この記事では、「ASD(自閉スペクトラム症)」の特徴について、わかりやすく丁寧に解説していきます。読んでいただきたいのは、以下のような方々です。
「自分はASDかもしれない」「ASDの特性についてもっと知りたい」という思いを持つ方のために、特徴や強み、対処法などをお伝えしていきます。
ASDは、「発達障害」の一種で、「自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder)」の略称です。生まれつきの脳機能の特性によって、社会生活や人間関係において「生きづらさ」を感じることがある障害です。
ASDは後天的に発症するものではなく、性格や育て方、事故などによって発生するものでもありません。かつては「自閉症」「高機能自閉症」「アスペルガー症候群」などと分類されていましたが、現在ではこれらをまとめて「自閉スペクトラム症」と呼びます。
そのため、過去に「アスペルガー」や「広汎性発達障害」などの診断を受けたことがある方も、現在では「ASD」として包括的に捉えられるようになっています。

ASDにはさまざまな特徴がありますが、代表的なものを2つの側面から見ていきましょう。
こうした特徴は、周囲が想像しにくいものかもしれません。しかし、ASDの方にとっては「想像ができない」ということ自体が大きな不安や困難の要因となっているのです。

ASDには困難さだけでなく、強みもたくさんあります。その強みを活かすことで、職場や社会で大きな力を発揮できる場面も少なくありません。
このように、ASDの方は「適した環境と理解」があれば、その特性を活かして大いに活躍することができます。

「自分はASDかもしれない」と感じたら、まずは精神科や心療内科での相談をおすすめします。医療機関では、心理検査や面談を通じて、ASDの診断が可能です。ただし、すべての病院で検査を実施しているわけではないため、事前に問い合わせが必要です。受診先が分からない場合は、お住まいの市区町村の保健センターや役所に相談してみるのも良いでしょう。診断を受けることで、自分の特性をより深く理解し、どのような工夫や支援が必要かを知ることができます。
まず大切なのは、「これは障害によるものなのだ」と理解することです。ASDは外見から分かる障害ではないため、「怠けている」「性格の問題だ」と誤解されやすいものです。しかし本人は「ちゃんとやりたい」「頑張りたい」と思っていても、それが難しい状況にあることも少なくありません。理解を深めるためには、その方の具体的な特性をよく知ることが重要です。特にコミュニケーションや指示の出し方については工夫が必要で、「曖昧な表現を避ける」「具体的な指示を出す」ことが効果的です。ただし、何が「具体的」か、「抽象的」かは人それぞれ異なります。一般的な感覚で線引をせず、その方自身と丁寧にコミュニケーションをとりながら「分かるライン」「分からないライン」を一緒に見つけていく姿勢が大切です。
また、本人の強みを活かせるような業務に配慮することも有効です。得意な分野で集中して力を発揮してもらえるよう、業務内容や進め方に工夫を凝らすことが、互いの信頼関係を築く第一歩となります。

ASDの特性は、理解されにくいものでありながら、正しく知れば対応や支援は十分に可能です。
重要なのは、「本人にとって何が困難なのか」「何が得意なのか」を一緒に見つけていこうとする姿勢です。ASDであることは「欠点」ではなく「特性」です。そしてその特性は、適切な理解と支援があれば、社会において大きな強みにもなり得ます。
一人ひとりが自分らしく働き、生活できるようになるために、まずは正しい知識と理解から始めてみませんか?