発達障害の一種であるASD(自閉スペクトラム症)をお持ちの方の中には、「自分に向いている仕事がわからない」「転職を考えているが、どのような職業が合っているのか知りたい」と悩んでいる方も多くいらっしゃるかもしれません。
本記事では、ASDの方の特性に着目しながら、向いている可能性の高い職業や、仕事選びの際に意識しておきたいポイントについて丁寧に解説いたします。

ASD(Autism Spectrum Disorder:自閉スペクトラム症)は、先天的な脳機能の偏りにより、生活や社会活動の中で困難を感じやすい発達障害の一つです。ASDには多様な特性があり、個人差も大きいため、一概にこうだとは言い切れませんが、代表的な特徴として以下の2点が挙げられます。
これらの特性を理解したうえで、自分の強みを活かせる仕事を見つけることが、より働きやすく、充実した職業人生につながります。

ASDの方が仕事を選ぶうえで、以下のような観点を意識することが、自分に合った仕事を見つけるヒントになります。
この3つの観点をベースにしながら、以下では具体的に向いている可能性のある職業を10個ご紹介します。
一人で業務を進めることが多く、コミュニケーションの機会も比較的少ないのが特徴です。運転やルート配達に集中できるため、黙々と作業に取り組みたい方に向いています。体力が必要な点には注意が必要ですが、自分のペースで進めやすい職種です。
決められた手順に従って作業することが多く、変化も少ないため、安心して働きやすい職場環境です。個々の持ち場での作業が中心となり、会話も最小限で済む場合が多いため、集中力を活かした働き方ができます。
数値の正確さが求められる仕事であり、細かい作業が得意なASDの方にとっては、強みを活かせる分野です。業務内容もルーティン化されており、急な変更が少ない点も安心材料です。
電話対応や来客対応を含むような「総合事務」ではなく、パソコンを使った単純作業やデータ処理など、黙々と取り組める業務内容の事務職であれば、ASDの方にも向いている可能性があります。特に障害者雇用枠では、このような職種の求人も多く見られます。
興味関心が強く、特定の分野に深く没頭する傾向のあるASDの方にとって、研究職は非常にやりがいのある選択肢です。専門性が求められる反面、強い探究心を発揮できる環境であれば、自己成長と成果の両立が可能となります。
語学力が前提とはなりますが、翻訳作業自体は基本的に一人で行う業務であり、黙々と進めることができるため、ASDの方に向いています。特に正確さや丁寧さが求められるため、細部へのこだわりを活かすことができる職種です。
スキルは必要ですが、在宅勤務が可能な場合も多く、静かな環境で作業に集中できます。デザインに対するこだわりや美的感覚、細部まで気を配る姿勢が品質向上につながるため、得意分野として検討する価値があります。
文章作成を黙々と行う仕事で、在宅ワークの形態も多く見られます。文才や構成力、SEOなどの知識は求められますが、自分の世界で作業を進めたい方には相性が良い仕事です。
論理的思考が得意な方にとっては、プログラミングは非常に向いている分野です。業務も黙々とコードを書く作業が中心となり、在宅ワークやチームでのリモート開発にも適しています。高いスキルを身につけることで、収入面でも期待が持てます。
建築図面や製図ソフトを扱う職種で、集中力と正確性が求められます。ルールに従って、正確に作業をこなす必要があるため、細部へのこだわりを強みに変えることができます。資格や専門スキルは必要ですが、安定した業務が可能です。
ここでご紹介した10個の職業は、ASDの方の特性を踏まえて「向いている可能性が高い」と考えられる一例です。ただし、これら以外の職業が向いていないというわけではありません。
また、一部の職業はスキルや資格が求められますが、「スキルがないから無理」とあきらめる必要はありません。現在は、無料や低価格で学べる学習サービスや支援制度も数多く存在しています。興味のある分野があるなら、まずは少しずつ学びながら、自分に合った働き方を模索してみるのも良いでしょう。
ASDの特性は「弱点」ではなく、「向き・不向きの傾向」と捉えることで、自分らしく働ける選択肢が広がっていきます。
あなたにとって働きやすく、やりがいを感じられる仕事が見つかることを願っています。