アスペルガー症候群と自閉症の違い

アスペルガー症候群と自閉症の違いについて

みなさん、こんにちは。このチャンネルでは、発達障害の支援に携わる私たちが、発達障害に悩む方々に少しでも生き生きと働いていただけるよう、わかりやすく、そしてできるだけ楽しく、情報をお届けしています。

さて、今回のテーマは「アスペルガー症候群と自閉症の違い」についてです。普段、発達障害に関する話題に触れている方でも、「それぞれの違いがイマイチわからない」「似たような診断名がたくさんあって混乱する…」と感じている方も多いのではないでしょうか?今回は、そうしたお悩みを持つ方々に向けて、両者の違いや背景、そして現代における診断の考え方について、わかりやすく整理してお話ししていきたいと思います。

◆こんな方に見てほしい(聴いてほしい)

  • アスペルガー症候群と自閉症の違いが分からない方
  • 「自閉症スペクトラム」や「発達障害」といった診断名が混同してしまっている方
  • 自分やご家族の診断についてより理解を深めたい方

この動画をご覧いただくことで、以下のポイントが明確になります。

◆この動画でわかること

  1. アスペルガー症候群と自閉症、それぞれの特徴と違い
  2. 「自閉症スペクトラム」という診断名の背景とその統一の理由

それでは早速、本題に入っていきましょう。


アスペルガー症候群と自閉症は、今や「同じグループ」?

まず大前提としてお伝えしたいのが、アスペルガー症候群と自閉症は、どちらも「自閉スペクトラム障害(ASD)」という一つのグループに含まれているということです。

以前は、診断名として「自閉症」「アスペルガー症候群」などが個別に使われていましたが、現在では「自閉スペクトラム症(ASD: Autism Spectrum Disorder)」という診断名に一本化されつつあります。つまり、現在の診断基準では、両者は“異なる障害”というよりは、“同じスペクトラム(連続体)の中にある個性”として捉えられているのです。

この診断名の統一には、重要な理由があります。それは「明確に区別することが難しい」ということ。実際の臨床現場では、どこまでが自閉症で、どこからがアスペルガー症候群なのかという線引きがとても難しく、診断にばらつきが出てしまっていたのです。


それでも、違いはあるの?

では、現在は同じ「自閉スペクトラム」として扱われているとはいえ、アスペルガー症候群と自閉症の間に特徴的な違いはあるのでしょうか? 答えは「あります」。

ここで、典型的な特徴の違いについて整理してみましょう。

【自閉症の特徴】

【自閉症の特徴】
  • 幼少期から言葉の発達に遅れが見られる
  • 知的障害を伴うケースが多い
  • 対人関係の築き方に困難を伴う
  • 強いこだわりがある
  • 感覚過敏があることも

【アスペルガー症候群の特徴】

【アスペルガー症候群の特徴】
  • 言葉の発達に遅れが見られない
  • 一般的に知的障害を伴わない
  • 対人関係の困難や独特な対話スタイルがある
  • 特定の興味・関心に対して非常に強いこだわりがある

このように、言語発達や知的能力に関する差が、かつての「自閉症」と「アスペルガー症候群」を区別する大きなポイントでした。しかし、両者に共通する大事な特徴が「対人コミュニケーションの困難さ」と「こだわりの強さ」であることから、より包括的な概念である「自閉スペクトラム障害」としてまとめられたわけです。


診断名の混乱、その背景

とはいえ、現在も「アスペルガー症候群」と診断されている方や、以前にそう診断された経験がある方も少なくありません。そのため、診断名が混在していて混乱するというのも無理はありません。

例えばDSM-5(アメリカ精神医学会が定めた精神疾患の診断基準)では、2013年に発表された第5版において、それまでのアスペルガー症候群や広汎性発達障害(PDD)などをすべて「自閉スペクトラム障害(ASD)」に統一する形となりました。日本でも、徐々にこの考え方が浸透しつつあります。


現場で大切なのは「診断名」よりも「理解と支援」

現場で大切なのは「診断名」よりも「理解と支援」

最後に一つお伝えしたいことがあります。

それは、「診断名」にこだわりすぎず、その人がどんな特性を持っているか、そしてどのような支援が必要なのかを丁寧に理解することの方が、はるかに重要だということです。

自閉スペクトラム障害とひとくくりにしても、その中身は本当に人それぞれです。困りごとの種類やレベル、得意なことや苦手なこと、感じ方や行動の特徴も違います。

だからこそ、私たち支援者は「ラベル」ではなく「中身」を見る姿勢を忘れないようにしたいですね。


まとめ

今回は「アスペルガー症候群と自閉症の違い」について、現代の診断基準や背景も交えてご紹介しました。

  • アスペルガー症候群と自閉症は、現在では「自閉スペクトラム障害(ASD)」に統一されている
  • かつては言語発達や知的障害の有無で区別されていた
  • 混乱しやすい診断名の背景には、医学的な分類の変遷がある
  • 一番大切なのは「診断名」ではなく「その人自身の特性とニーズ」

ぜひ、今回の内容が少しでも参考になり、発達障害に関する理解が深まるきっかけになれば嬉しいです。