今回のテーマは「ADHDの方に向けたルーティーン術」です。
「毎朝バタバタしてしまう」「やることが分かっていても、どうしても後回しにしてしまう」そんなお悩みを抱えていませんか?ルーティーン化がうまくいかないと、日々の生活でストレスや自己嫌悪を感じることもあるかもしれません。
本記事では、ADHDの特性をふまえて、なぜルーティーン化が難しいのか、そして日常を少しでもラクにするための工夫や方法をご紹介していきます。日々の生活を整えたい方、時間管理に苦手意識がある方、ぜひ参考にしてみてください。

まず、ADHDとは何かを簡単に説明します。ADHD(注意欠如・多動症)は、「発達障害」と呼ばれる特性のひとつで、生まれつき脳の働きに偏りがあることが背景にあります。そのため、周囲の人と同じように日常生活を送ることが難しいと感じたり、生きづらさを抱えることがあります。
ADHDの主な特徴は以下の3つです。
こうした特性のため、予定通りに行動する、時間を意識する、優先順位を決めて動く、ということが苦手な方が多いのです。
ADHDの方がルーティーン化を苦手とする理由には、いくつかの特徴的な要因があります。ここでは主な3つをご紹介します。
ADHDの方は、「何にどれくらいの時間がかかるか」を感覚的につかみにくいことがあります。たとえば「朝7時に起きて、8時に家を出る」というスケジュールがあったとしても、その1時間の中で何をいつやればよいかを組み立てるのが難しく、気がつくと時間が過ぎてしまっている…ということがよくあります。
そのため、毎日同じ行動を繰り返す「ルーティーン」を作ること自体が難しく、バラバラな行動になってしまいやすいのです。
ADHDの特性として「衝動性」があります。これは、「今やりたいこと」を優先してしまう傾向があり、予定していたルーティーンを忘れてしまう原因にもなります。
たとえば「歯磨きをしてから着替える」という流れがあっても、「そうだ、スマホの通知を見よう」と思った瞬間に別の行動に移ってしまい、本来の手順をすっかり忘れてしまう、というようなことが起きやすいのです。
「あとでやればいいや」と感じて、必要な行動をついつい後回しにしてしまうのも、ADHDの方によく見られる傾向です。これにより、本来決まっていたはずのルーティーンが崩れてしまい、結果的に時間に追われることになってしまいます。
それでは、ルーティーン化が苦手な方におすすめしたい方法を2つご紹介します。どちらも、日常生活で無理なく取り入れられる工夫です。
まずおすすめしたいのは、「一日の流れ」を紙に書き出して、目につく場所に貼っておく方法です。
たとえば朝の準備であれば、
このように、分単位で具体的にスケジュールを立てると、行動に迷いが出にくくなります。
ポイントは、「ここまで細かく書くの?」と思うくらい細かくしてOKということです。抽象的な表現ではなく、なるべく行動レベルで書いてみましょう。書いたスケジュールは、玄関のドアや洗面所、机の前など、日常的に目にする場所に貼るのがおすすめです。
次にご紹介するのは、スマートフォンのアラームや専用アプリを活用する方法です。
特におすすめなのが「ルーチンタイマー」というアプリです。これは、自分で設定したスケジュールをアプリ内に登録しておくと、その時間になると音声やアラートで知らせてくれるというものです。タイマー形式で「あと何分」とカウントダウンしてくれる機能もあり、行動の目安が明確になります。
紙のスケジュール表は目に入らなければ忘れてしまうリスクがありますが、アプリでアラートを鳴らすことで、忘れ防止にもなります。音やバイブで通知してくれるので、行動に移りやすくなるでしょう。
最後に、筆者の朝のルーティーンをご紹介します。
私は基本的に「朝はぎりぎりまで寝ていたい」タイプなので、出発時間の30分前に起きています。30分の間にやることは、
この4つの工程を、時間との勝負で済ませています。ゆっくりする時間はありませんが、「これだけやればOK」と割り切っているため、慌てることなく家を出られています。
無理にたくさんのことを詰め込まず、自分なりのミニマムなルーティーンでも構わないのです。重要なのは「毎日決まった流れを守る」こと。これを続けていくことで、自然と生活全体が整っていきます。

ADHDの方にとって、ルーティーン化は「気合いや努力」ではなく、「工夫」と「仕組み化」が鍵になります。特性を理解し、それに合った方法を選ぶことで、日々のストレスや混乱を減らすことができます。
完璧なルーティーンを目指す必要はありません。まずは、自分ができそうな方法から一歩ずつ始めてみましょう。毎日の「やること」が見える化され、少しずつ習慣が定着していくと、自信にもつながっていきます。

生活が整うことで、気持ちにも余裕が生まれてくるはずです。ぜひ、自分に合った「ルーティーン術」を見つけて、毎日を少しでもラクに、快適に過ごしていきましょう。