皆さんは、うつ病と聞くと仕事ができなくなる病気だという印象があるかもしれません。
実際のところ、うつ病は生活に必要なエネルギー全体が低下してしまうため、仕事だけでなく趣味や家事さえもできなくなります。
これまで普通にできていた日常のことが、突然できなくなる病気なのです。
そのため、自分を「何もできないダメな人間だ」と責めてしまう人もいます。
自己肯定感が下がり、それがうつ病をさらに悪化させるという悪循環に陥ることも少なくありません。
回復には自己肯定感を取り戻すことが重要なので、できない自分を責めることは逆効果です。
むしろ、今は療養中であることを理解し、「できなくて当然」と割り切ることが大切です。
今回は、うつ病によって日常生活でできなくなることを紹介します。
自分を責める原因となりがちな8つの出来事を見ていきましょう。
病気の影響でできなくなることを再認識し、それに逆らわないようにしましょう。

本来、きれい好きな人でも「忙しいから」「疲れているから」「次の休みに片付けよう」という理由で片付けができなくなり、部屋が散らかってしまうのはうつ病の初期によく見られる症状です。
うつ病の人が部屋を片付けられないのは普通のことです。
回復が見えてくると、まず片付けから始める人が多いとも言われています。
掃除機がかけられていない、キッチンのシンクに皿が溜まっている、服が床に散らかっているなど、これらはうつ病の人には仕方のないことです。
自分を責める必要はなく、元気になったときに片付ければ十分です。
料理は体だけでなく頭も使う作業です。
メニューを考え、買い物をし、具材を切って調理をするという過程には大きなエネルギーが必要です。
うつ病になると、まず料理をしなくなります。
コンビニやスーパーの弁当、ウーバーイーツなどの宅配サービスを利用することが増え、出費も増加し、食費がかさむことになります。
これはうつ病の人には仕方がないことです。
中には、カップラーメンだけで毎日を過ごすようになる人もいますが、うつ病からの回復にはバランスの良い栄養を摂ることがとても重要です。
毎日カップラーメンだけの生活は避けるようにしましょう。
普段は気にしませんが、入浴は意外とエネルギーを消費します。
うつ病になると、2週間ほどお風呂に入れないこともあります。
特に髪が長い人は、洗ったり乾かしたりすることが大変だと感じることが多いようです。
湯船に浸かるのが面倒で、元気がある時でもシャワーだけで済ませる人が増えます。
不潔になって周りに迷惑をかけるわけではないので、毎日お風呂に入る必要はありません。
以前は人と会って食事を楽しむことが好きだった人でも、うつ病になるとそれができなくなります。
人と会うだけでなく、電話やインターホンにも応答したくなくなります。
心配した友人から誘われても、無理に会っても元気をもらうどころか、かえって状態が悪化することがあります。
うつ病の間は、最低限の人間関係に留めましょう。
うつ病では日によって体調が異なり、元気な日もあれば寝込んでしまう日もあります。
天気によっても体調が左右されることがあるでしょう。
元気な日が続いたために食事会や美容室を予約しても、当日になって動けなくなることもあります。
うつ病の人は予定を守れないことが多いので、嫌な思いを避けるためにも無理に予定を立てない方が良いでしょう。
療養中は基本的に外出せず、できるだけ家でゆっくり過ごすようにしましょう。
うつ病になる人が増加する中で、SNSなどにはうつ病を克服するための情報が溢れています。
朝の散歩や規則正しい生活などが推奨されますが、2~3日はできても、継続できない日もあるでしょう。
できないことで自己嫌悪に陥らないようにすることが大切です。
何より重要なのは、十分に休養を取ることと、質の良い睡眠を確保することです。
また、少し元気になるとすぐに仕事を再開しようとする人がいますが、ほとんどの場合、1週間ほどでまた朝に起きることができなくなります。
短期間の回復ではエネルギーが持続しないため、無理をしないようにしましょう。
習い事や資格の勉強も同様で、安定した状態が最低でも1か月続かない限り、仕事や新しい挑戦は控えるべきです。
小さな子どもは親の体調が悪いことを理解できません。
そのため、うつ病の人にとって子育ては非常に大変です。
特に、産後うつ病といって、妊娠や出産によってうつ病になる女性もいます。
せっかく子どもを授かっても、育児ができないという状況に陥ることがあるのです。
周囲に頼れない場合、イライラして子どもに八つ当たりをしてしまったり、最悪の場合、虐待に繋がることもあります。
無理をしてイライラしながら子育てをするのは避けるべきです。
最も重要なのは家族のサポートです。
それだけでは不十分な場合、保育施設や産後ケアを行う産後ドゥーラなどの訪問ケアを積極的に活用しましょう。
産後うつ病は女性ホルモンのバランスと深い関係があり、回復には時間がかかります。
子供が学校に通う頃になっても治療が必要になることもあります。
その際、PTA活動や習い事の当番が負担になることが多いです。
病気への理解が不足し、半ば強制的に参加せざるを得ない状況に直面するのが現実です。
家族に代わりに参加してもらったり、それが難しい場合は医師の診断書を提出することも考慮しましょう。
当然のことですが、うつ病のときはお金を貯めることが難しくなります。
収入が減ったり、逆に出費が増え、貯金が減っていくのを見るのは辛いものです。
病気のためにせっかく貯めたお金を使うことに悔しさを感じるかもしれません。
しかし、これこそが貯金の役割だと考え、前向きに捉えましょう。
元気を取り戻してから取り返せば良いのです。
また、福祉サービスを最大限に利用して、積極的に経済的な支援を受けましょう。
公的な援助を恥ずかしいと感じる人もいますが、これは病気の人を助けるために作られた制度なので、遠慮する必要はありません。
出世やお金持ちになる夢、子供に多くを教えたいという理想を抱いていた人にとって、うつ病はその夢を壊してしまうことがあります。
しかし、病気である以上、夢が叶わないことは仕方のないことです。

無理をすれば、かえって病状を悪化させるだけです。
目標を少し下げ、他人の助けを借りながら、無理をしない生活に切り替えていきましょう。
もしかしたら、これまでの生き方が自分に合わず、無理をしていたのかもしれません。
これからは自分の気持ちに正直な生き方を選んでください。
苦しくなるようなことや辛いことはできるだけ避け、楽しいと感じることを優先することが大切なポイントなのです。