【就労移行支援は働きながら利用できるの? 利用中の生活費はどうする?】
就労移行支援を利用したいと考えている方にとって、「働きながら使えるのか?」「生活費はどうするのか?」という不安は非常に大きな問題です。本記事では、こうした疑問に対して詳しく解説し、支援制度の活用方法や生活費の工面方法についてわかりやすくまとめていきます。
就労移行支援とは?
就労移行支援は、厚生労働省が管轄する障害福祉サービスの一つで、障害や難病を持つ方が「自分に合った仕事に就く」ことを支援するための施設です。支援内容には体調管理、生活リズムの安定、パソコンスキルやSST(ソーシャルスキルトレーニング)などのスキル習得、就職活動支援(履歴書添削や面接同行)、就職後の定着支援などが含まれます。
就労移行支援は働きながら利用できるの?
結論から言うと、原則としては就労中の方は利用できません。就労移行支援は「現在仕事をしていない方」が対象であり、すでに働けている方は支援の必要がないと判断されるためです。また、支援は日中に提供されることがほとんどなので、フルタイムで働いている方は時間帯的にも利用が難しくなります。
しかしながら、「原則」という表現が示す通り、例外も存在します。たとえば、現在パートタイムで働いていて、今後正社員を目指すというようなケースや、時短勤務からフルタイムに移行するために体力やスキルをつけたいという目的がある場合、自治体の判断で利用が認められることがあります。実際に、保育士を目指して保育補助の仕事を週2回程度行いながら就労移行支援を利用していた方も存在します。
休職中の場合はどうなるのか?
現在、会社に在籍しながらも休職中である方は「リワーク(復職支援)」として就労移行支援を利用することが可能です。この場合、会社側が「就労移行支援の訓練を受けること」を許可していることが条件となります。休職中にしっかりと訓練を行い、復職を目指すという目的であれば利用可能です。ただし、最終的にはお住まいの自治体の判断が必要となるため、まずは福祉課へ相談しましょう。
生活費の問題と対策

「働きながら利用できない」となると、最も大きな不安は生活費の確保です。就労移行支援を検討する多くの方が、「仕事を辞めて訓練に集中したいが、生活費が足りない」と悩んでいます。そこで、実際に利用者が生活費をどう工面しているのか、その方法を4つご紹介します。
1. 失業保険
最も代表的なのが失業保険です。障害や難病が理由で離職した場合、「就職困難者」として特別区分に該当する可能性があり、最大で300日(約10か月)間、給付を受けられることがあります。就労移行支援での訓練期間と照らしても十分な期間であるため、これを活用することで安心して訓練に専念できます。
2. 傷病手当
会社を休職中で給与が支払われていない場合は、傷病手当金を受給できます。最大で1年半、給与の約3分の2の金額が支給されるため、生活費の大きな助けになります。こちらは特にリワーク目的で支援を受ける方にとって有効です。
3. 障害年金
一定以上の障害がある方には障害年金の受給資格がある場合があります。ただし、金額は等級や種類によって異なり、障害年金だけで生活するのは困難なケースも多いです。ただし、他の手当と併用することで生活の足しになります。
4. 生活保護
失業保険や障害年金などの制度を利用できない、貯金も無いという方には生活保護の利用が検討されます。受給期間の制限がないため、最も安定して訓練に集中できる制度です。「生活保護」と聞くと抵抗を感じる方も多いかもしれませんが、未来の自立を目指すための一時的な制度利用は、決して後ろめたいことではありません。
その他の選択肢
上記の制度以外にも、貯蓄を切り崩して生活される方や、家族の支援を受けて生活している方もいらっしゃいます。状況は人それぞれですが、経済的な不安を抱えながらでは訓練にも集中しにくいため、事前の生活設計はとても大切です。
実習・トライアル雇用という制度も

就労移行支援では、企業実習という形で実際の職場を体験する機会があります。ただし、これはあくまで「実習」であるため、報酬は発生しません。その代わり、トライアル雇用という制度を利用することで「お試し雇用」として給与を得ながら働くことも可能です。この制度を使うことで、万一仕事が合わなかった場合にもスムーズに支援施設へ戻ることができます。
トライアル雇用は精神的なハードルを下げる意味でも利用価値が高く、多くの方にとって安心して社会復帰を目指す手段の一つとなっています。
まとめ
就労移行支援は、基本的には「今は働いていない方」が利用対象ですが、例外としてパート勤務やリワークなどの条件で利用が認められるケースもあります。生活費については、失業保険・傷病手当・障害年金・生活保護といった公的制度をうまく活用することで訓練期間をしっかり確保し、自立した生活を目指すことができます。
不安がある方は、まずは福祉課や就労支援施設に相談して、自分の状況に合った選択肢を見つけてください。就労移行支援を活用することで、よりよい未来へと一歩を踏み出すことができるはずです。