【使わないと損!?】発達障害者が利用できる就労支援【ADHD/ASD/アスペルガー症候群】

発達障害の方のための就労支援と、企業が活用できるサポート制度について

近年、発達障害をお持ちの方々に対する就労支援の重要性が高まっています。本記事では、発達障害のある方が利用できる就労支援制度について、また障害者雇用を検討・実施している企業のご担当者様にも参考になるよう、関連する制度や支援内容について詳しくご紹介いたします。

発達障害とは何か

まず、発達障害とはどのような障害なのでしょうか。発達障害とは、生まれつき脳の働きの一部に偏りがあることにより、日常生活や社会活動において困難を感じやすい障害です。主に「注意欠如・多動症(ADHD)」「自閉スペクトラム症(ASD)」「学習障害(LD)」といった分類に分かれ、それぞれに特性や支援の方法が異なります。

発達障害の方が利用できる就労支援の分類

発達障害をお持ちの方が利用できる就労支援は、大きく次の3つの段階に分けて考えることができます。

  1. 今すぐ就職を希望する方への支援
  2. 就職のための準備を進めたい方への支援
  3. 就職後に職場への定着を希望する方への支援

1. 今すぐ就職を希望する方への支援

今すぐ就職を希望する方への支援
● ハローワーク(障害者雇用窓口)

発達障害をお持ちの方がすぐに働きたいと考えた際、まず相談先として挙げられるのが「ハローワーク」です。全国にある公共職業安定所で、障害者雇用を専門に扱う窓口が設けられており、障害者手帳を持つ方に対する求人紹介や面接支援を行っています。

● 障害者トライアル雇用制度

さらにお勧めしたいのが「障害者トライアル雇用制度」です。これは、おおむね3~6か月(最大12か月)という期間の中で、企業と求職者が実際に働きながら相互理解を深め、マッチングを図る制度です。制度の特徴としては、書類選考を行わずに面接へ進める点や、週20時間未満からスタートできる「短時間トライアル雇用」も用意されている点が挙げられます。

この制度を通じて雇用に至った場合の継続雇用率は非常に高く、過去には86.1%という実績も報告されています。また、企業側にも助成金などの支援があるため、積極的な活用が期待されます。

2. 就職のための準備を進めたい方への支援

就職のための準備を進めたい方への支援
● 障害者職業センター

「障害者職業センター」では、就職に向けた準備をサポートするための多様な支援が行われています。中でも注目すべきは「職業評価」というサービスです。これは軽作業などの模擬試験を通じて、自身に向いている職種や作業内容を具体的にフィードバックしてもらえるもので、職種選びに迷う方にとって大変有用です。

比較的短期間の利用を想定しているため、早期に職業適性を見極めたい方に向いています。

● 職業訓練(ハロートレーニング)

「ハロートレーニング」とは、障害のある方を対象に開講される職業訓練制度です。調理、清掃、事務スキル(Word、Excel、VBAなど)、デザインソフト(Photoshop、Illustrator)、CAD、簿記など、実践的なスキルが学べる多様な講座が開かれています。

受講には開講時期や定員があるため、関心のある方は早めに地元の職業能力開発施設やホームページなどで情報収集を行いましょう。

● 就労移行支援事業所

「就労移行支援」は、最大で2年間利用できる障害福祉サービスで、就職準備から職場定着支援までトータルで行う施設です。各事業所により特色は異なり、プログラミングなどに特化したスキル型や、日常生活や人間関係スキル(SST)などを重視した総合型などがあります。自分に合った事業所を選ぶことが成功のカギになります。

3. 就職後に職場への定着を希望する方への支援

就職後に職場への定着を希望する方への支援
● 障害者就業・生活支援センター(就ポツ)

通称「就ポツ」と呼ばれるこのセンターは、地域に根差した支援拠点で、就労支援のみならず、健康管理や金銭管理、住居や年金の相談といった生活全般に関わる支援も行っています。就労移行支援を経て就職した方が、定着支援として就ポツに引き継がれるケースも多く、生活と仕事を包括的に支援する役割を果たしています。

● ジョブコーチ支援

ジョブコーチとは、職場における障害者の安定就労をサポートする専門職です。配置型(職業センター所属)、訪問型(社会福祉法人等所属)、企業在籍型(企業に雇用されている)と3つの形態があり、企業側・障害者双方に対して、業務や人間関係のアドバイスを行います。

この支援を受けることで離職率の低下や職場の理解促進につながり、企業にとっても非常に有益です。ジョブコーチ支援にも助成制度があるため、企業としても導入を検討する価値があります。

● 就労定着支援

「就労定着支援」は、就労移行支援などを通じて就職した方が、就職後も引き続き支援を受けることができる制度です。就労後6か月までは就労移行支援事業所がサポートを行い、それ以降の継続的な支援が必要な場合に「就労定着支援」に引き継がれます。

同じスタッフによる支援が受けられるケースも多いため、利用者にとって安心感があります。なお、前年度の所得によっては利用料が発生する可能性があるため、事前の確認が必要です。


おわりに

おわりに

発達障害をお持ちの方の就労には、適切なサポートと理解のある職場環境が不可欠です。今回ご紹介した支援制度を活用することで、個々の課題に応じた就労の実現や、職場への円滑な定着を図ることができます。企業の皆さまにとっても、これらの制度を知っておくことは、安定した雇用環境の構築に大いに役立つはずです。

支援を必要とされているご本人、そしてその方々を迎え入れる企業の皆さまが、より良い関係を築いていけるよう、制度の積極的な活用をお勧めいたします。