「女性であること」が引き起こす悩み【発達障害を持つ女性】

皆さんは、自分が発達障害かもしれないと考えたことはありますか?または、その可能性について調べたことはありますか?発達障害は通常、幼少期に現れると言われていますが、実は女性の場合、大人になってから気づくケースが少なくありません。今回はそのテーマを掘り下げてみたいと思います。

子どもの頃からの困難

「女性であること」が引き起こす悩み【発達障害を持つ女性】

子どもの頃から、わざとではないのに親や教師に叱られたり、友達とうまくいかず辛い思いをしてきた人が多くいます。子どもの頃は、失敗しても親や教師がフォローしてくれるため、自分の特性に気づきにくいものです。しかし、大人になるとフォローがなくなり、自分自身が困る場面が増えて、「何かが違う」と感じることが多くなります。忘れ物が多かったり、ぼんやりしていたり、そわそわして落ち着きがないことがあったり、突然イライラして誰かに当たってしまうこともあります。親や教師から叱られたり、友達と衝突したりするたびに、「なぜ他の人のようにできないのか」と悩むことになります。大人になっても同じような悩みや苦しみを抱えているなら、発達障害の可能性を考えることが大切です。発達障害の特性や対処法を知ることで、少しでも楽になる方法が見つかるかもしれません。

ADHD(注意欠如・多動症)の特徴

発達障害の一つであるADHD(注意欠如・多動症)には、「不注意」「衝動性」「多動性」の3つの特徴があります。

不注意の特徴

うっかりミスやぼんやりしてしまうことが多く、気が散りやすく集中力が持続しにくいことが挙げられます。一方で、自分の好きなことには過度に集中することもあります。子どもの頃は、忘れ物や失くし物が多く、親や教師に叱られることが多かったり、整理整頓が苦手で授業中にぼんやりすることもあります。大人になると、仕事の締め切りを守れなかったり、うっかりミスや忘れ物が多いといった問題が続きます。

衝動性の特徴

思い立ったらすぐに行動しないと気が済まない、やるべきことを後回しにして目先の楽しみを優先する、結果を考えずに行動することなどがあります。子どもの頃は、他人の話を遮って自分ばかり話す、順番を待つことができずに割り込むこともあり、大人になると、決められた手順や方法に従うのが苦手だったり、計画を立てるのが難しい、行き当たりばったりの行動が多いといった特徴が現れます。

多動性の特徴

じっとしていられず、常に手足を動かしたり落ち着きがない、退屈な状況に耐えられないといったことがあります。子どもの頃は、おしゃべりが多く注意されることがよくあり、頭の中に次々と考えが浮かび、じっと座っていられないことが特徴です。大人になっても、自分ばかり喋り続けたり、デスクワークや会議でじっとしていることが苦手な場合が多いです。

対人関係が苦手

発達障害を持つ人は、大人になるにつれて他者との関係に悩むことが増えていきます。学校や職場などで人と接する場面で困難を感じることが多く、ストレスに繋がることが少なくありません。子どもの頃から友達が少ない場合、自分の性格が原因だと思いがちですが、実は発達障害が背景にあることもあります。大人になると、この傾向がさらに顕著になり、家族や職場の同僚との人間関係で困難を抱えることが多くなります。

特にASD(自閉スペクトラム症)の傾向がある人は、他者との関わりが極端に苦手で、一方的なコミュニケーションになりやすいことがあります。また、「女子トーク」などが苦手だと感じることもあります。一方、ADHD(注意欠如・多動症)の特性を持つ人は、衝動性多動性のためにおしゃべりが多くなりがちで、他人の話を遮ってしまうこともあり、その結果、自己中心的だと思われることがあります。

ASD(自閉スペクトラム症)の特徴

ASD(自閉スペクトラム症)やその傾向がある人には、ローナ・ウィングが提唱した「3つ組の特性」が見られ、対人関係で困難を感じることが多いです。

「社会性の障害」
友達や周囲の人と適切に関わるのが難しく、相手との距離感がわからないため、近づきすぎたりします。また、困ったときに助けを求めるのが苦手です。子どもの頃は、いつも一人で遊んでいたり、人との距離感がわからないことがあり、大人になっても、話しかけられてどう返事すればいいかわからないことがあります。

「コミュニケーションの質的な障害」
相手との相互的なやり取りが苦手で、会話が一方的になりがちです。また、冗談や嘘を真に受けてしまうことがあり、表情が乏しかったり、喜怒哀楽が表れにくいこともあります。子どもの頃は、友達がいないことが多く、自分ばかり話し続けることがあります。大人になると、会話が続かず気まずくなったり、「冗談が通じない」と言われることが多くなります。

「社会的想像力の障害」
予想外の事態に柔軟に対応するのが難しく、何かにこだわりすぎて非常識に見えることがあります。また、他人の感情や考えを想像するのが苦手です。子どもの頃は、自分の好きなことを邪魔されると癇癪を起こし、大人になっても、敬語を使うべき状況がわからず、失礼な発言をしてしまうことがあります。

発達障害を持つ女性

最近では、性別に基づく「男性らしさ」「女性らしさ」の考え方が見直されつつありますが、まだ「女性らしくしなさい」といった無意識のプレッシャーが存在しています。発達障害を持つ女性が感じる苦痛や生きづらさの背景には、「女性なのに」という偏見が大きな影響を与えています。例えば、家事や育児、他者への配慮が苦手な場合、周囲からは「女性なのにできない」と見なされ、それが自己評価の低下や自己嫌悪に繋がることがあります。

ストレスが体調不良につながる

日々の失敗や叱責、人間関係の問題、そして過去の辛い経験は、ストレスとなって心身に負担をかけます。特に女性の場合、このストレスが体調不良として現れることが多く、発達障害心身症として診断されることもあります。食事や睡眠不足、生活リズムの乱れも体調不良に関係しており、生活習慣を整えることが重要です。

相談として受診する

「女性であること」が引き起こす悩み【発達障害を持つ女性】

発達障害の特性は、日常生活の多くの場面で影響を及ぼします。家庭や学校、職場で困ることが多く、それが発達障害によるものだと感じた場合は、医療機関を受診することを検討しても良いでしょう。発達障害は精神科の領域ですが、精神科の受診がハードルが高いと感じる場合は、心療内科やカウンセリングを受けるのも一つの方法です。相談するだけでも気が楽になることがあります。

以上が、ADHD(注意欠如・多動症)ASD(自閉スペクトラム症)など、特に女性の場合の発達障害による困りごとについての説明でした。