就労移行支援に通うのが辛い…原因は●●!?【ADHD・ASD・LD】

障害や難病を抱える方が、一般就労を目指すうえで大きな助けとなる「就労移行支援」。多くの方にとって再スタートの場であり、生活のリズムを整え、社会で自立する力を養う大切な支援制度です。しかし、その一方で、「通うのが辛い」「続けるのが苦しい」と感じる方も少なくありません。

本記事では、ADHD(注意欠如・多動症)・ASD(自閉スペクトラム症)・LD(学習障害)などの発達障害を抱える方を中心に、「就労移行支援に通うのが辛いと感じる理由」や「その具体的な対処法」について詳しくご紹介します。

就労移行支援の利用を検討している方、あるいは現在利用していて悩みを抱えている方にとって、少しでも前向きなヒントとなれば幸いです。

就労移行支援とは?

「就労移行支援」は、厚生労働省が管轄する障害福祉サービスのひとつで、障害や難病のある方が自分に合った仕事を見つけるための支援を受けられる制度です。対象となるのは、18歳から65歳未満の方で、一般企業への就職を目指す意思と可能性のある方です。

主な支援内容は以下の通りです。

  • 生活リズムの安定や体調管理
  • ビジネスマナーやSST(ソーシャルスキルトレーニング)
  • パソコンスキル・事務作業などの訓練
  • 資格取得に向けた学習支援
  • 就職活動のサポート(履歴書作成・面接練習など)
  • 職場定着支援(就職後の継続支援)

こうした支援を受けながら、約2年間の期間内で就職を目指していくのが、就労移行支援の基本的な流れです。

就労移行支援に通うのが辛いと感じる主な理由とその特徴

就労移行支援において、誰もがスムーズに訓練を受けられるわけではありません。ここでは、「通うのが辛い」と感じる方に多く見られる3つの代表的なパターンを挙げ、それぞれの背景を掘り下げていきます。

体調面・体力面での辛さ

まず大きな理由のひとつが、体調や体力的な問題です。発達障害や精神疾患、慢性疾患などの影響で、長時間の外出や継続的な通所が難しい場合も多くあります。

主なケース

  • 病状が安定しておらず、日によって波がある
  • 朝起きることが困難で生活リズムが乱れている
  • 通所に1時間以上かかり、移動だけで疲弊してしまう

このような場合は、まず主治医に相談することが大前提です。医師の許可がないまま無理に通所を続けると、かえって病状が悪化するおそれもあります。

また、通所に長時間かかるようであれば、自宅からより近い事業所への変更や、オンライン対応可能な事業所の利用などを検討しても良いでしょう。就労を想定した際に無理のない通勤時間を見極めることも重要です。

人間関係のストレス

2つ目は、人間関係におけるストレスです。就労移行支援の現場では、支援員(スタッフ)との関係性だけでなく、他の利用者との関係も避けて通れないものです。

よくある悩み

  • 支援員と相性が合わず、相談しにくい
  • 他の利用者とうまく関われず孤立してしまう
  • 雰囲気が合わず、居心地が悪いと感じる

支援員との関係が辛い場合は、遠慮せず担当の変更を申し出ることも一つの手段です。信頼関係が築けないままでは、効果的な支援を受けるのも難しくなってしまいます。

また、利用者同士の関係が難しいと感じる方も多いですが、これは発達障害の特性から来るものであり、「訓練の一部」として割り切って取り組むことも有効です。将来、障害者雇用枠で働く際には、同様の特性を持つ人と職場を共有する可能性が高いため、今のうちに少しずつ慣れておくことが、のちの自信にもつながります。

なお、事業所の雰囲気そのものが合わないと感じる場合は、見学や体験利用の段階で複数の事業所を比較検討することが大切です。

モチベーションの維持が難しい

3つ目に挙げられるのは、モチベーションが保てないという悩みです。継続的な訓練には強い意志が必要であり、とくに発達障害のある方は「目的意識の曖昧さ」や「自信のなさ」から、意欲を失ってしまうこともあります。

具体的なケース

  • 訓練の内容が難しく、ついていけないと感じている
  • 毎日の通所の意味が見いだせない
  • 自分に向いている仕事や方向性が見えない

こうした状況で最も大切なのは、「できないこと=悪いこと」ではないという認識を持つことです。就労移行支援はあくまで「できるようになるための訓練の場」であり、すでにできることを求められているわけではありません。

訓練の内容やレベルが合っていないと感じた場合は、支援員とよく話し合い、カリキュラムの調整や個別対応をお願いすることも可能です。

また、「何のためにこの訓練をしているのか」が見えなくなってしまった場合も、支援員に率直に質問してみることで、自分の目標を再確認できる場合があります。

辛さを軽減するためにできること

就労移行支援は、あくまで一つの選択肢です。全ての人にとって万能な制度ではありませんし、合う・合わないは当然あるものです。それでも、「通うことがつらい」と感じたときに、いくつか意識してほしいことがあります。

主治医と定期的に状態を確認する

精神的・身体的な不調を無理して押し込めるのではなく、医師と相談しながら適切な利用継続を判断しましょう。

支援員に相談し、自分に合ったペースを探す

訓練の内容、頻度、通所スタイル(オンライン併用など)について、可能な範囲で柔軟に調整することが大切です。

「完璧」を目指さない

最初から高いハードルを設定せず、「今日できた小さなこと」を積み重ねていく意識が、継続の鍵になります。

まとめ

就労移行支援に通う中で、「辛い」と感じるのは決して珍しいことではありません。むしろ、多くの方が同じような壁にぶつかっています。体調や人間関係、モチベーションなど、さまざまな要因がありますが、それぞれに対処法は存在します。

大切なのは、一人で抱え込まないこと、そして自分に合った環境と支援を見つけることです。つらさを乗り越えた先に、きっと自分らしく働ける道が見えてくるはずです。

今つらさを感じているあなたが、少しでも前向きな一歩を踏み出せるよう願っています。