発達障害は、精神科や心療内科で診察や検査を受けたうえで診断されるものです。ただし、発達障害の症状に似ていても、診断基準を満たさない場合、「発達障害」として診断されないことがあります。このように、診断されていないけれど発達障害の特徴が見られる状態を「グレーゾーン」と呼ぶことがあります。

グレーゾーンにいる人たちは、子どもの頃には勉強や友達付き合いで困ることが多く、大人になってからは仕事がうまくいかずに悩むことがあります。しかし、周りの理解とサポートがあれば、自分に合った仕事を見つけて、上手に働くことができる可能性もあります。発達障害には、大きく三つのタイプがあります。それは、自閉症スペクトラム症(ASD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、そして学習障害(LD)です。これらの特徴があるけれど診断には至らない場合、それがグレーゾーンに該当します。
例えば、ASDの傾向がある人は、人と上手に付き合えなかったり、一つのことにこだわりすぎたりします。学生時代には、友達とうまくコミュニケーションが取れず、困ることがあるかもしれません。特に、中高生になると、言葉や表現が複雑になり、それに対応するのが難しいと感じることがあります。
ADHDの傾向がある人は、集中するのが苦手だったり、じっとしていられなかったりします。例えば、宿題を忘れたり、授業中に指名されていないのに発言したりすることがあります。こういった行動が原因で、先生や友達に注意され、自己嫌悪を感じることもあります。
学習障害(LD)の傾向がある人は、文章を書くのが苦手だったり、計算がうまくできなかったりします。中学生や高校生になると、授業の内容が難しくなり、学習の遅れが目立つことがあるかもしれません。これが原因で、テストの点が取れずに悩むこともあります。

大人になると、グレーゾーンの人には、仕事や人間関係で困ることが増える場合があります。
例えば、ASDの傾向があると、職場で同僚や上司とうまく話せなかったり、急な予定変更に対応できなかったりすることがあります。
ADHDの傾向があると、約束を忘れたり、ミスが多かったりして、仕事がうまくいかないことがあります。
LDの傾向がある場合、仕事の指示が理解できなかったり、作業が遅れたりすることがあるかもしれません。
グレーゾーンにいる人は、発達障害の診断がないため、障がい者手帳を申請することができず、福祉的な支援を受けにくいことがあります。ただし、自治体によっては、支援を受けられる場合もあります。この記事をご覧いただいている方のお住まいの地域にも、障がい者手帳がなくても相談できる機関があるかもしれません。もし、あなたや身近な人にそのような発達障害やグレーゾーンの特徴があり、困ったときは一人で悩まずに、地域の自治体や専門の機関に相談してみましょう。