【発達障害】辛いフラッシュバックから自分を守る方法【ADHD・ASD・LD】

発達障害を抱える方にとって、過去の辛い体験が突然鮮明に蘇る「フラッシュバック」は、とてもつらい現象です。この記事では、発達障害とは何か、フラッシュバックの特徴や原因、そして具体的な対処法について丁寧に解説します。自身の心と体を守るために役立つ情報として、ぜひお読みください。


発達障害とはどんな障害?

発達障害とは、生まれつき脳の機能の一部に偏りがあることで、日常生活や社会生活において「生きづらさ」を感じやすい障害の総称です。脳の発達や機能の違いにより、感覚の受け取り方や情報処理、コミュニケーションに独特の特徴がみられます。

発達障害は大きく分けて以下の3つのタイプに分類されます。

  • 自閉症スペクトラム障害(ASD)
    対人関係の難しさや、興味や行動が限定的であることが特徴です。
  • 注意欠如・多動症(ADHD)
    注意の持続が難しい、多動や衝動的な行動が見られる障害です。
  • 学習障害(LD)
    読み書きや計算など、特定の学習能力に困難を伴う障害です。

これらは単独で現れることもあれば、複数が重なっていることもあります。発達障害の理解は、本人や周囲の人が支援を考えるうえで非常に重要です。


フラッシュバックとは何か?

フラッシュバックとは、過去の強いトラウマ体験が、時間が経ってからも鮮明に思い出される現象のことを言います。たとえば、トラウマとなった出来事をまるで今目の前で起きているかのように感じたり、同じような夢を繰り返し見ることがあります。

このフラッシュバックは、心的外傷後ストレス障害(PTSD)や急性ストレス障害(ASD)の症状の一つです。心的外傷後ストレス障害は、トラウマとなる体験をした後に起こるさまざまな精神的症状をまとめた病気の名前です。


フラッシュバックの診断名について

  • 急性ストレス障害(ASD)
    トラウマ体験の直後、数日から1ヶ月程度で症状が現れる場合を指します。
  • 急性PTSD
    急性ストレス障害と似ていますが、症状が1ヶ月を超えて持続する場合です。
  • 慢性的PTSD
    症状が長期間、場合によっては数年以上続く状態です。
  • 発症遅延型PTSD
    トラウマ体験からかなり時間が経ってから症状が表れるタイプです。

これらの違いは、フラッシュバックの出現時期や持続期間によって分類されます。


発達障害とフラッシュバックの関係性

発達障害を持つ方は、過去の辛い経験やトラウマが心に深く残りやすく、結果としてフラッシュバックを引き起こしやすいとされています。その背景にはいくつかの理由があります。

  1. トラウマ体験を処理する脳の機能が脆弱なこと
    発達障害の方の脳は、感情やストレスの処理が苦手な場合があります。これが、トラウマを十分に消化・統合できずにフラッシュバックを起こす原因になるのです。
  2. 人格形成の土台の弱さ
    発達障害があることで、自己理解や社会的なつながりがうまく築けず、心の基盤が不安定になりがちです。これがトラウマを抱えやすい要因となり、後々フラッシュバックに結びつくこともあります。

具体的な例としては、日常のささいな出来事が過去の辛い記憶を呼び起こすことがあります。例えば、ラーメン屋で注文をうまくできずに一度キャンセルした経験が、過去の失敗や否定的な記憶をフラッシュバックさせることがあります。


フラッシュバックの対処法

フラッシュバックに苦しむ時、どのように自分を守り、症状を軽減していくかが大切です。ここでは、実践しやすい対処法をいくつかご紹介します。

1. 環境調整を行う

ストレスを感じやすい環境や状況を見直し、可能な範囲で調整しましょう。発達障害の方は感覚過敏を伴うことが多いので、騒音や人混みを避ける、安心できる空間を用意することが効果的です。

職場や学校であれば、配慮を求めることも選択肢の一つです。無理なく過ごせる環境作りが、フラッシュバックの頻度を減らす助けになります。

2. 薬物治療

精神科や心療内科の医師に相談することで、必要に応じて薬物療法が行われる場合があります。フラッシュバックや不安、抑うつの症状を和らげる薬が処方されることがあります。

ただし薬はあくまで症状の一部を緩和する手段であり、自己判断せず専門家の指導を受けながら使用することが重要です。

3. 認知行動療法(CBT)

認知行動療法は、思考や行動のパターンを見直し、ストレスへの反応を変えていく心理療法です。フラッシュバックで苦しむ方の多くが、この療法を通じてトラウマへの捉え方を少しずつ変え、症状を軽減しています。

専門のカウンセラーや心理士に相談し、治療を受けるのがおすすめです。

4. 暴露療法

暴露療法とは、不安や強いストレスを感じるものに敢えて向き合い、認知を変えていく治療法です。例えば、過去のトラウマに関連する記憶や状況を、安全な環境で少しずつ経験することで、心の反応を和らげていきます。

最初は発作が起きたり強い不安が生じることもありますが、専門家の指導のもとで行うと効果的です。

5. 瞑想神経を活性化させる方法

フラッシュバック時には、自律神経が乱れ、心身のバランスが崩れがちです。自律神経を整えることは、症状の緩和に役立ちます。

瞑想神経(副交感神経)を活性化させる具体的な方法として、以下が挙げられます。

  • 温度の低いシャワーを浴びる
    冷水シャワーは副交感神経を刺激し、リラックス効果をもたらします。
  • 冷たい水を入れた洗面器に顔をつけて息を止める
    「ダック・ダイブ反応」と呼ばれるこの方法は、身体のリラックス反応を促します。
  • 深い腹式呼吸を行う
    ゆっくりと腹部を膨らませる呼吸法は、副交感神経を活性化させます。
  • 人と交流したりマッサージを受ける
    心地よい触れ合いや会話も自律神経のバランスを整える助けとなります。

これらは日常生活の中で簡単に取り入れられ、症状を和らげる効果が期待できます。


二次障害を未然に防ぐことの重要性

フラッシュバックに伴うストレスや不安が長引くと、うつ病やパニック障害などの二次的な精神疾患を発症するリスクがあります。発達障害の特性と合わせて、心身の負担が増してしまうことも少なくありません。

だからこそ、早めに適切な対処を行い、専門機関での相談や治療を受けることが重要です。自分ひとりで抱え込まず、信頼できる医療機関や支援団体に繋がることをおすすめします。


まとめ

発達障害を持つ方にとって、フラッシュバックは過去の辛い体験を今に引き戻す辛い現象です。しかし、フラッシュバックが起きても、自分を守り、症状を軽減する方法はあります。

  • 発達障害とは脳の機能の偏りによる生きづらさを伴う障害であること
  • フラッシュバックはトラウマ体験の再体験であり、PTSDや急性ストレス障害の症状の一つであること
  • 発達障害の特性によりトラウマ処理が難しく、フラッシュバックが起きやすいこと
  • 環境調整、薬物治療、認知行動療法、暴露療法、瞑想神経の活性化など多様な対処法があること
  • 二次障害の予防も含め、専門家のサポートを受けることが大切であること

自分の心と体を大切にし、無理せず周囲の理解と支援を得ながら、少しずつ前に進んでいけるよう願っています。