【発達障害】障害者手帳にはデメリットがある?【取得方法も解説】

発達障害を抱える方が自分らしく、いきいきと働けるよう、就労や生活に役立つ情報をわかりやすくお届けします。今回は「発達障害の方は障害者手帳を取得できるの?」というテーマで、詳しく解説していきます。

目次

  1. 障害者手帳とは?
  2. 発達障害の方も手帳を取得できる?
  3. 手帳取得のメリットとデメリット
  4. 手帳の取得方法について

1. 障害者手帳とは?

障害者手帳とは、障害のある方が必要な支援を受けやすくするために設けられている公的な証明書です。主に以下の3種類があります。

  • 身体障害者手帳:身体機能に一定の障害がある方を対象としています。
  • 療育手帳:知的障害がある方が対象となり、IQや発達の遅れに応じて等級がつけられます。
  • 精神障害者保健福祉手帳:うつ病、統合失調症、不安障害など、精神的な障害が一定以上あると認められる方が対象です。

これらの手帳を持つことで、障害者総合支援法に基づくさまざまなサービスや支援を受けることが可能になります。


2. 発達障害の方も手帳を取得できる?

結論からお伝えすると、はい、取得可能です。

ただし「発達障害者手帳」という特別な手帳があるわけではなく、発達障害を抱える方が対象となるのは、精神障害者保健福祉手帳です。

この手帳は、統合失調症やうつ病、てんかん、不安障害、依存症など幅広い精神疾患が対象であり、発達障害もその中に含まれています。等級は1級から3級まであり、1級が最も重く、3級が比較的軽度の障害とされています。

なお、知的障害を伴う発達障害の方は、療育手帳を取得することが一般的です。IQ70以下であれば対象になることが多く、等級の表記は自治体により異なりますが、B2・B1・A2・A1などの区分があります。

また、精神障害者手帳と療育手帳の両方を取得することも可能ですが、日常生活において両方を持つことに大きなメリットはあまりありません。どちらが自分にとってより適切かを、支援機関や医師と相談のうえ、検討されるとよいでしょう。


3. 障害者手帳を取得するメリットとデメリット

3. 障害者手帳を取得するメリットとデメリット

ここでは、発達障害の方が障害者手帳を取得するメリットとデメリットについてご紹介します。

メリット

① 助成や割引、控除が受けられる

障害者手帳を持つことで、さまざまな公的支援を受けることが可能になります。

たとえば:

  • 医療費の助成(自治体により条件が異なります)
  • 所得税・住民税の控除
  • NHK受信料の免除
  • 公共交通機関(電車・バスなど)の割引
  • 水道料金や公共施設利用料の割引
  • 公営住宅への優先入居 など

中には、テーマパーク(例:USJ)で障害者割引が適用されるケースもあり、かなりの金額が割引になることもあります。

② 障害者雇用枠での就職が可能になる

障害者手帳を持っていると、「障害者雇用枠」での就職活動ができます。これは、障害のある方に配慮された働き方ができる雇用枠で、職場での理解や支援が受けやすくなるのが特長です。

注意点として、障害者雇用枠では職種が限定的であったり、給与が一般雇用よりも低めに設定されていたりすることもあります。しかし、「自分の特性に配慮してもらえる環境で働きたい」という方にとっては大きなメリットです。

なお、障害者手帳を持っていても一般雇用枠への応募も可能です。選択肢が広がるという点でもメリットがあります。

③ 支援機関からのサポートが受けやすくなる

障害者職業センターや就労移行支援事業所など、就労や生活支援を行う機関のサービスを利用しやすくなります。

たとえば:

  • 職業訓練
  • 就職活動のサポート
  • 定着支援(就職後の職場適応支援)
  • ジョブコーチによる職場訪問支援

こういった支援は、手帳がなくても一部利用可能なケースもありますが、手帳を持っていることでよりスムーズに利用できる場合があります。

デメリット

実質的な「デメリット」はほとんどありませんが、誤解されやすい点があります。

  • 障害者雇用でしか働けない? いいえ。一般雇用でも働けます。
  • 常に手帳の提示が必要?いいえ。開示義務はありません。割引などのサービスを受けたい場合に提示する必要があるだけです。

取得によって何か不利益を被るということは基本的にありませんので、安心してください。


4. 手帳はどのように取得する?

4. 手帳はどのように取得する?

障害者手帳の申請は、お住まいの市町村の役所で行います。多くの自治体では「障害福祉課」などの窓口が担当しています。

主な必要書類

  1. 申請書(各自治体によって様式が異なります)
  2. 医師の診断書または障害年金の証書
  3. 顔写真
  4. 本人確認書類(マイナンバーカードなど)

精神障害者手帳の申請にあたっては、初診日から6か月以上経過していることが必要です。診断直後の場合、すぐに申請はできませんので注意してください。

手帳が届くまでの期間

申請から交付までの期間は自治体によって異なりますが、一般的には2~3か月程度です。早いところでは1か月で発行される場合もあります。


まとめ

障害者手帳は、発達障害を抱える方が必要な支援やサービスを受けながら、自分らしく生きていくための「ツール」の一つです。取得にはいくつかの条件や手続きがありますが、多くのメリットがあります。

もちろん、手帳を取得するかどうかは個人の自由です。必要だと感じたタイミングで、信頼できる支援者や医師と相談の上、検討されるとよいでしょう。