害を理解する際には、
この「三つ組み特性」が中心的な要素であることが
重要です。

自閉症スペクトラム障害の主な特性の1つである
対人的相互作用における質的な障害には、
目線を合わせることが難しかったり、
ボディランゲージが伝わりにくかったりすることが
含まれます。
対人的相互作用の質的な障害
自閉症スペクトラム障害の主な特徴の一つで、
以下の条件のうち2つ以上が該当する必要があります。
これらの特徴は幼少期から見られ、
例えば母親に対して無関心であったり、社交的な場で
孤立しがちだったり、一人で過ごすことを好む傾向が
示されます。
対人的相互作用の質的な障害は、
自閉症スペクトラム障害の重要な特徴であり、
診断の際に考慮されます。

自閉症スペクトラムの主な特徴の一つである
コミュニケーションの質的な障害とは
どのようなものかを見てみましょう。
コミュニケーションの質的な障害の診断基準として、
以下の条件のうち1つ以上が当てはまるとされます。
このように、知的障害や言語の遅れとは異なり、
ジェスチャーや表情を使って意思を伝えようとする
努力が欠けているのが特徴です。
言語能力が高い場合でも、
会話を自発的に続けることが難しく、
相手の関心を考えずに自分の興味に固執して
話し続けることがあります。

自閉スペクトラム障害における
「限定された反復する様式の行動、興味、活動」の
判断基準には、次の要点があります。
これらのうち2つ以上が該当する場合、
この特性がある可能性が高いです。
ASDの三つ組の特性の1つである
「限定された反復する様式の行動、興味、活動」とは、例えば電車の時刻表や辞書、カレンダーなどを
完璧に記憶することや、
特定の物事に強くこだわることがあります。
また、物の配置や手順、道順を常に一定に保つことを
好み、急な予定の変更に不安を感じることもあります。
さらに、ASDの人々は次のような行動を示すことが
よくあります。
このような「常同行動」は、
特に重度の知的障害を伴う場合により顕著に現れ、
不安やストレスが高まると
さらに強化されることがあります。
ASDの人は予測可能な環境やルーティンに頼りがちで、変化に対して不安を感じやすいため、
そのような常同行動が現れることが理解されています。
支援や介入が必要な場合は、
個々のニーズに合わせたアプローチが重要です。

発達に関する違いは、さまざまな形で人々の生活に影響を与えます。
一部の人は、
わずかな発達の違いでも職場や日常生活で困難を感じ、支援を求めることがあります。
一方で、
大きな発達の違いがあっても
社会で幸せに生活している人もいます。
重要なのは、
発達の違いの大きさではなく、それによって生じる
生活の困難さです。
もし生活がつらいと感じるなら、その原因を理解し、
生活を改善することが求められます。
ただし、
発達障害の治療は特性をなくすことを目指すものでは
ありません。
自身の特性には良い面もあるため、
それを失うことは避けるべきです。
代わりに、問題の根本原因を探り、
適切な対策を学びながら、社会に適応しつつ、
自分にとって幸福な生活を送ることが目標となります。
周囲の理解やサポートがあり、
生活がうまくいっている場合は、必ずしも
発達障害の診断を受ける必要はありません。
重要なのは、自分の状況を理解し、
必要に応じて適切なアプローチを取ることです。