発達障害のある女性の悩み 「女性なのに」が苦しめる

皆さんは、自分が発達障害ではないかと疑問に思ったことがありますか?あるいは、その可能性について調べたことはありますか?

一般的に発達障害は幼少期に現れるとされていますが、実は女性の場合、大人になってから発達障害に気づくことが少なくありません。本日は、このテーマについて深く掘り下げていきたいと思います。

●子どもの頃からトラブルが多い

自分では意図しているわけではないのに、子どもの頃から親や教師に注意されたり叱られたり、友だちとうまくいかずに辛い思いをしてきた方が少なくありません。

●発達障害の特性に気づかない

子どもの頃は失敗しても親や教師がフォローしてくれるものですが、大人になるとそのフォローがなくなり、自分でも困ることが増えて、「何かおかしい」と感じるようになります。

子どもの頃は周囲がフォローしてくれたり、その行動が本人の性格だと思われていたりするため、「おっちょこちょい」「活発な子」と言われ、発達障害の特性だとは気づかれないことがあります。

たとえば、いつもぼんやりしていたり、そわそわと落ち着きがなかったり、突然イライラして他人にぶつけてしまうことがあるでしょう。その結果、親や教師から叱られたり、友達と衝突したりして、「なぜ他の人と同じようにできないのか」と悩むことが続きます。

大人になっても同じような悩みや苦しみを抱えている場合、発達障害の可能性が考えられます。発達障害の特性や対処法を知ることで、少しでも楽になる方法を見つけることができるかもしれません。

●ADHDの特性

発達障害のうち、ADHD(注意欠如・多動症)では「不注意」「衝動性」「多動性」という3つの特徴があります。

「不注意」

  • うっかりやぼんやりが多い傾向
  • 気が散りやすく、集中力が持続しにくい
  • ひとつのことをやり続けることが難しい
  • 自分の好きなことには、過度に集中することがある

→子どもの頃

  • 忘れ物やなくし物が多く、親や教師に叱られた
  • 整理整頓が苦手
  • 授業中にぼんやりしているなど

→大人になると

  • 仕事の締め切りを守れない、忘れる
  • なくし物、忘れ物が多い
  • うっかりミスが多い

「衝動性」

  • 思いついたらすぐに行動しないと気がすまない
  • やるべきことを後回しにし、目先の楽しみを優先する
  • 結果を考えずに行動する

→子どもの頃

  • 人の話を遮って自分ばかり話す
  • 順番を待つことができず、強引に割り込むことがある

→大人になると

  • 決められた手順ややり方に従うのが苦手
  • 計画を立てることも苦手
  • 行き当たりばったりが多い
  • 待つことが苦手

「多動性」

  • じっとしていることができず、常に手足を動かす
  • 落ち着きがない
  • 退屈な状態に耐えることができない

→子どもの頃

  • おしゃべりが多くて注意されることがよくある
  • 頭の中に次々と考えが浮かんでくる
  • じっと座っていることが苦手

→大人になると

  • 自分ばかり喋り続ける
  • デスクワークや会議でじっとしていることが苦手
  • いつも忙しくしている

●人付き合いが苦手

発達障害の特性がある人は、大人になるにつれて他者との付き合い方に悩むことが増えてきます。学校や職場などで人と接する場面で困ったり、ストレスを感じたりすることがあります。

子どもの頃から友達が少ない傾向にあり、周囲からは本人の性格だと思われているため、自分でも発達障害とは気づきません。しかし、大人になると苦労することが増えていきます。

発達障害の特性を持つ人たちは、家族や学校の友人、職場の上司や同僚との人間関係で困難を抱えることが多くあります。特にASDの傾向がある人は、他者とのかかわりが極端に苦手で、時には一方的になり、コミュニケーションが難しくなることがあります。また、「女子トーク」などが苦手だと感じることもあるでしょう。

一方で、ADHDの特性を持つ人は、衝動性や多動性のためにおしゃべりが多くなったり、他人の話を遮ったりしてしまうことがあります。そのため、強引で自己中心的な印象を与えてしまうこともあります。

●ASDの特性

ASD(自閉スペクトラム症)の人やその傾向がある人には、ローナ・ウィングが提唱した「3つ組の特性」が見られ、人付き合いで困ることがあります。相手の様子をうかがったり、空気を読んでほどよい関係を築くのが苦手です。

「社会性の障害」

  • 友達や周囲の人と上手に関わることが難しい
  • 相手との適切な距離感がわからず、近づきすぎたりする
  • 困ったときに自ら助けを求めることができない

→子どもの頃

  • いつも1人で遊んでいる
  • 人との適切な距離感がわからない

→大人になると

  • 話しかけられてどう返事すればいいかわからない
  • ひとりでいる方が好き
  • 外出するより家にいたい
  • 困っていても誰にも相談できない

「コミュニケーションの質的な障害」

  • 相手との相互的なやりとりが難しく、話が一方的になりがち
  • 冗談や嘘を真に受ける
  • 表情が乏しく、喜怒哀楽を表さない

→子どもの頃

  • たくさんの子どもと関わっていても、友達がいないことがある
  • 自分ばかり一方的におしゃべり
  • 本当は嫌なのに断ることができない

→大人になると

  • 会話が続かず、気まずくなることが多い
  • 冗談が通じないと言われる
  • 恋人や友達だと思っている人に騙されやすいことがある

「社会的想像力の障害」

  • 予想外のことに臨機応変に対応ができない
  • 何かにこだわりすぎて、非常識に見えることがある
  • 他人の感情や考えを想像できない

→子どもの頃

  • 自分の好きなこと、やりたいことを邪魔されると癇癪を起こす
  • 思ったことを口にして相手を怒らせたり、泣かせたりすることがある

→大人になると

  • 敬語を使うべき状況がわからず、失礼な発言をして注意される
  • 相手の気持ちがわかりにくい

●発達障害の女性

近年、性別やそれに付随する「男性らしさ」「女性らしさ」に対する考え方が変わりつつありますが、いまだに無意識のうちに「女の子らしい」「女性らしくしなさい」といった言葉が使われることが少なくありません。

「女性」に求められがちなイメージ

  • これができて当たり前、やって当然と思われる偏った視線
  • 子育てをする
  • 面倒見がよくて優しい
  • 片付けが得意
  • 気配りができる
  • スムーズに家事をこなす
  • 女性同士の付き合いを楽しむ

特性による言動や振る舞いは、発達障害の女性たちを苦しめています。たとえば、忘れ物やなくし物が多い、片付けが苦手、感情の起伏が激しい、バタバタしている、家事の段取りが苦手、自分のことで精一杯、冗談が通じないなどの特徴です。

●ストレスで体調不良になる

日常的な失敗や叱られたりすること、人間関係の課題、そして過去の鮮明な失敗の記憶は、ストレスになって心身に負担をかけます。

発達障害の人はその特性からストレスが多く、特に女性の場合、さまざまな体調不良として表れることがあります。具体的には、頭痛、めまい、吐き気、胃の痛み、下痢、便秘などです。

また、女性の発達障害は、医療機関で診断を受けても心身症として判断されることが多くあります。体調不良の原因はストレスだけでなく、食事や睡眠不足、生活リズムの乱れなども関係しています。

生活習慣のリズムを保つことが発達障害の特性の一つであるため、これらの要素が体調不良に影響を与えることがあります。

●相談のつもりで受診する

発達障害の特性による影響は、毎日の生活のさまざまな場面に及びます。家庭や学校、職場で困ることが多く、それが特性によるものだと感じたり、生きづらさになっている場合には、医療機関を受診することを考えてもよいでしょう。

発達障害は精神科の領域ですが、精神科の受診に抵抗を感じる場合には、心療内科やカウンセリングを受けることも選択肢の1つです。相談するだけでも気持ちが楽になることがあります。

医療機関の受診・診断の流れ

【予約】

  • 発達障害の診断ができる精神科医、小児科医を探して予約

【問診・診察・観察】

  • 子どもの場合:言葉の発達、行動の特徴を観察。コミュニケーションや保育園での様子、成育歴を聞き取り
  • 大人の場合:日常生活や職場での困りごとの聞き取り。母子手帳や小学校の通知表、エピソード、ビデオなどがあると役立つ

【検査】

  • 発達の度合いを調べる発達検査や、脳の器質的な疾患を調べる脳波検査など

【診断】

  • 発達検査などに基づき、総合的に判断。複数回の診察や検査を行う場合が多い

以上が「女性なのに」が苦しめる悩み【発達障害がある女性】についての内容です。

お読みいただき、ありがとうございました。