辛い出来事が続き、このままだと心が限界に達してしまうと感じたことはありませんか?
家族とのトラブルが続いている、お金に関する悩み、学校や職場でのいじめ、過酷な労働環境、受験のプレッシャー、大切な人やペットとの別れなど、さまざまな困難に直面することがあるでしょう。
人が苦しさに耐える力は無限ではありません。
長期間にわたる不安や恐怖、孤独といったネガティブな感情にさらされ続けると、心が本当に壊れてしまうことがあります。
最近ではSNSなどで、心が限界に近づいている状態を「メンタルブレイク」、略して「メンブレ」と表現することがあります。
これは「メンタル」と「ブレイク」を組み合わせた和製英語で、医学的な専門用語ではありませんが、実際に心が壊れてしまうと精神疾患に発展します。
治療や療養で回復することは可能ですが、場合によっては後遺症が残り、社会生活に支障をきたすリスクもあります。
そのような状況に陥らないために、心には自分を守る防衛機能が備わっています。
嫌なことから自然と目を背けることで環境に適応し、徐々に慣れていくのです。
しかし、この防衛機能も無限ではありません。
風船が空気を吸い込みすぎると破裂するように、心も限界を超えると壊れてしまうのです。
今回は、心が壊れる前に気づくべき6つのサイン、すなわち精神疾患になる前の兆候を紹介します。
1.理由のない体調不良
辛いことを抱えているものの、それを認めると心が壊れそうなとき、心の問題が体の症状として現れることがあります。
精神医学ではこれを「身体化」と呼びます。
たとえば、学校でいじめがあると、朝になると頭痛がして登校できなくなるような状況です。
原因不明の疲労感や痛みは心が悲鳴を上げている証拠です。
検査で異常が見つからなくても、心の問題が潜んでいる可能性を考慮することが重要です。
2.眠りが浅い
心が限界に近づいていると、睡眠にも影響が現れます。
寝付きが悪い、早朝に目が覚める、悪夢を見て熟睡できないなどは、脳が休息を取れていないサインです。
特に心に葛藤があるときは、追いかけられる夢や高所からの落下、災害に巻き込まれる夢など、心の状態が夢に反映されます。
これらの夢が続く場合は、心が不安定であることを示しています。
3.他人を攻撃してしまう
内に抑えきれなくなったネガティブな感情は、外部に向けられることがあります。
感情の捌け口を他者に求め、家族や友人に辛辣な言葉を浴びせたり、ささいなことで口論を繰り返すようになるのは、心が限界に近づいているサインです。
争い事が増えていると感じたら、自分の心と向き合う時間を持つことが大切です。
4.現実逃避が増える

辛い時に現実逃避をすること自体は、決して悪いことではありません。
仕事が大変なときに飲みに行ったり、衝動的な買い物をするなど、時々自分を解放する行為は、ストレスを解消し、心の健康を守るために重要です。
しかし、浪費やギャンブル、過食や過度の飲酒など、コントロールが効かない行動が増えている場合は、要注意です。
現実逃避が一時的な避難所でなくなり、生活の中心になってしまい、そこから抜け出せなくなることがあります。
そうなると、最終的には依存症に陥るリスクが高まります。
さらに、空想にふけりすぎて、現実と空想の区別がつかなくなり、妄想状態に陥る可能性もあります。
5.心と体が離れてしまう
非常に苦しい状況に直面すると、心は現実から逃れようとし、体と心が分離してしまうことがあります。
これは自分の意識で逃避しているわけではなく、無意識のうちに心が別の場所へと飛んでしまう状態です。
精神医学では、これを「解離」と呼びます。
解離が起こると、一部の時間帯の記憶が消えたり、独り言を言うことがあります。
また、現実感が薄れ、心の周りに膜が張ったように感じることもあります。
これを「離人感」と言います。
さらに、誰もいないのに声が聞こえたり、幻覚を見たりすることも解離の一種と考えられています。
この状態が続くと、現実世界に戻れなくなる恐れがあります。
6.孤独感
仏教には「孤独地獄」という概念があり、これはまるで監獄のように地獄の中で孤立している状態を指します。
人とのつながりがないことは、とても辛いものです。
しかし、職場や友人と普通に交流していても、孤独感を感じることがあります。
体は現実の世界にいるのに、心が孤独地獄に囚われている状態です。
このようなとき、人は「自分の生きる意味は何か」「生きる価値があるのか」といった哲学的な問いに悩むようになります。
これは、心が壊れかけているサインであり、すでにうつ病を発症している可能性があります。
心が限界に達しそうなとき、最も大切なことは休息をとることです。

忙しい日常に追われている場合でも、少し時間を確保するだけで、状況は大きく改善されます。
特に、十分な睡眠を取ることが重要で、7時間以上の睡眠が推奨されます。
また、誰かに助けを求めることも大切です。
問題によっては、専門家の助けが必要になるかもしれません。
例えば、いじめや経済的な問題は、公的機関に相談することで解決の糸口が見つかることがあります。
また、心の悩みを話すことで気持ちが軽くなることもあり、カウンセリングが役立つ場合もあります。
生活や仕事に支障をきたしている場合、すでに精神疾患を発症している可能性があるため、精神科の受診が必要です。
休息と助けを求めることで、多くの問題は解決していきますが、これを邪魔するのが「完全主義」という性格の特徴です。
普段の生活では完全主義はプラスに働くこともありますが、一度トラブルに巻き込まれると、生真面目さや几帳面さがトラブルから抜け出す妨げになることがあります。
例えば、疲れていても責任感から仕事を休まない、プライドが邪魔をして人に助けを求められない、高い目標を修正できないなど、心が壊れそうなサインが出ていても、自分を追い詰めてしまうのです。
調査によれば、多くの精神疾患において最も影響を与える性格的要因として、完全主義が挙げられています。
生真面目さやこだわりが強い人は、心の健康を保つために自分自身を追い詰めていないか、改めて考える必要があります。