発達障害が重なるとどうなる?【ASD/ADHD/SLD/DCD/チック症・トゥレット症など】

 発達障害にはさまざまなタイプがありますが、共通しているのは早期の理解とサポートが重要であるという点です。発達障害の原因には遺伝的要因や環境的要因が関連しており、診断には専門家の評価が不可欠です。自閉症スペクトラム(ASD)注意欠如多動症(ADHD)は、発達障害の代表的な例です。また、限局性学習障害(SLD)は特定の学習分野での困難を指し、チック症トゥレット症は繰り返しの運動や音声が特徴です。発達障害は複数の障害が重なることもあり、それぞれに対して適切なサポートが求められます。

発達障害とは

発達障害とは、生まれつき脳の働きが一般的な人々とは異なる部分があり、そのため外の世界を独特のやり方で感じたり、発達が偏っていたりする状態を指します。このため、一般的な社会環境に適応しにくく、生活に困難を感じることが多くなります。

発達障害のある人々は、全人口の約1割程度に当たり、例えば30人のクラスでは2〜3人程度が該当します。また、一つの障害だけでなく、ASDとADHDなど複数の障害を併せ持つ場合もあります。

発達障害のメカニズム

発達障害の原因には、脳の機能障害が主なものとして挙げられ、一部は遺伝的要因が大きいとされています。例えば、ADHDでは脳内の神経伝達物質であるドーパミンの機能低下や前頭前野の異常が関連していると考えられています。ただし、脳内の問題のメカニズムについてはまだ解明されていない部分もあります。

発達障害の診断には、精神科医や小児科医による問診や診察、発達検査、知能指数検査などが行われ、総合的に判断されます。

発達障害の支援

発達障害を取り巻く状況も変化してきました。2005年に発達障害者支援法が施行され、2007年には学校教育法が改正されて特別支援教育がスタートしました。これにより、発達障害のある人々への支援が公的な責任で行われるようになり、福祉や教育分野での支援が拡充されました。

メディアやSNSでも発達障害が取り上げられることが増え、社会的な認知度が向上しています。発達障害者支援センターが全国に設置され、発達障害児・者への相談支援、発達支援、就労支援、普及啓発活動などが行われています。

発達障害の症状について

発達障害の症状について

自閉症スペクトラム(ASD)

自閉症スペクトラム(ASD)の特徴としては、社会的コミュニケーションの問題やこだわり、繰り返される行動が挙げられます。ASDは以前は広汎性発達障害と呼ばれていましたが、2013年のDSM-5の改定により、ASDという名称に変更されました。これにより、ASDの症状が多様であり、その程度が連続していることが反映されています。

注意欠如多動症(ADHD)

注意欠如多動症(ADHD)は、不注意や多動性、衝動性の特徴を持つ障害で、小児期に多く見られます。ADHDの症状は、支援や薬物療法によって改善することがあり、青年期や成人期にも適切なサポートが必要です。

そのほかの症状

限局性学習症(SLD)は、読字障害、書字障害、算数障害の3つの領域で学習困難が見られる障害です。
発達性協調運動症(DCD)は、身体の複数の部位を同時に動かす協調運動が難しく、ぎこちない動きや作業の困難さが特徴です。

また、チック症トゥレット症は、繰り返しの身体の動きや音声が自発的に起こる障害で、これらの症状を抑えるための治療が行われます。

発達障害が重なると

発達障害が重なると

発達障害は複数が重なることもあり、それに伴う困難が増えることもあります。例えば、ADHDとDCDが同時に存在する場合、国語や算数の授業だけでなく、体育や図工でも困難が生じることがあります。

このような困難を乗り越えるためには、個々の特性に応じた支援が重要です。発達障害の特性を理解し、それに応じたサポートを提供することで、日常生活や学業の困難を軽減することができます。