今回は、発達障害がある人が対人関係で感じる困りごとと、その対策について説明します。仕事や日常生活では、他の人とコミュニケーションをとることが大切です。ここでは、ASD(自閉症スペクトラム障害)やADHD(注意欠如多動症)の人が感じる3つの困難と、それに対する具体的な対策を紹介します。これを参考に、対人関係の悩みを少しずつ解決していきましょう。
1. ASDの特徴と対人関係の困難
ASDの人は、他の人の表情や声の調子、しぐさなどの非言語コミュニケーションを理解するのが難しいことがあります。このため、相手の気持ちを読み取れず、誤解されることが多いです。たとえば、「できればお願い」という曖昧な指示を「やらなくていい」と誤解してしまうことがあります。また、興味のある話題ばかり話し続けてしまい、相手との会話がかみ合わなくなることもあります。視線が合いにくかったり、表情が出づらいこともあり、相手に失礼だと思われることもあります。また、冗談を理解できずに困ることもあります。
対策:
・曖昧な指示ではなく、具体的で分かりやすい言葉を使うように、周りの方にお願いしましょう。「これを〇〇時までにやってください」といった明確な指示を受けることで、誤解を防ぐことができます。
・自分が指示を受けたときに、わからない部分があれば、その場で確認することを心がけましょう。「この部分がよくわからないので、もう少し詳しく教えてもらえますか?」と尋ねることで、理解を深めることができます。
・相手の話に集中し、相槌を打つなどして相手が「聞いてもらえている」と感じられるようにしましょう。また、自分の表情や視線に注意し、できるだけ相手と目を合わせるように努力しましょう。視線を合わせるのが難しい場合は、相手の眉間や鼻を見ることで、自然なアイコンタクトがとれます。
2. ADHDの特徴と対人関係の困難

ADHDの人は、コミュニケーションに大きな問題は少ないですが、衝動的に発言したり、感情のコントロールが難しかったりすることがあります。たとえば、思い付きで失礼なことを言ってしまったり、怒りを抑えられずに相手にぶつけてしまうことがあります。このため、人間関係が悪化することがあります。
対策:
アンガーマネジメントの具体的な方法
アンガーマネジメントとは、怒りをうまくコントロールするための方法や考え方を学ぶことです。怒りを感じたときに衝動的に反応せず、冷静になって対処することで、対人関係のトラブルを防ぐことができます。
クールダウンする時間を持つ:怒りを感じたときは、その場から一時的に離れることが大切です。「少し休憩を取ります」と言って、その場を離れ、深呼吸を繰り返して心を落ち着かせます。これにより、衝動的な行動を抑えることができます。
思考の整理をする:冷静になったら、「なぜ自分は怒っているのか?」を考えます。自分の感情を言葉にしてみることで、相手にどう伝えるべきかが見えてきます。「~されたから、私はこう感じた」という形で、自分の気持ちを整理します。
ポジティブな言葉を使う:「私は大丈夫」といったポジティブな言葉を自分に言い聞かせることも効果的です。こうすることで、心を落ち着かせ、前向きな気持ちを保つことができます。
ストレスの管理:日常生活でストレスをためないようにすることも重要です。適度な運動や趣味の時間を持つことで、ストレスを発散させましょう。ストレスが少ないと、感情のコントロールもしやすくなります。
3. 相手の気持ちに気づかないことによる困難
ASDやADHDの人は、相手の感情に気づかずに思ったことをそのまま言ってしまうことがあります。これが原因で相手を傷つけたり、誤解を招いたりすることがあります。また、自分ばかり話してしまい、相手の話を遮ってしまうこともあります。
対策:
相手の表情やしぐさから気持ちを読み取る方法

体の動きや姿勢を見る:相手が退屈していると感じたとき、体が後ろに引けていたり、そっぽを向いたりすることがあります。その場合は、話題を変えたり、「この話題、興味ありますか?」と聞いてみましょう。
声のトーンに注意する:相手の声が小さくなったり、トーンが変わったときは、相手が困っていたり、嫌な気持ちになっている可能性があります。「何か気になることがありますか?」と聞くことで、相手の気持ちを確認できます。
表情を観察する:眉間にしわを寄せていたり、笑顔が消えていたら、相手が不快に感じているかもしれません。その場合は、「何か失礼なことを言ってしまいましたか?」と確認することが大切です。
動作に注目する:相手が時計を見たり、荷物を片づけ始めたら、早く会話を終わらせたいと思っているかもしれません。「もう少しお話してもいいですか?」と相手に確認することで、気遣いを示すことができます。
その他の対策
相手の話が終わるまで待ち、焦らずに自分の意見を伝えるように心がけましょう。話を遮らないことで、相手に敬意を示すことができます。
自分がしゃべりすぎたと感じたときは、「私ばかり話してしまってごめんね」と一言謝り、相手に話す機会を譲りましょう。
まとめ
ASDやADHDの人が対人関係で困ることは多いですが、周りの理解と配慮、そして本人の努力で、問題を軽減することができます。アンガーマネジメントや、相手の気持ちを読み取るスキルを身につけることで、より良いコミュニケーションが可能になります。コミュニケーションはお互いに楽しみ、良い関係を築くために大切なものです。相手の気持ちを理解し、尊重する姿勢を持ちながら、良好な関係を築いていきましょう。