今回は、知的障害の程度による特徴や、遺伝、二次障害について説明します。
知的障害のある人たちは、それぞれの状況に応じた支援を必要とします。
では、さっそく見ていきましょう。

知的障害は、軽度、中度、重度、最重度の4つに分類されます。
軽度の知的障害は、IQが50~70の範囲で、幼い頃には大きな遅れが見られないことが多いです。
しかし、小学校に入ると、読み書きや算数などで他の子どもに比べて遅れが目立ちます。
学習全般に支援が必要で、新しいことに挑戦するときには特にサポートが求められます。
中度の知的障害は、IQが35~55の範囲で、幼児期から運動やコミュニケーション、日常生活において遅れが見られます。ある程度、社会的な付き合いはできますが、学業や仕事のスキルを身につけるためには支援が必要です。適切なサポートがあれば、地域社会で活動的な生活を送ることができます。
重度の知的障害は、IQが20~40の範囲で、日常生活での適応にも多くの支援が必要です。
三歳頃までに遅れが明らかになり、学校では基本的な生活スキルを学びます。
社会的な付き合いや仕事の場面でも、常にサポートが求められます。
最重度の知的障害は、IQが20以下で、運動やコミュニケーション、日常生活のすべてにおいて顕著な遅れが見られます。幼児期から一貫した支援が必要で、その人に合った生活を送るためには特に手厚いサポートが求められます。
知的障害のある人の平均寿命は、以前よりも延びてきていますが、依然として健康で暮らすための支援が重要です。適切なケアがあれば、知的障害のある人も長く健康的な生活を送ることが可能です。
遺伝が原因で知的障害が発症することもありますが、必ずしも親から子へ遺伝するわけではなく、また遺伝しても必ず発症するとは限りません。

知的障害のある人は、周りの状況や情報を理解するのが難しいことがあります。
たとえば、何かを決めるときに、どれが正しい選択かを考える「思考力」や、何が良いか悪いかを判断する「判断力」がうまく働かないことがあります。
このため、周りの環境から得た情報を十分に理解できず、混乱してしまうことがあるのです。
この混乱によって、知的障害のある人は誤った行動を学んでしまうことがあります。
たとえば、ストレスを感じると、周りを避けてしまったり、逆に無気力になって何もしなくなってしまうことがあります。これらの行動は、知的障害そのものが原因ではなく、状況をうまく理解できないことから生じる「二次的な症状」と言えます。
たとえば、周りの人が何を言っているのか理解できないと、不安や恐怖を感じ、その結果、人と関わるのを避けようとすることがあります。また、自分の行動がいつも注意されると、自信をなくし、何も挑戦しようとしなくなることもあります。
知的障害のある人が正しい情報を得られなかったり、誤解したりすることで、さらに別の困難が生まれてしまうのです。
知的障害のある人が、周りの環境に適応しやすくするためには、適切な支援と環境の調整が非常に大切です。特に「オペラント条件付け」という方法が効果的です。
オペラント条件付けとは、行動に対して「報酬」や「嫌悪刺激」を与えることで、その行動を増やしたり減らしたりする方法です。
たとえば、良い行動をしたときに褒めることで、その行動をもっと行おうと思うようにします。
たとえば、知的障害のある人がきちんと挨拶をしたときに、「よくできたね!」と褒めることで、次回も挨拶をしようという気持ちが生まれます。
このように、望ましい行動に対して積極的に褒めたり、ちょっとしたご褒美を与えたりすることで、その行動を続けてもらえるようにします。
一方で、良くない行動をしたときには、その行動が減るように注意をするか、場合によっては静かに見守り、興奮を鎮めた後で話し合うことが有効です。
たとえば、大声を出してしまった場合、その行動に対して特に反応せず、落ち着いてから「さっきは大きな声だったけど、次は静かに話してみよう」と伝えることで、静かに話すことを学んでもらうことができます。
知的障害のある人が生活しやすいように、環境を整えることも重要です。
たとえば、わかりやすいサインや絵で、どこに何があるのかを示すことで、迷わずに行動できるようにします。また、静かな環境や落ち着ける場所を用意することで、ストレスを減らし、安心して生活できるようにします。
このように、オペラント条件付けの考え方を取り入れた支援を行うことで、知的障害のある人が適切な行動を学び、より良い生活を送るための手助けができます。
知的障害は、その程度に応じて異なる特徴や支援のニーズがあります。
適切な支援や環境の調整によって、知的障害のある人たちが自分らしく、より良い生活を送ることができるようになります。
理解とサポートを通じて、彼らが社会の中で活躍できる環境を整えることが大切です。