【発達障害】診断を受けたらやるべき3つのこと

「発達障害」という言葉を、近年ではさまざまな場面で耳にするようになった。学校や職場での人間関係がうまくいかず、ミスを繰り返して自信を失ってしまった経験がある人が、診断をきっかけに自分の特性を理解するケースも増えている。

しかし、診断を受けた直後は混乱や不安を覚えることも多い。今回は、発達障害の診断を受けたばかりの人が、これからどうすればよいのかを「3つのステップ」に分けて解説していく。

ステップ1:自分を認める

診断を受けた直後、最初にすべきことは「自分を認めること」だ。多くの人がこの時点で、2つの感情に分かれる。一つは、「自分がうまくいかなかった理由がやっとわかった」と安心する気持ち。もう一つは、「自分は障害者になってしまった」とショックを受ける気持ちである。

どちらも自然な反応だ。しかし後者の感情を抱いたままでは、前に進むのが難しくなることもある。ここで必要なのは、過去の自分を否定するのではなく、「よくここまで頑張ってきた」と肯定的に振り返る姿勢である。たとえ困難があったとしても、それを乗り越えてきた自分をしっかりと褒めてあげることが出発点になる。

そして、今後の人生において「自分にはこういう特徴がある」と理解することが、新たな選択肢や可能性への第一歩となる。時間はかかるかもしれないが、「自分を受け入れる」ことがすべての土台になるのだ。

ステップ2:自分の特性と問題点を整理する

次に取り組むべきは、「自分の特性によって生じる問題点を把握し、それに対する対処法を考える」ことである。診断の際には、医師や心理士から「あなたにはこのような傾向があります」と説明があるはずだ。例えば注意力の持続が困難だったり、スケジュール管理が苦手だったりという特徴が挙げられる。

そのうえで重要になるのが、自分の困りごとを「常にできないこと」と「場合によってできること」に分けて考えるということだ。

常にできないことに関しては、周囲からのサポートが必要になる可能性が高い。一方で、状況によってできたりできなかったりすることは、環境や条件によって自分で調整できる余地がある。たとえば「静かな環境では集中できるが、騒がしい場所では難しい」という場合、環境を工夫することで改善できることもある。

このように、自分の問題点を客観的に整理することが、次のステップにつながる。紙に書き出してみたり、信頼できる人と一緒に整理したりすることで、自分でも見落としていた点に気づくかもしれない。

また、可能であれば家族や職場の上司など身近な人に相談することも検討したい。自分の特性を伝えることで、サポートや配慮を得られることもある。もちろん、伝えるかどうかは状況によって慎重に判断する必要があるが、一人で抱え込まない工夫は大切だ。

ステップ3:専門機関の支援を活用する

最後のステップは、「専門機関や支援サービスの活用」である。発達障害の支援は、福祉の分野でも充実が進んでおり、地域によっては相談支援事業所や就労支援センターなどの支援が受けられる。

たとえば、発達障害を持つ人向けのトレーニングでは、集中力を維持する方法や、感情のコントロールを学ぶプログラムなどが提供されている。また、職場での困りごとに対して具体的なアドバイスがもらえるケースもある。

こうした支援を受けることは、「できないことを補う」だけでなく、「得意なことを伸ばす」機会にもつながる。発達障害には、独特の視点や集中力、記憶力といった強みがある場合も多い。苦手をカバーするだけでなく、自分の得意を生かす視点も忘れてはならない。

さらに、支援機関のスタッフは、当事者と一緒に「どのように工夫すれば問題が解決できるか」を考える伴走者の役割を果たすことが多い。自分ひとりでは思いつかないアイデアをもらえることもあり、生活や仕事を前向きに続ける手助けとなる。


まとめ

発達障害の診断を受けた後にやるべきことは、「自分を認める」「特性と問題点を整理する」「支援を活用する」という3つのステップに集約できる。それぞれに時間がかかることもあるが、焦る必要はない。

診断はゴールではなく、スタート地点である。自分の特性に向き合い、必要なサポートを得ながら歩んでいけば、これからの人生をより良いものにできる可能性は十分にある。大切なのは、「一人で抱え込まず、自分を否定せず、できることから始める」という姿勢である。