あなたは障害年金の受給資格ありますか?【大人の発達障害】

発達障害の方は障害年金の受給が可能なのか?「申請の条件や注意点を解説」

発達障害をお持ちの方の中には、「自分は障害年金を受給できるのだろうか?」と不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。この記事では、発達障害のある方が障害年金を受け取ることができるのか、受給のための条件や申請時の注意点について、できるだけ分かりやすく丁寧にご説明いたします。特に、申請を検討している方や、受給対象かどうか判断に迷っている方にとって参考となる情報をお伝えします。

障害年金とは何か?

障害年金とは何か?

障害年金とは、病気やけが、あるいは障害などにより、日常生活や就労に大きな制限が生じた場合に支給される公的年金制度の一つです。20歳以上の方が対象となり、障害の程度によって「1級」「2級」「3級」に区分されます。

このうち、「障害基礎年金」は国民年金に加入している方が対象で、「1級」と「2級」のみが設けられています。一方、「障害厚生年金」は厚生年金に加入していた方が対象で、「1級」から「3級」までの等級があります。等級によって受給額が異なり、障害の程度が重いほど支給額は高くなります。

発達障害でも障害年金を受け取れるのか?

結論から申し上げますと、発達障害であっても、一定の条件を満たせば障害年金を受け取ることは可能です。発達障害の障害等級については、以下のようなおおまかな基準が設けられています。

・1級:日常生活において常に他者の援助が必要な状態

・2級:援助があれば日常生活を送ることができる状態

・3級:発達障害により就労に支障があるが、日常生活はある程度自立して行える状態

多くの場合、就労移行支援などを利用されている方の場合、仕事を目指している状況であることから、2級または3級の受給となるケースが多い印象です。

働きながらでも障害年金はもらえるの?

働きながらでも障害年金はもらえるの?

「働いていたら障害年金はもらえないのでは?」という誤解をされることがありますが、実際には仕事をしていても障害年金を受給することは可能です。ただし、その内容や働き方、支援の有無などによって、受給できる等級が変わることがあります。

厚生労働省のガイドラインにおいて、以下のような就労状況や支援状況をもとに、等級が検討されます。

就労状況と等級の検討ポイント(ガイドラインより)

1. A型・B型作業所や障害者雇用での就労
 ⇒ より手厚い支援が必要とされるため、1級や2級の可能性も検討されます。

2. 一般企業で就労しているが、A型やB型と同等の支援を受けている
 ⇒ 就労環境に配慮が必要であれば、2級の可能性があるとされています。

3. 一般企業で単純かつ反復的な作業のみを行っている
 ⇒ 職務内容からみて支援が必要なケースとして2級が検討されます。

4. 柔軟な対応が難しく、常時の管理や指導が必要な場合
 ⇒ 2級の可能性あり。

5. 職場での意思疎通に困難があり、不適切な行動への対応が求められる場合
 ⇒ より強い支援が必要とされ、2級や場合によっては1級も検討されます。

また、職場だけでなく、自宅での生活状況や療養環境も判定基準に加味されることがあります。仕事の有無だけで判断されるわけではないという点に注意が必要です。

発達障害の方が障害年金申請で気を付けたい3つのポイント

発達障害のある方が障害年金を申請する際には、いくつかの注意すべき点があります。ここでは特に重要な3つを紹介いたします。

① 初診日の確認と証明

障害年金の申請において「初診日」は非常に重要です。これは「障害の原因となった病気や症状について、初めて医療機関を受診した日」を指します。

・知的障害を伴う発達障害の場合
 出生時が初診日となることが一般的。

・知的障害を伴わない場合(成人での診断など)
 発達障害の診断のために初めて医療機関を受診した日が初診日となります。

この初診日に基づいて、保険料の納付状況が確認されます。原則として、初診日までの一定期間に保険料を納めていないと、受給資格が得られません。さらに、初診日時点で厚生年金に加入していたかどうかによって、基礎年金(1級・2級)か、厚生年金(1級~3級)かが決まる点にも注意が必要です。

② 障害者手帳の等級と障害年金は別物

障害者手帳を持っているからといって、必ずしも障害年金が受給できるわけではありません。また、障害者手帳の等級と障害年金の等級は判定機関や基準が異なるため、手帳が2級だからといって、障害年金も2級になるとは限らない点にも注意が必要です。

③ 申請書類の作成は非常に重要

障害年金の申請では、多くの書類を正確に記載する必要があります。障害の程度や生活への影響などを具体的に説明する書類が求められますが、これを一人で準備するのは非常に難しいケースも少なくありません。

記載が不十分だったり、事実と異なるような内容になってしまうと、受給できるはずの年金が不支給となる可能性もあります。また、1度不支給となった場合、その事実が次回の申請に影響を与えることもあります。そのため、最初の申請がとても大切です。

申請に不安がある場合は、社会保険労務士(社労士)などの専門家に相談し、申請のサポートを受けることも一つの手です。費用はかかりますが、受給の可能性を高めるための有効な選択肢と言えるでしょう。

まとめ「受給の可能性を諦めず正確な情報と準備が大切」

まとめ「受給の可能性を諦めず正確な情報と準備が大切」

発達障害をお持ちの方でも、障害年金の受給は十分に可能です。しかし、そのためには「初診日の証明」「保険料の納付状況」「就労や生活の実態の把握」「書類作成の正確さ」など、いくつかの重要な条件を満たす必要があります。

障害年金の制度は複雑で、判断も抽象的な部分があるため、不安を感じる方も多いと思います。だからこそ、信頼できる支援機関や専門家に相談しながら、必要な情報を整え、確実な申請を目指すことが大切です。

ご自身やご家族の生活の安定のためにも、正しい知識をもとに、一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。