ASDの驚くべき2つの特徴を解説【自閉症スペクトラム】

はじめに

この記事では、「ASD(自閉スペクトラム症)」の特徴について、わかりやすく丁寧に解説していきます。読んでいただきたいのは、以下のような方々です。

  • 最近、自分がASDかもしれないと感じている方
  • 職場や身近にASDの方がいる方
  • 発達障害についてあまり知識がない方
  • 職場で人間関係のトラブルに悩んでいる方

「自分はASDかもしれない」「ASDの特性についてもっと知りたい」という思いを持つ方のために、特徴や強み、対処法などをお伝えしていきます。

ASDとはどのような障害?

ASDは、「発達障害」の一種で、「自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder)」の略称です。生まれつきの脳機能の特性によって、社会生活や人間関係において「生きづらさ」を感じることがある障害です。

ASDは後天的に発症するものではなく、性格や育て方、事故などによって発生するものでもありません。かつては「自閉症」「高機能自閉症」「アスペルガー症候群」などと分類されていましたが、現在ではこれらをまとめて「自閉スペクトラム症」と呼びます。

そのため、過去に「アスペルガー」や「広汎性発達障害」などの診断を受けたことがある方も、現在では「ASD」として包括的に捉えられるようになっています。

ASDの主な特徴

ASDにはさまざまな特徴がありますが、代表的なものを2つの側面から見ていきましょう。

1. 対人関係・コミュニケーションの困難

  • 相手の気持ちを汲み取りにくい
     表情や言葉の裏にある感情を読み取ることが苦手で、「空気が読めない」と感じられてしまうことがあります。
  • 暗黙のルールが理解しづらい
     常識や慣習など、言葉にされない社会的ルールが分かりづらく、誤解を招くこともあります。
  • 言葉を文字通りに受け取る
     冗談や皮肉、比喩表現が通じにくく、社交辞令を本気に受け取ってしまうことがあります。
  • 会話が一方的になりやすい
     自分の興味のある話題に熱中しすぎて、相手の反応を気にせず話し続けてしまう場合もあります。
  • 曖昧な表現が苦手
     「少し」「だいたい」「早めに」などのあいまいな表現を理解しづらい傾向があります。

2. 強いこだわりと想像の難しさ

  • 変化に弱い、融通がきかない
     予定変更や新しいルールに対応することが苦手で、不安を感じやすくなります。
  • 興味が偏る
     特定の分野に強い関心を持ち、深く掘り下げる傾向がありますが、それ以外には興味が持てないことがあります。
  • 想像が難しい
     「もしこうなったら?」という仮定の思考が苦手で、人の気持ちや場面を想像することに困難を抱える場合があります。これが結果的に、他人の気持ちへの配慮ができない、空気が読めない、変化を怖がる、といった行動につながります。

こうした特徴は、周囲が想像しにくいものかもしれません。しかし、ASDの方にとっては「想像ができない」ということ自体が大きな不安や困難の要因となっているのです。

ASDの強み

ASDには困難さだけでなく、強みもたくさんあります。その強みを活かすことで、職場や社会で大きな力を発揮できる場面も少なくありません。

  • 好きなことには高い集中力を発揮する
     興味のある分野には深く没頭し、専門性を身につけやすい特性があります。
  • マニュアルを忠実に守る
     定められた手順やルールをしっかり守ることができるため、安定した業務遂行が期待できます。
  • 仕事が正確で丁寧
     こだわりの強さは、ミスを防ぎ、品質の高い成果を生む力にもなります。

このように、ASDの方は「適した環境と理解」があれば、その特性を活かして大いに活躍することができます。

ASDかもしれないと思ったら

「自分はASDかもしれない」と感じたら、まずは精神科や心療内科での相談をおすすめします。医療機関では、心理検査や面談を通じて、ASDの診断が可能です。ただし、すべての病院で検査を実施しているわけではないため、事前に問い合わせが必要です。受診先が分からない場合は、お住まいの市区町村の保健センターや役所に相談してみるのも良いでしょう。診断を受けることで、自分の特性をより深く理解し、どのような工夫や支援が必要かを知ることができます。

職場にASDの方がいる場合

まず大切なのは、「これは障害によるものなのだ」と理解することです。ASDは外見から分かる障害ではないため、「怠けている」「性格の問題だ」と誤解されやすいものです。しかし本人は「ちゃんとやりたい」「頑張りたい」と思っていても、それが難しい状況にあることも少なくありません。理解を深めるためには、その方の具体的な特性をよく知ることが重要です。特にコミュニケーションや指示の出し方については工夫が必要で、「曖昧な表現を避ける」「具体的な指示を出す」ことが効果的です。ただし、何が「具体的」か、「抽象的」かは人それぞれ異なります。一般的な感覚で線引をせず、その方自身と丁寧にコミュニケーションをとりながら「分かるライン」「分からないライン」を一緒に見つけていく姿勢が大切です。

また、本人の強みを活かせるような業務に配慮することも有効です。得意な分野で集中して力を発揮してもらえるよう、業務内容や進め方に工夫を凝らすことが、互いの信頼関係を築く第一歩となります。

おわりに

ASDの特性は、理解されにくいものでありながら、正しく知れば対応や支援は十分に可能です。

重要なのは、「本人にとって何が困難なのか」「何が得意なのか」を一緒に見つけていこうとする姿勢です。ASDであることは「欠点」ではなく「特性」です。そしてその特性は、適切な理解と支援があれば、社会において大きな強みにもなり得ます。

一人ひとりが自分らしく働き、生活できるようになるために、まずは正しい知識と理解から始めてみませんか?