学習障害(LD)という言葉を耳にしたことはあるけれど、具体的にどのような特徴があるのか、どんなふうに困りごとが出てくるのか、あまり詳しくは知らないという方も多いのではないでしょうか。あるいは、自分や身近な人が「もしかしたら学習障害かもしれない」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、学習障害(LD)の基本的な知識から、タイプ別の特徴、仕事や日常生活での具体的な対処法までを、わかりやすく解説していきます。自分自身の理解にも、周囲の支援にも役立つ内容になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
学習障害(LD:Learning Disabilities)とは、発達障害のひとつに分類されます。発達障害は、生まれつき脳機能の一部に偏りがあることにより、日常生活の中で生きづらさを感じやすくなる障害です。
発達障害は大きく分けて以下の3つに分類されます。
学習障害の特徴は、全体的な知的発達に問題がないにもかかわらず、「読む」「書く」「聞く」「話す」「計算する」など、特定の学習スキルの習得や実行が著しく困難になるという点にあります。
誤解されがちですが、「学習障害=学習全般ができない」わけではありません。理解力や知的能力に問題がないため、得意分野で力を発揮する人も少なくありません。
また、子ども時代には気づかれず、大人になってから困りごとが顕在化し、自分がLDだと気づくケースもあります。

LDはその特性によって、大きく3つのタイプに分けられます。ここでは、それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
ディスレクシアは「文字を読む」ことに困難が生じる障害です。以下のような特徴があります。
これらの症状は一人ひとり異なり、「まったく読めない」わけではなく、「特定の文字や文にだけ苦手さがある」というケースもあります。
ディスグラフィアは「文字を書く」ことに困難が生じる障害です。以下のような困りごとが見られます。
このような特徴から、手書きの書類作成や板書の写し、メモ取りなどに困難が生じることがあります。
ディスカリキュリアは「数や計算に関する理解」に困難がある障害です。具体的には以下のような症状が見られます。
単なる「苦手」ではなく、何度練習しても定着しづらい、応用が効かないといった特徴があります。

ディスレクシアの方が職場で特に困るのは、文字情報を読む業務です。たとえば、マニュアルや報告書、契約書などの文書を読む際に、内容を理解するのに時間がかかったり、読み間違えたりすることがあります。
対処法として有効なのは以下の方法です。
ディスグラフィアでは「手で文字を書くこと」に苦手さがあります。会議のメモや資料作成、記録業務などが難しくなる場合があります。
以下の工夫が有効です。
ディスカリキュリアでは計算や数の処理が難しいため、経理、売上計算、在庫管理などの業務で困ることがあります。
対処法としては次のようなものがあります。
学習障害(LD)は、目に見えにくいため誤解されやすく、「努力が足りない」「怠けている」と誤解されてしまうことも少なくありません。しかし、LDは本人の努力不足ではなく、脳の情報処理の仕方に違いがあるという、生まれつきの特性です。
重要なのは、「できないこと」にばかり注目するのではなく、苦手を知り、それをカバーする方法を見つけることです。周囲の理解と工夫があれば、多くの困りごとは軽減できます。
自分自身や身近な人にLDの傾向があるかもしれないと感じたときは、無理に我慢するのではなく、必要に応じて専門機関に相談することも大切です。
誰もが自分の特性に合った形で、安心して力を発揮できる環境をつくっていきましょう。