軽度知的障害とは、知的障害の中でも「軽度」に分類される状態です。
軽度知的障害のある人々は、日常生活や学校、職場で「人間関係がうまくいかない」「仕事や勉強を覚えるのが難しい」「予期しない出来事で混乱する」などの困難に直面することがあります。
しかし、自分の特性を理解し、適切な支援を受けたり、対処法を工夫することで、これらの困難を軽減することが可能です。
今回は、軽度知的障害の原因や診断方法、そして相談先やよくある質問についてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
軽度知的障害とは、知的障害の中でも「軽度」とされる状態を指します。日常生活や学校、仕事などでさまざまな困難を抱えることがあります。「軽度」と聞くと「軽い」と思われがちですが、本人にとっての困難や苦しさは変わりません。知的障害の程度に関わらず、うつ病などの二次障害が発生する可能性があるため、適切な支援と対策が重要です。
「軽度知的障害」という診断名は存在せず、知的障害の一分類として扱われています。軽度知的障害のある人は、学校や仕事をこなすことができ、コミュニケーションも自然なため、周囲には気づかれにくいことがあります。しかし、周りには見えない努力や苦しみを感じていることが多く、その負担が蓄積されると、うつ病などの精神疾患を発症することがあります。これを「二次障害」と呼びます。
軽度知的障害のある人が日常生活の困難を減らし、二次障害を防ぐためには、本人や周囲の人々が早期に専門機関に相談することが大切です。適切な対処法を身に付け、支援を受けることが重要です。
知的障害とは、発達期までに知的機能が何らかの原因で遅れる障害です。日常生活や対人関係などに困難を抱えることがあり、18歳以降に事故などで知的機能に影響が生じた場合は、知的障害とはみなされません。
知的障害には軽度、中度、重度、最重度の4つの分類があり、これはIQ(知能指数)と日常生活能力のバランスで判断されます。同じIQを持つ人でも、得意不得意や環境の違いから、生活上の困難は異なります。知的障害の分類はIQだけでなく、日常生活能力(適応能力)も考慮して決められます。軽度知的障害は、一般的にIQが51~70の人に該当するとされますが、健康管理や身だしなみ、片付け、対人関係、勉強、仕事などで強い困難を感じる場合、中度に分類されることもあります。
軽度知的障害の原因は、特定されていません。先天的要因や後天的要因など、複数の要因が関与していることが考えられ、原因がはっきりしない場合もあります。
先天的要因には、胎児期の影響や遺伝的要因、染色体異常、妊娠初期の薬物やアルコール摂取の影響などがあります。周産期要因としては、母体の感染症や先天性代謝異常、出産直後の感染症などが考えられます。
後天的要因には、幼少期の事故や病気、栄養失調、日本脳炎などによる脳炎が含まれ、予防接種で防げるものもあります。
軽度知的障害を疑っている場合、インターネット上で「軽度知的障害のチェックリスト」などが見つかることがありますが、これに当てはまったからといって必ずしも軽度知的障害であるとは断定できません。診断には、専門医による評価が必要です。
診断は、専門医のいる病院で行われ、子どもの場合は小児科や児童精神科、小児神経科が、大人の場合は精神科や心療内科が担当することが多いです。受診先に迷った場合は、公的な相談窓口に問い合わせることで、適切な医療機関を紹介してもらえます。
診断方法としては、問診、知能検査、適応検査が一般的です。子どもの場合は親や保護者への質問が中心となり、大人の場合は本人への質問も含まれます。知能検査としては、子ども向けにはWISC、大人向けにはWAISが用いられ、適応検査ではS-M社会能力検査やVineland-Ⅱなどが使用されます。
相談できる機関としては、子ども家庭支援センター、保健センター、児童相談所などがあり、大人の場合は障害者就業・生活支援センターや地域障害者職業センターが利用できます。
軽度知的障害は、知的障害の一つであり、日常生活や社会生活で困難を伴うことがあります。適切な支援を受けることで、困りごとを解決し、二次障害の予防につなげることができます。困難を抱えている場合は、一人で悩まず、専門機関に相談することをお勧めします。