【発達障害】失業保険を最大300日受給取得する方法「メリット・デメリット」

発達障害のある方が働く中で、職場に適応できず退職を余儀なくされることは少なくありません。そうした場合に、次の生活や再就職までの支えとなる制度の一つが「失業保険(雇用保険の基本手当)」です。本記事では、特に発達障害を含む就職困難者が失業保険を最大300日間受給できるケースについて、制度の概要や受給条件、メリット・デメリットを丁寧に解説します。


失業保険制度とは?

失業保険(正式名称:雇用保険の基本手当)は、働く意思や能力があるにもかかわらず、何らかの事情で離職した方の生活を支える制度です。再就職までの期間、一定の金額が支給されることにより、求職活動を継続しやすくする目的があります。

制度の対象は、離職者や教育訓練を受ける方などで、条件を満たしていれば誰でも申請が可能です。特に、精神障害や発達障害などの特性を持ち、一般的な就職が困難な方には「就職困難者」としての特例が適用され、手厚い支援が用意されています。


失業保険の受給条件

失業保険を受け取るためには、主に次の2つの条件を満たす必要があります。

条件①:一定期間以上、雇用保険に加入している

離職前の2年間に、少なくとも通算12か月以上、雇用保険に加入していたことが必要です。これは正社員だけでなく、一定の条件を満たす契約社員やパートタイマーでも加入していれば対象となります。

条件②:就労の意思と能力がある

「病気でまったく働けない」状態ではなく、「働く意思があるが、現時点では職がない」ことが条件です。つまり、求職活動を行う意思があり、ハローワークに通うなどの行動が見られることが求められます。


失業保険はいくらもらえる?

支給される金額は、「基本手当日額」と「給付日数」によって計算されます。

基本手当日額の計算方法

退職前6か月間の賃金の合計を180で割ったものが、「賃金日額」となります。そのうえで年齢や賃金に応じた上限・下限が設けられており、その範囲内で「基本手当日額」が決定されます。

給付日数の違い

離職の理由や、本人の年齢、雇用保険の加入期間によって、給付日数は次のように変わります。

  • 自己都合退職の場合:90~150日
  • 会社都合退職や就職困難者の場合:最大300日まで延長されるケースもある

就職困難者とは?──発達障害がある場合のポイント

発達障害を持つ方が離職した場合、「就職困難者」としてハローワークに認定されると、失業保険の給付日数が大幅に延長される可能性があります。

就職困難者に認定される条件

精神障害者保健福祉手帳を持っている場合は、比較的スムーズに「就職困難者」として認定されます。ただし、手帳を持っていなくても、医師の診断書などで「就労が困難であること」が証明されれば、認定される可能性があります。

ハローワークによって対応が異なることもあるため、必ず窓口で相談することが重要です。


就職困難者のメリットとは?

「就職困難者」に認定されることで、以下のようなメリットがあります。

メリット①:給付日数が大幅に増える

通常、自己都合退職では給付日数が90~150日程度ですが、就職困難者の場合は最大で300日間の受給が可能になります。これは、障害などで再就職に時間がかかることを配慮した特例です。

メリット②:給付制限期間が短縮または免除される

自己都合退職の場合、一般的には「2か月間の給付制限」が設けられています。しかし、就職困難者に認定されると、これが短縮されたり、免除されたりするケースがあります。早期に失業保険を受け取れるのは大きな利点です。

メリット③:専門の支援を受けやすくなる

就職困難者に認定されることで、障害者専門の求人や、職業訓練、就労支援施設の案内など、より手厚いサポートを受けることが可能になります。


併給はできる?──障害年金と失業保険

精神障害や発達障害により障害年金を受け取っている方の中には、「失業保険と同時に受け取れるのか」と疑問を持つ方もいるかもしれません。

結論から言えば、障害年金と失業保険は同時に受け取ることが可能です。ただし、ハローワークでの申請時に、正確に状況を伝えることが求められます。受給内容や金額によっては調整が入るケースもありますので、事前に確認しておくと安心です。


デメリットや注意点も

失業保険の手厚い支援を受けられる一方で、いくつかの注意点やデメリットも存在します。

デメリット①:望まない就職を迫られることがある

給付期間が長くなるほど、「再就職の努力」が求められることがあります。場合によっては、自分に合わない職種や労働環境を紹介されることもあるため、自分の特性を理解した上での就職活動が重要です。

デメリット②:ハローワークによって対応が異なる

「発達障害」での就職困難者認定は、全国一律の運用ではなく、ハローワーク職員の裁量に左右される面もあります。同じ症状であっても、地域や担当者によって判断が分かれる場合があるため、丁寧に事情を説明し、必要であれば診断書や支援者からの意見書を添えると良いでしょう。


まとめ

発達障害を持つ方が離職した場合でも、失業保険の制度を適切に活用すれば、最大300日間という長期の支援を受けることができます。生活の安定と再就職のためにも、制度の仕組みや条件をしっかりと理解することが大切です。

「働きたくても難しい」「自分に合う職場が見つからない」と感じるときこそ、失業保険という制度を“生活を守る選択肢”として賢く使ってみてください。そして、必要な支援を受けながら、自分に合った働き方を見つけていきましょう。