1,はじめに
今回の記事は、人と目を合わせることにお悩みを持つ方のために、私の実体験を交えながら、アイコンタクトの重要性や目線を使ったコミュニケーションの改善方法、アイコンタクトを使わないコミュニケーション方法(不安障害や対人恐怖を持つ方へ)をお伝えしたいと思います。この記事が「もしかしたら自分は視線恐怖症ではないか」、と考える方にとって、症状との向き合い方の参考になれば幸いです。
2,私の場合(軽度の視線恐怖症)
私は、個別に診断がでているわけではありませんが、軽度の視線恐怖症であると思われます。
他者と二人と話しているとき、いつも、「頑張って」人と目を合わせています。
会話中、人の目を3秒以上連続で見つめられないことがほとんどです。相手が怒りっぽい人である場合、話の雰囲気が暗い場合、緊張している場合は、とくに目を合わせるのが不安になります。
今では改善されていますが、昔は、もっと緊張していたと思います。また、自分に発達障害があったことも、「人と目線を合わせる事」に対して、不安を感じる原因の一つであると考えています。
この記事では、視線恐怖についてと、ASD(発達障害)の目線が合わない症状について、当事者的目線で解説します。
3,視線恐怖症とは
まず、どんな人が視線恐怖症に該当するかというと、視線恐怖症には主に4つの種類がありますが、アイコンタクトに一番関連するのは正視恐怖です。
・他者と視線を合わせることができない(正視恐怖)
他人と目を合わせることに強い不安を感じ、視線を交わすことができなくなる状態です。目を見て話すのが困難で、人とのコミュニケーションに影響を及ぼすことがあります。緊張感や恐怖から、目を合わせること自体がストレスになります。
ほかには、視線恐怖症には、
・他者の視線が気になる(他者視線恐怖)
・自己の視線が気になる(自己視線恐怖)、
・横目で見てしまったことで迷惑をかけたのではないか気になる(脇見恐怖)
などがあります。いずれも、自分が見られていないか気になったり、自己の目線が他の人を不快にしないか不安になるという「視線に対する過敏さ」といった特徴が見られます。
4,ASDの「目が合わない」について考える

また、視線恐怖の原因の一つに、発達障害のひとつ、ASDが考えられます。
ASD(自閉症スペクトラム障害)とは、特徴的な脳機能をもつ、発達障害です。
興味の範囲が限定的で、他者と関心を共有することができず、コミュニケーションの障害がみられます。また、一人の時間を大事にする傾向があります。赤ちゃんの場合でも、ASDの方には「目があわない」症状が、多く見られます。
ASDの人が、他者と目を合わせづらい理由は、様々です。他者に対して興味が薄い場合、他者との目によるコミュニケーションを避けている場合、何か、別の自分の関心ごとについて考えている場合などが考えられます。
私も、ASDの症状を持っていますが、場合、幼少期から、親に「話している人の目を見なさい」とよく言われました。教室など、一対多数のシチュエーションでは、先生の目を見ることに抵抗はありませんでした。しかし、ASDの自分でも、年齢が上がると「相手の目を見れば、雰囲気を察し、相手の感情が伝わる」ようになってからは、なおさら、緊張してしまい、人の目が見づらくなったように感じます。
ただ、そのような個人的事情があったとしても、相手にはなかなか伝わりません。
相手の方が、「なぜ、この人は目が合わないのだろう?」と思う場合があります。
私の個人的意見としては、「自分に心理的に負荷がかかっても、なるべく人の目を見て話す」ほうが、会話がスムーズになって良いと考えます。ASDの、他者の気持ちがわからないことは、相手の目を見ることで、多少、改善されるという側面もあります。これが、アイコンタクトの重要性です。
5,私式、「根性論による視線恐怖の改善方法」
視線恐怖は、私の場合、根性論による自己トレーニングで、ある程度改善が見られました。この記事をご覧の方が、「自分の意思」で視線恐怖を直したい場合、良ければ参考にしてみてください。以下、目線を使ったコミュニケーションの改善法です。
※軽度な場合のトレーニングになります。負担が大きければ中断してください。
一度、相手と視線を合わせてみましょう。気恥ずかしかったり、不安だったり、があると思います。ASDの人は、自分の感情の動きに疎い場合がありますが、ここで、過度にしんどさを感じたり、逆に何も感じられなければ、一度、休みましょう。
楽しい話をしているときのアイコンタクトは、相手と心が通じ合っている気がして、心地よいです。アイコンタクトの楽しさを一度でも感じれば、恐々でも、場合によって視線を合わせることができるようになっていくかも知れません。
アイコンタクトの楽しさを知ったら、一回の会話で二、三回でも、目を合わせてみましょう。慣れるための練習です。あとは、時間をかけて慣れるしかありません。
一番重要なのは、「不自然でないこと」です。相手の目とその他を、「一秒ごとに行ったり来たり」してはいけませんし、逆に、「人の目を長時間ずっと見つめ続ける」こともNGです。
また、苦手な相手や、重苦しいな会話をしているとき、そして、ご自身が「人と目を合わせる必要がない」と考えているときは、無理に人と目を合わせる必要はありません。
視線を合わせるのはあくまでコミュニケーションツールの一つであり、それを使わずともコミュニケーションができるのであれば、問題はないと考えられます。
人と目を合わせるのが怖いという気持ちは多くの人が持っているものであり、その気持ちを完全に無くすことはできません。ご自身のバランスで、アイコンタクトをつかってみてください。
6,対人恐怖症、不安障害と「視線恐怖」
先ほどは、軽度な場合の改善方法についてお伝えしました。
しかし、中には、人と目を合わせることにどうしても抵抗がある人や、うまく目線の合わせるタイミングがつかめず、苦労されている方もいらっしゃると思います。
人と目を合わせなくても、うまくコミュニケーションをとる方法を考えてみました。

対人恐怖や不安障害の症状として、視線恐怖がある場合、無理に治そうとすると、かえって症状が悪化しやすい傾向にあります。なかなか、家族の理解を得るのは難しいですが、悩んでいる自分の心を受け入れるようにすると、症状が緩やかになることもあります。自分の気持ちを大切にしましょう。
アイコンタクトは、相手の目が怒っているか、笑っているか、自分の話に興味を持っているか、お互いに確かめるためのツールでもあります。それをしない場合にも、円滑でよりよいコミュニケーションをするためには、相槌を打ったり、相手の発言を「それは~ということですか?」と自分の理解について確認したり、適度に質問したり、リアクションをとったりすると良いでしょう。
7,まとめ
ASDの人は、人によって症状が違いますが、他の人と視線を合わせるのが苦手、または怖く感じる「視線恐怖」の人もいます。「見られている気がして怖い」のか、「人の目を見ていると緊張したり、不安になってしまう」のか、などの違いがあります。
アイコンタクトは、相手の気持ちの確認や、こちらの心境を簡易的に伝えることのできるツールですが、無理のない範囲で、活用するように心がけると良いでしょう。
私も、視線恐怖については、長い間悩んでいますが、きっと、完治することはないでしょう。でも、この困難さがあるからこそ、人とのコミュニケーションが丁寧になり、自分の気持ちや相手の気持ちをもっとよく理解したいという気持ちを持つようになったのだと考えます。この記事が少しでも、参考になれば幸いです。
本記事をご覧いただき、有難うございました。