発達障害の高収入な職業3選【ADHD・ASD・LD】

 近年、発達障害という言葉が広く知られるようになってきた。発達障害とは、生まれつき脳の機能に偏りがあることによって、生活や社会活動に困難を抱える状態の総称である。主にADHD(注意欠陥・多動性障害)、ASD(自閉スペクトラム症)、LD(学習障害)といった分類が存在し、それぞれの特性によって得意なことや苦手なことに差が見られる。

発達障害がある人の中には、日常生活や人間関係において困難を感じている人も少なくない。一方で、自身の特性に合った職種を見つけることで、その能力を十分に発揮できる可能性もある。特に、高収入を得る職種においては、発達障害の特性が強みとして活かされる場面も存在する。

発達障害と年収の実態

 厚生労働省や各種調査によれば、発達障害者の平均年収は障害者雇用の場合で約153万円となっている。これは雇用形態を問わず、広く集計された結果である。労働時間が週30時間以上のケースでは197万円にまで上昇するが、週20〜30時間にとどまる場合では92万円にとどまる。

職種として多いのは、販売業、事務職、技術系の職種となっているが、これらの職種では必ずしも高収入が見込めるとは限らない。日本全体の平均年収が433万円であることを考慮すると、発達障害者の収入水準が相対的に低いことは否めない。

しかし、必ずしもすべての発達障害者がこの範囲に収まっているわけではない。適切な職場環境とスキルの獲得によって、年収500万円以上という高収入を実現しているケースも増えている。

高収入が見込める職業の特徴

高収入が見込める職業の特徴

 高収入を得るためには、いくつかの重要な要素がある。まずは、正社員として安定した雇用を得ること。次に、専門的なスキルや知識を身につけていること。そして、自身の特性に合った職種を選ぶことが挙げられる。

以下に、発達障害者が比較的高い年収を得やすい職業をいくつか紹介する。

プログラマー・システムエンジニア(SE

情報技術の分野は、発達障害の中でも特にASDの特性を活かしやすい分野として注目されている。ASDの人は、特定の分野に強い関心を持つ傾向があり、集中力が高いことが多い。プログラマーやシステムエンジニアといった職業では、黙々と作業を続けられる力が求められ、細部にこだわる姿勢が評価される。これらの特性がマッチすることで、高い生産性を発揮しやすくなる。

また、IT業界ではスキルや成果が重視される傾向があるため、人間関係の煩わしさが比較的少なく、自分のペースで働ける環境が整っている場合も多い。

クリエイティブ職(Webデザイナーなど)

発想力や創造力に長けているADHDの人は、クリエイティブな職種でその力を発揮できる可能性がある。Webデザイナーやグラフィックデザイナーといった仕事では、斬新なアイデアや柔軟な思考が求められる。ADHDの特性を活かすことで、他にはない視点から作品を生み出すことができ、クライアントからの評価につながるケースも多い。

クリエイティブ分野ではフリーランスとして働く人も多く、実績を積むことで収入が飛躍的に伸びる可能性もある。

営業職(MRなど)

行動力とエネルギッシュな性格を持つADHDの人は、営業職でも成功する可能性がある。特に、医薬情報担当者(MR)や法人営業など、対人スキルと粘り強さが求められる分野では、行動量が成果に直結することも少なくない。

営業職は成果報酬型の給与体系を採用していることが多く、実績に応じて収入が大きく変動する。特定の目標に向かって努力できるタイプであれば、高収入を目指す上で魅力的な選択肢となる。

実際の給与例

実際の給与例

 実際に高収入が見込める職種の月給を参考にすると、以下のようなデータがある。

  • Webデザイナー:月収17〜33万円。スキルや経験に応じて、年収500万円を超えることもある。
  • IT、経理、マーケティングの管理職:月収32〜55万円。マネジメントスキルが加わることで、高水準の給与が期待できる。
  • 特許技術者:月収20〜60万円。専門性の高い知識が求められるが、安定した高収入につながる。
  • ロジスティクス担当:月収41〜50万円。計画性と管理能力が重要視される職種である。
  • 経理アナリスト、予算管理、データ集計・分析業務:月収58〜66万円。数値に強く、細部に注意を払える特性が求められる。

これらの職種に共通するのは、専門スキルや正確さ、粘り強さが必要であり、それらの能力が発達障害の特性と重なることが多いという点である。

高収入を目指すための工夫

発達障害を抱える人が高収入を目指すには、自分に合った職種を選ぶだけでなく、スキルの習得や職場環境の選定にも工夫が求められる。例えば、ITスキルを身につけるためにオンライン講座や専門学校を活用することが有効である。また、職場選びにおいては、障害に理解のある企業や配慮のある制度が整っている会社を選ぶことで、働きやすさが大きく向上する。

加えて、障害者雇用に限定せず、一般雇用も選択肢に含めることで、年収の幅を広げることができる。一般雇用では、成果に応じた昇給や賞与が得られる可能性が高く、自立した生活を実現しやすくなる。

まとめ

 発達障害があるからといって、低収入に甘んじなければならないわけではない。それぞれの特性に合った職種を選び、必要なスキルを身につけることで、高収入を得る道が開けてくる。IT分野、クリエイティブ職、営業職といった業種では、発達障害の特性が強みとして活かされることが多く、職場との相性次第で大きな成果を上げることも可能である。

大切なのは、自分の特性を理解し、無理のない形で能力を発揮できる環境を見つけることである。環境と努力がかみ合ったとき、高収入という結果が現実のものとなるだろう。