【大人の発達障害】ASDは攻撃的?【アスペルガー症候群】

はじめに

今回は「アスペルガー症候群の攻撃的な特徴」について、わかりやすく丁寧に解説していきます。

この記事は、次のような方に向けて書かれています。

  • ご自身がアスペルガー症候群と診断されており、「怒りっぽい」と感じることがある方
  • 周囲とのトラブルが絶えず、対人関係に悩みを抱えている方
  • アスペルガー症候群のある人と接する中で、関係の築き方に難しさを感じている方

「攻撃的になる」という特性は、本人にとっても周囲の人にとってもつらいものです。しかし、その背景や仕組みを知り、正しく対処することで、より良いコミュニケーションや関係性を築くことが可能になります。

本記事では、「怒りっぽさ」の背景にある特性、そして対処法について具体的に紹介していきます。

アスペルガー症候群とは?

アスペルガー症候群は、現在「自閉スペクトラム症(ASD)」と呼ばれる発達障害のひとつです。先天的に脳の働きに偏りがあり、主に以下のような特徴が見られます。

  • 言語や知的発達に遅れはない
  • 対人関係やコミュニケーションに困難がある
  • 興味や行動に強いこだわりがある

なお、「アスペルガー症候群」という診断名は、現在の診断基準(DSM-5)では使われていませんが、日常生活や医療現場では今でも広く用いられているため、この記事でもこの呼び方を使います。

アスペルガー症候群の人は攻撃的なのか?

「アスペルガー症候群の人は怒りっぽい」というイメージを持っている人もいるかもしれません。しかし、全ての人に当てはまるわけではありません。性格や育った環境によっても大きく異なります。

とはいえ、アスペルガー症候群の特性によって「怒りが表に出やすくなる」傾向があるのは事実です。その理由について詳しく見ていきましょう。

感情のコントロールが苦手

脳機能の特性により、感情の調整が難しい場合があります。特に「怒り」の感情が急激に高まりやすく、自分でもコントロールが難しくなることがあります。

ワーキングメモリーの弱さ

「ワーキングメモリー」とは、短期間の情報を一時的に記憶し処理する力のことです。ASDの方はこの能力が一般より弱い場合があり、不安やストレスをうまく整理できず、感情が爆発しやすくなる傾向があります。

強いこだわり

アスペルガー症候群の人は、自分なりのルールや手順に強いこだわりを持つことがあります。そのこだわりが否定されたり妨げられたりすると、強い不快感や怒りを感じやすくなります。

相手の気持ちを想像するのが難しい

社会的な想像力に困難があるため、相手の気持ちやその場の空気を読み取るのが苦手です。その結果、「言ってはいけないこと」を無意識に発言してしまい、周囲とのトラブルが起こりやすくなります。

攻撃的な言動への対処法

では、怒りや攻撃的な言動に対して、どのように対応すればよいのでしょうか。ここでは、本人ができること、そして周囲の人ができることに分けてご紹介します。

本人ができる対処法

① アンガーマネジメントを取り入れる

アンガーマネジメントとは、怒りの感情をうまくコントロールする技術です。代表的な方法として、「怒りを感じてから6秒間待つ」というものがあります。怒りのピークは6秒で過ぎると言われており、その間に深呼吸をすることで衝動的な行動を避けることができます。

ほかにも、自分の怒りのパターンを記録して振り返るなど、実践的な方法が多数あります。日常的に取り入れることで、徐々に感情のコントロール力が育っていきます。

② 運動を習慣化する

運動は、ストレスホルモンを軽減し、気持ちを安定させる効果があります。軽いウォーキングやストレッチなどでも構いません。継続することが大切です。

③ 怒りの感情をそらす方法を持つ

実際にアスペルガー症候群の方に行った調査では、以下のような「感情をそらす工夫」をされている方が多くいました。

  • 席を外して深呼吸する
  • トイレなどに移動して気分をリセットする
  • 楽しいことを考える
  • 信頼できる人と話す
  • あえて笑ってみる

どれも簡単な方法ですが、習慣化することで有効な対処法になります。

周囲の人ができる対処法

① 傷つく言動には具体的にフィードバックを

アスペルガー症候群の方は、「その言葉が人を傷つける」といった感覚をつかむのが難しい場合があります。そのため、「今の発言は不快だった」「こう言い換えた方が良いよ」と具体的に教えてあげることが大切です。

「悪気があるわけではない」ことが多いため、責めるのではなく、教える姿勢で接することが信頼関係の構築につながります。

② こだわりを尊重する

「そのやり方では非効率だ」と頭ごなしに否定すると、反発を招きやすくなります。まずは相手のやり方やこだわりを受け入れたうえで、別の方法を提案するという順番が大切です。

「この方法の方がミスが少ないと思いますよ」など、論理的かつ肯定的に伝えることで、相手も納得しやすくなります。

まとめ

アスペルガー症候群のある方が「攻撃的」と見える背景には、さまざまな要因があります。感情のコントロールが難しかったり、強いこだわりがあったり、相手の気持ちが理解しづらかったりと、本人の意図とは違う形でトラブルが起こってしまうことも少なくありません。

しかし、怒りをコントロールする方法や、周囲の適切な関わり方を知ることで、そうした困りごとは軽減することができます。

本人も周囲の人も、お互いの特性を理解し、歩み寄る姿勢がとても大切です。小さな工夫の積み重ねが、安心して過ごせる環境づくりへとつながっていくはずです。