【発達障害】関わってはいけない定型発達人の特徴【心が壊れる前に】

 発達障害のある方が社会生活を送る中で、最も大きな壁の一つは「人間関係」です。特に、職場や学校などで関わる定型発達の人々との関係において、無理を重ねて心身の限界を迎えてしまうことがあります。

 この記事では、発達障害の方が苦手としやすい定型発達の人の特徴を整理し、その接し方について考察していきます。また、この記事は発達障害の方に限らず、周囲にいる定型発達の方々、特に職場の先輩社員や上司の方々がご自身の接し方を見直すヒントとしても読んでいただけると幸いです。


発達障害の人が苦手とする定型発達の人の特徴

1.指示や指導に理由や解決策がない

 「こうしなさい」「それはダメ」といった指示に理由が伴わないと、発達障害の方は納得しづらく、混乱やストレスを感じます。特に自閉スペクトラム症(ASD)の傾向を持つ方は、論理性を重視するため、指示の背後にある意図や意味を理解したいと考えます。

 また、「ミスをするな」とだけ言われる場面も要注意です。なぜミスが起きたのか、どうすれば防げるかといった建設的な対話がないと、自己否定感が強まります。指導者側も悪意があるわけではなく、善意から厳しい言葉をかけてしまうことがありますが、発達障害の方にとっては逆効果になることも少なくありません。

2.自分の価値観を押し付ける人

 「これくらいやって当然」「常識でしょ」といった価値観の押し付けは、発達障害の方にとって非常にプレッシャーとなります。たとえば、アフターファイブの飲み会に参加することが当然という空気感や、「このくらい気を利かせて当然」といった暗黙の了解は、発達障害の方には読み取れない場合があります。

 特に注意したいのが、上司や指導的立場にある人が、自分の成功体験や価値観だけを基準に接してしまうケースです。多様な感じ方や考え方を持つ人がいるという前提に立ち、相手の状況や特性を尊重する姿勢が求められます。

3.抽象的な表現で指示する人

 「ちゃんとやって」「適当にやって」「早めにお願い」といった曖昧な表現は、発達障害の方には伝わりにくいです。5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)を意識して、具体的な指示を出すことが重要です。

 例えば「きちんと提出して」と言うより、「今日の17時までに、このフォーマットに沿って入力して私宛にメールで送ってください」と伝える方が理解されやすくなります。また、マニュアルやチェックリストの作成、図解などの視覚情報の活用も有効です。

4.話が長く、要点が不明確な人

 発達障害の方の中には、聴覚情報の処理が苦手な方や、集中力が続きにくい方がいます。そうした方に対しては、説明を端的にし、要点を整理して伝えることが効果的です。

 会話の中で情報を詰め込みすぎると、重要なポイントが埋もれてしまい、混乱を招くことがあります。伝えたい内容が複雑な場合は、あらかじめメモや図解を用意して、視覚的に補足する工夫も効果的です。

5.頭ごなしに否定する人

 「それは無理」「できないよ」といった否定的な言葉は、発達障害のある人にとって大きな心理的ダメージになります。挑戦したい気持ちを潰され、自信を失う原因になりかねません。

 否定する前に、まずは「どうやったら少しでも前進できるか」を一緒に考える姿勢が重要です。たとえば、「顧客相手の電話対応は難しいかもしれないけど、まずは社内の対応から始めてみようか」といった段階的なアプローチが本人の自己理解と成長を助けます。

 このような支援は、発達障害に限らず、すべての新人や後輩に有効なコミュニケーション方法です。本人の中から限界や課題に気づいてもらうプロセスが、納得感や前向きな気持ちを育てます。


苦言を受け入れてもらうための工夫

信頼関係の構築が前提

 発達障害のある方にとって、耳の痛い話を素直に受け止められるかどうかは、相手との信頼関係にかかっています。信頼関係は一朝一夕で築けるものではありません。日々の丁寧な接し方、気遣い、共感的な態度の積み重ねが大切です。

 苦言を伝える際は、「あなたの成長を願っているからこそ、あえて話す」という意図を明確にしましょう。また、事前に「時には厳しいことを伝えるかもしれないけど、支える気持ちは変わらない」と伝えておくと、本人も心構えができます。

 これは程度の差こそあれ、定型発達の後輩や部下を持つことになった人にとっても参考になると思います。

フィードバックの順序にも配慮を

 悪い話と良い話、どちらを先に伝えるかについては、本人の特性を見極めた上で判断しましょう。
多くの発達障害の方は、一度ネガティブな情報が入ると、その印象が強く残り、次の話が頭に入らないことがあります。その場合は、「良い話→悪い話→良い話」の順番、いわゆるサンドイッチ方式が効果的です。


発達障害の方が傷ついた言葉集(実例)

 • 「何度言わせるんだ!」
 • 「普通はこれくらいできるだろ!」
 • 「理解しようとしてるのか?」

 これらの言葉は、相手を責める意図がなくても、結果として本人を深く傷つけることがあります。指導する側としては、言葉の選び方に細心の注意を払いましょう。


まとめ

 発達障害のある方にとって、周囲の人の何気ない言動が大きなストレス源になり得ます。特に定型発達の方が、自分の価値観を当たり前と思い込み、その基準で接してしまうと、互いに不幸な結果を招きます。

 発達障害の方とより良い関係を築くためには、指示や言葉の伝え方を見直し、本人の特性に応じた配慮が必要です。これは、発達障害のある人への支援だけでなく、すべての人間関係において有効なコミュニケーションの基本でもあります。

 お互いに心が擦り切れてしまう前に、ぜひ一度立ち止まり、ご自身の接し方を振り返ってみてください。それはきっと、より良い人間関係を築く第一歩になるはずです。