詐欺や窃盗など、身近で発生する犯罪のニュースが増加しています。社会的にはコロナ不況の影響もありますが、自分の利益だけを優先し、他人の不幸を顧みない人が増えているのも事実です。こういった人々の中には、反社会性パーソナリティ障害や自己愛性パーソナリティ障害といった診断が適用される場合もあります。
パーソナリティ障害とは、性格に偏りが見られる病気で、以前は人格障害と呼ばれていました。
単なる性格の偏りだけではなく、本人がその異常さに気づかず、自分を変えようとせずに周囲を変えようとします。共感能力に欠け、周囲に迷惑をかけてしまいます。
パーソナリティ障害の性格的偏りには下記のようにいくつかのタイプがあります。これらの特徴が複数組み合わさることも珍しくありません。
特に注意が必要なのは、反社会性パーソナリティ障害や自己愛性パーソナリティ障害の人々です。反社会性パーソナリティ障害とは、衝動的で社会のルールに従えない人々のことを指します。
アメリカの調査によれば、刑務所にいる囚人の75%がこの診断を受けているというデータがあります。自己愛性パーソナリティ障害は、自分に対する過剰な自信があり、他人が自分に従うのが当然と考える人々です。両方の障害を併せ持つ場合もあります。
このような自己中心的で他者を利用する傾向のある人々は、まとめてサイコパスと呼ばれることがあります。
サイコパスは、日本語では精神病質と訳され、もともとはパーソナリティ障害の古い名称でした。
サイコパスは犯罪者に限らず、芸能人や政治家、会社経営者など、成功している人々の中にも存在します。アメリカの調査によると、反社会性パーソナリティ障害は人口の1%~3%、自己愛性パーソナリティ障害は1%~6%に見られると言われています。
このように、私たちの身近にもサイコパスは普通に存在しているのです。こうした人々と接する際は、特に注意が必要です。
今回は、サイコパスと呼ばれる人々の特徴について紹介します。

反社会性パーソナリティ障害の人々は、話術に長け、魅力的であることが多いです。人を引きつけ、好感を得るのが得意なため、騙される人も少なくありません。
容姿が良く、歌や演技の才能を持ち、芸能界で活躍することもあります。
パーソナリティ障害は遅くとも中学生までに発症します。
反社会性パーソナリティ障害の場合、子供の頃から嘘をついたり、喧嘩をしたり、家出や不登校などの問題行動が見られることがあります。窃盗や暴力といった犯罪に手を染めることもあります。
多くは、親に連れられて病院を訪れ、注意欠如多動症(ADHD)と診断されることが多いですが、この段階でパーソナリティ障害かどうかの判断は難しいです。
反社会性パーソナリティ障害の典型的な例は詐欺師です。狡猾で話術に長けた人が多く、富や名声を得るために巧みに人を操ります。ただし、名声とは必ずしも社会的な地位だけでなく、悪名を誇る場合もあります。
自分の利益のためなら、相手を陥れることを厭いません。
反社会性パーソナリティ障害の人は、仕事に対して責任を持たず、遅刻やサボり、嘘が多いため、職場で信頼を得ることができません。その結果、すぐに解雇されてしまい、長く働き続けることが困難です。また、詐欺や飲酒運転、暴力、ストーカー行為など、社会の規則を簡単に破ります。これらの違法行為は一度きりではなく、繰り返されることが多いです。自責の念がなく、反省もしないため、何度でも同じ過ちを繰り返します。
たとえ大きな失敗をして損害を出したり、刑務所に入ったとしても、再び同じ過ちを犯すことがあります。これが病気とされる理由です。
自己愛性パーソナリティ障害の人は、並外れた自惚れを持ち、常に特別扱いされることを期待しています。反社会性パーソナリティ障害と同様に、富や名声を追い求め、人を利用することが得意です。
彼らは口が上手く、魅力的に見えることが多いですが、人を傷つけても反省せず、むしろ逆ギレすることがあります。
反社会性や自己愛性パーソナリティ障害の人々は、実は自己肯定感が低いことが多く、周囲からの評価に敏感です。他人から拒絶されると、精神的に不安定になり、うつ病やアルコール依存症、薬物依存症に陥りやすくなります。
特に、恋愛で拒絶されると怒りを爆発させ、ストーカー行為を繰り返すことがあります。
相手の気持ちを考えず、自分中心の行動を取るため、結果的に暴力事件に発展することもあります。

以上が、サイコパスの6つの特徴です。サイコパスは、脳の発達に問題がある可能性があり、遺伝が関与することも確認されています。また、家庭環境や教育も影響します。パーソナリティ障害全般に言えることですが、最大の問題は「このままではいけないから治療しよう」と自ら思わないことです。
これにより、決定的な治療法は存在しません。
気分の安定や衝動の抑制を助ける薬もありますが、本人が自発的に治療を望まない限り、効果は期待できません。また、更生施設や刑務所での矯正もほとんど効果がないと言われています。このように、サイコパスとされる人々を変えることは非常に困難です。
もし、関わらざるを得ない状況になった場合、どれだけ魅力的な人でも、安易に信用せず、弱みを見せないようにし、深い関係を避けることが重要です。ただし、同じようなパーソナリティ障害を持つ人たちが集まる自助グループに参加することで、自分を改善しようという気持ちが芽生える場合もあります。また、暴力団からキリスト教の神父になり、ボランティア活動を行うようになったという事例もあるように、宗教的な体験がきっかけで変わることもあります。