うつ病が回復していっているサイン:療養中にチェック

うつ病は、生きるための気力が尽き果てた状態を指します。
その時の脳内では、セロトニンと呼ばれる物質が不足し、脳全体の働きが弱くなっています。
その為、脳内の様々な機能が低下することから、気分の落ち込みや気力の低下、集中ができなくなる、悪い考えが頭から離れないといった症状が出現します。
また、自律神経の働きも悪化するので、睡眠や食欲にも影響が生じます。

スマートフォンの充電が切れた時には、スマートフォンの充電をするように、うつ病になったときは極力心を使うことを避けるようにし、心身の休養を取ることに専念します。
休養を取ることで、一つずつ脳内の様々な機能が回復し、それに合わせてうつ病の症状も一つずつ解消されていきます。

うつ病の回復ルートは主に、気分の安定から始まります。次に、食事や睡眠といった自律神経に関する症状が治り、気力や集中力は最後になります。
風邪の回復ルートにも、熱が下がる、食欲が出てくる、咳が治まるという風に順序があるのと同じです。
ですが、風邪は1,2週間で回復する一方で、うつ病の回復には長い期間を要します。長い回復期間を要するため、自分は本当に良くなっているのかという自信が持てず、早く回復しなければ、と無理をした結果、症状がぶり返し、更に悪化させ、治療が長引く結果にもなりかねません。

今回は、うつ病が回復していることを知らせるサインを10個紹介します。これらのサインを知ることで、自分は今どこまで回復しているのか、おおよその位置を知ることができます。

焦りがなくなる
うつ病で休んでいる間、早くうつ病を治さなければと色々なことを考え、焦ってしまうのは、焦燥感と呼ばれる症状です。
このままではいけない、だけど自分は今、やりたいことができない。焦燥感が出ると自身を責めることに繋がり、余計に自身を落ち込ませる要因にもなります。
ですが回復し、焦燥感が薄れてくると、無理をするのはやめてゆっくり治そう、どうせ病気なのだから何もできない。と前向きな意味で開き直れます
出来なくても仕方ない。と考えられることは、回復の第一歩です。

出来なくても仕方ない。と考えられることは、回復の第一歩です。

部屋の片づけができる
うつ病になった多くの人は徐々に回復していくと、最初に部屋の片づけに取り掛かることがあります。
それは部屋の汚れが気になるようになるからで、場合によっては部屋の居心地の悪さも感じるようになります。
掃除機をかけたり、机上の書類などの整理をしたり、家具の配置を変える、思い切って模様替えをする、と内容は人それぞれです。
ただ、やりすぎた結果、かえって具合を悪くすることもあるので、自分の体調と相談しながら、ゆっくりと行動することがおすすめです。

「生活のリズムが安定する」
セロトニンと呼ばれる物質は生活のリズムを作っています。そのセロトニンがうつ病により分泌量が減ってしまうと、不規則な生活に陥ることがあります。
日中は体がだるくて眠気があるのに、夜は頭がすっきり冴えてしまう。昼夜逆転状態になる人もいます。
うつ病から回復していくと、1日を通して起きていられるようになり、夜には自然と眠気が出る、お腹の空き具合を感じるようになり、1日3回の食事を取れるように、生活のリズムが元に戻り、整っていきます
また、自律神経の働きも整ってくるので、体調にも良い変化が現れるようになります。

現実感が出てくる
うつ病の時は脳がきちんと働いていないため、頭にもやが掛かったように感じることがあります。
これは何をしても現実感が出ず、食事を美味しく感じることができない、人と会話しても頭に会話の内容が入ってこない、何をしても楽しくないという感じを指します。
回復していくとこれらが無くなっていき、頭がすっきりとクリアになります。
そうすると、生きている実感がわいてきます。生きている実感を感じることは、うつ病からの大きな回復のサインともいえるでしょう。

心配事が減る
うつ病になると、些細なことでも自身にとっては大きな心配、不安となります。
何故かというと、脳内のセロトニンの分泌が減ることにより、脳が警戒モードになるからです。脳が警戒モードになると、普段気にしない小さな出来事でも、脳が危険反応を発するのです。
ですが回復してくると、なぜあんなことで過剰に心配していたのか?と、むしろ以前の自分自身を不思議に思うようになります。
何があっても何とかなる、仕方ない。と思えるようになったら、それは順調に回復している証拠です。

イライラしなくなる
うつ病になるとちょっとしたことでイライラしたり、怒ったりなどで他人と揉め事になることがあります。うまくいかないことがあると、もう駄目だ。と投げやりになったりします。
ですが回復してくると、高ぶっていた情緒も落ち着きを取り戻し、イライラすることが減っていきます。

薬の服用を忘れる
調子が悪かった時は欠かさず服用していたのに、調子が戻ってくると薬の服用を忘れてしまう。それも立派な回復のサインの一つです。
服用を忘れることで、薬を飲む時間や回数が不規則になることあります。
勝手に服用をやめることは、うつ病の再発につながる可能性があるので良くありませんが、薬の服用を忘れることは、うつ病のことを忘れられるほど、辛い気持ちが消えたということです。
これは同時に減薬、薬を減らすタイミングでもあります。主治医と相談して、今後の服薬、治療方針を見直すのも良い機会となるでしょう。

これは同時に減薬、薬を減らすタイミングでもあります。主治医と相談して、今後の服薬、治療方針を見直すのも良い機会となるでしょう。

外出できるようになる
うつ病になると、家でじっとすることが苦手だった人でさえ、他人と会うのが億劫になり、人混みの中を歩くだけで具合が悪くなってしまいます。そして、家で1日中過ごすことが増えていきます。
回復していくと少しずつ外出ができるようになり外にいる時間が増えるようになります。
もし、友人とのランチを楽しんだ後に、夜ご飯の食料品を買いにスーパーへ買い物に行った後に、帰宅しても体が疲れなかった。その場合は、うつ病が良くなっているサインです。

エンターテイメントを楽しめることができる
集中力が回復すると、動画や音楽といったエンターテイメントを楽しめるようになります。
具合が悪いときは動画を少し視聴するだけで疲れてしまう、音楽が雑音にしか聞こえなくなります。
自分から、あの番組や動画が見たい、あの曲が聴きたいと思えるようになった。ここまでくると、うつ病から相当な回復を遂げている証明です。

暇を感じる
休んでいるのに飽きてきた、やることがなくて暇だな、と感じるようになったら、それは復職のタイミングです。逆に仕事に早く戻らなければ、と焦燥感や緊張感を抱いているままでは、復職してもすぐに具合が悪くなり、最悪悪化する可能性があります。

うつ病の回復スピードはとてもゆっくりで、休職から復職までに1年以上の期間を要する人も多くいます。長きにわたる療養生活で、自分はこんな風に過ごしていいのかと思う方もいるかもしれません。
去年の今頃、1カ月前という風に、少し前の自分と比べる感じで、自分が回復していることに目を向けてみましょう。その中に1つでもサインがあれば、それは確実に回復しているという何よりの効果です。