変えられる性格と変えられない性格

皆さんは、自分の性格を変えたいと思うことはありませんか?
もっと積極的になりたい、自信を持ちたい、心配性を克服したいなど、さまざまな願望を抱くことがあるでしょう。

今回は、努力で性格を変えることが可能なのか?

そして、もし可能ならどのようにすれば良いのかについて、アメリカの精神科医クロニンジャーの理論をもとに解説します。

本題に入る前に、まず性格について説明します。
クロニンジャーによれば、性格には以下の7つの要素があるとされています。

①好奇心の強さ

②慎重さ

③情の厚さ

④粘り強さ

⑤自尊心

⑥協調性

⑦自己超越性

これらの要素の強弱が人によって異なり、そのバランスが個性を生み出します

例えば、食べ物の味には甘味、塩味、酸味、苦味、旨味の5つの要素がありますが、そのバランスによって味が決まるのと同じです。

性格を構成する7つの要素のうち、①好奇心の強さ、②慎重さ、③情の厚さ、④粘り強さの4つは「気質」と呼ばれ、遺伝によって生まれながらにして決まっている要素です。
これらはどんなに努力しても変えることはできません。

一方で、⑤自尊心、⑥協調性、⑦自己超越性の3つは、環境に影響されることもあり、成長してからも変化させることが可能です。

このように、性格には変えられない部分と、変えることができる部分が存在するのです。

もし性格を変えたいと考えているなら、変えることが可能な⑤自尊心、⑥協調性、⑦自己超越性の3つに焦点を当てるべきでしょう。

では、性格の7つの要素について、それぞれを詳しく解説していきます。

では、性格の7つの要素について、それぞれを詳しく解説していきます。

最初は、変えることのできない要素、生まれつき遺伝的に決まっている「気質」と呼ばれる4つの要素についてです。

①好奇心の強さ
専門的には「新奇性探求」と呼ばれ、新しいものや刺激を好む傾向のことです。
これが強いと、積極的に物事に取り組む人ですが、思いつきで行動することもあります。
逆に、弱いと保守的になり、新しいことに対して消極的です。
たとえば、浮気性で飽きっぽい人や、逆に新しいことに目を向けず、同じことを続ける性格は変えることができないのです。

②慎重さ
専門的には「損害回避」といい、リスクを避けようとする傾向です。
これが強い人は用心深く慎重ですが、強すぎると悲観的で不安を感じやすくなります。
逆に、弱いと外向的で楽観的な性格になります。
たとえば、神経質や怖がり、あるいはその逆のズボラな性格は変えることができません。

③情の厚さ
専門的には「報酬依存」と呼ばれ、周囲からの良い評価を求める傾向です。
人間関係を積極的に求める特徴もあります。
情に厚く、承認欲求が強い人はこれが高いですが、弱い人は冷静で距離を置く傾向にあります。
たとえば、目立ちたがりやおせっかい、逆に不愛想な性格は変わりません。

④粘り強さ
専門的には「持続性」といい、一つのことを粘り強く続けられる傾向を指します。
これが強い人は目標を持って努力できる人ですが、弱い人はすぐに諦めてしまい、持続力がありません
こだわりが強い人や、逆に根気がない人の性格は変えることができません。

次に、年齢に関係なく努力すれば変えることができる3つの要素について説明します。

⑤自尊心
クロニンジャーはこれを「自己志向」と呼び、自尊心や自己肯定感を指します。
自分の生きる目的や価値を感じ、自分の考えや行動に自信を持てることです。
これが強い人は、他人の批判に影響されずに「自分は自分、他人は他人」と思える適応力を持っています。
しかし、これが弱いと不平不満が多く、他人に流されやすくなります。

親から「お前はダメだ」と言われ続けたり、いじめや挫折を経験すると自尊心が弱くなりますが、これは先天的なものではありません。
「自分はダメだ」というネガティブな思考が根付いてしまっているだけなので、時間をかければ意識して少しずつ改善することが可能です。

自尊心を高めるためには、たとえ家族であっても、関わることで嫌な思いをする相手からはできるだけ距離を置くことが大切です。
自分が心地よく感じられる人とだけ付き合うようにしましょう。
あなたの長所を認めてくれる人との交流が重要です。
もし、そういった人が身近にいなければ、カウンセリングを受けることも一つの方法です。

また、自分を大切にする努力をすることが必要です。
できないことや自分の欠点に目を向けて「どうせ私はダメだ」と考えるのはやめて、自分は特別な存在だと自分に言い聞かせましょう。
健康に気を配ったり、時には贅沢をしたり、趣味に没頭したり、ずっと挑戦したかったことに取り組むなど、積極的に自分への投資をしていきましょう。

健康に気を配ったり、時には贅沢をしたり、趣味に没頭したり、ずっと挑戦したかったことに取り組むなど、積極的に自分への投資をしていきましょう。

⑥協調性
協調性とは、自分を犠牲にしてでも他人を思いやる傾向のことです。
これが強い人は寛大で信頼される人物です。
一方で、協調性が弱い人は偏見を持ちやすく、嫌なことがあると復讐心を抱きがちです。

しかし、協調性は自分の努力で高めることが可能です。
ボランティア活動に参加したり、家族を手伝ったり、記念日にプレゼントを贈るなど、具体的に他人を大切にする行動を実践することで協調性は育まれます。

⑦自己超越性
自己超越性とは、自分を超えた高い精神性や宗教性、自然との一体感などを感じることを指します。
神仏や自然といった目に見えない存在とのつながりを意識することです。
特定の宗教に所属するという意味ではありません。

もしピンとこない方は、壮大な自然の風景に心が癒され、穏やかな気持ちになった経験を思い出してみてください。
そのような大きな存在を感じることで、自分や他人を大切にする気持ちが育ちます。
この感覚は自尊心や協調性ともつながっているのです。

日本では約80%の人が無神論者とされているため、自己超越性というと非科学的だと感じることがあるかもしれません。
しかし、世界的には自己超越を重要視する人が多く、WHOでもこれをメンタルヘルスの重要な要素として扱っています。

自己超越性が強い人は無欲で社会貢献を考え、物事に深い意味を見出そうとします
一方、自己超越性が弱い人は自意識過剰で、内面的な価値よりもお金や地位、名誉を重視する傾向にあります。

自己超越性は祈りや瞑想、自然との触れ合いを通して心を穏やかにすることで高めることができます。

今回はクロニンジャーの理論を基に、性格を変えるための方法について紹介しました。
自分を大切にし、他者を大切にし、神仏や自然とのつながりを意識することで、心を穏やかに保つ時間を持つことが重要です。

これらの取り組みをバランスよく続けていくことで、少しずつあなたの性格にも変化が現れるでしょう。