「なぜかお金が貯まらない」「給料日前にいつも苦しい」「衝動買いをやめたいのにやめられない」——こうした悩みを抱えている方の中には、発達障害の特性が影響している場合があります。
発達障害(ADHD・ASD・LDなど)のある方は、生まれつき脳の機能の一部に偏りがあり、日常生活で特有の困りごとを抱えることがあります。その一つが「お金の管理の難しさ」です。
この記事では、発達障害のある方が直面しやすい金銭管理の課題と、その対処法について丁寧に解説しながら、具体的に貯金を増やすための12の方法をご紹介します。
発達障害とは?まずは基礎知識から
発達障害とは、脳の発達にかかわる特性の違いによって、生活上の困難が現れやすい状態を指します。大きく分けて以下のようなタイプがあります。
これらの特性は、金銭感覚や生活習慣にも影響を及ぼしやすく、「気づいたらお金がない」「使いすぎたことに後から気づく」といったことが日常的に起きることがあります。
発達障害のある方に多い「お金の困りごと」
発達障害があると、以下のような金銭面の困りごとが起こりやすくなります。
こうした状況が重なると、貯金どころか生活自体が苦しくなってしまうこともあります。しかし、特性に合わせた工夫を取り入れることで、着実に貯金を増やすことは可能です。

貯金を増やすための12の方法
ここからは、発達障害のある方でも取り組みやすい、具体的な12の方法をご紹介します。
1. クレジットカードを使わず、現金払いにする
カードやキャッシュレス決済は便利ですが、支出の実感が薄れ、使いすぎに気づきにくくなります。現金払いに切り替えることで、「今、何にいくら使ったか」が視覚的に分かりやすくなります。
2. 銀行口座を1つに統一する
複数の口座を持っていると、お金の流れが分かりにくくなります。まずはひとつの口座で「入金」「支出」「貯金」を管理することで、全体の把握がしやすくなります。
3. 月ごとの予算を設定する
「1か月に使えるお金はいくらまでか?」をあらかじめ決めておき、封筒やアプリなどで仕分けておくと、使いすぎを防ぎやすくなります。
4. 信頼できる人と一緒に管理する
自分一人でお金の管理をするのが難しい場合は、家族や支援者、福祉サービスの担当者などに相談し、一部を代行してもらう方法もあります。
生活費の目安を知ることで予算を立てやすくなる
仮に手取り月収が20万円の場合、以下のようなバランスが一つの目安になります。
| 項目 | 金額(円) |
| 家賃 | 60,000 |
| 食費 | 38,000 |
| 水道光熱費 | 11,000 |
| 生活用品 | 5,000 |
| 被服費 | 4,000 |
| 保険・医療費 | 7,000 |
| 通信費・交通費 | 18,000 |
| 趣味・娯楽費 | 17,000 |
| 交際費等 | 30,000 |
| 合計 | 190,000 |
| 貯金 | 10,000 |
自分の収支を見える化することで、どこに無駄があるのかが見えてきます。まずは書き出してみることから始めましょう。
日常生活でできる節約術
続いて、日常生活の中で無理なく取り組める節約術をご紹介します。
5. 固定費(特に家賃)を見直す
家賃は収入の3割程度に収めるのが理想とされています。もし高すぎると感じるなら、引っ越しや公営住宅の検討も有効です。
6. 食費を抑える工夫をする

7. ふるさと納税を活用する
日常的に使う食品や生活用品を返礼品として受け取れる「ふるさと納税」は、節約と税金対策を両立できる制度です。
8. 水道光熱費の見直し
電力会社のプランや契約内容を見直すことで、年間数万円の節約になることもあります。
9. 通信費を節約する
格安SIMや、不要なオプションの解約で通信費を抑えることができます。
10. 趣味・娯楽費を見直す
11. 障害者支援制度を活用する
これらは市区町村によって条件が異なるため、窓口で確認してみましょう。
12. 我慢しすぎない。楽しみの予算も組み込む
節約ばかりを意識しすぎるとストレスがたまり、逆に「ドカ買い」につながることも。たとえば、「毎日1つだけ好きなお菓子を買う」など、小さな楽しみを組み込むことが継続のコツです。
まとめ:できることから、ひとつずつ
発達障害の特性によって、お金の管理が難しく感じられるのは自然なことです。だからこそ、自分に合った方法を見つけ、無理なく続けていくことが大切です。
貯金とは、「我慢」ではなく「選択」の積み重ねです。自分にとって必要なもの・そうでないものを見極め、少しずつでも前に進んでいけるよう、まずは一歩を踏み出してみましょう。