【衝撃】発達障害を抱える人のほとんどは聴覚情報処理障害(APD)?!

「人の話が聞き取りづらい」「会話の内容がうまく頭に入ってこない」「騒がしい場所では相手の声が聞こえにくい」
――こうした困りごとは、単なる聞き間違いや集中力の問題と捉えられがちですが、実はその背景に聴覚情報処理障害(APD: Auditory Processing Disorder)という見えにくい障害が存在することがあります。

しかも最近の研究では、APDを抱える人の大半が発達障害と関連しているという衝撃的なデータも報告されています。
本記事では、APDの症状や特徴、発達障害との関係性、そして職場での配慮や対策について詳しく解説します。

発達障害とは?

発達障害とは?

発達障害とは、生まれつき脳の働き方に偏りがあり、日常生活や社会生活に困難を抱えやすい障害です。
主に以下の3つのタイプに分類されます。

  • ADHD(注意欠如・多動症):集中力が続かない、衝動的に行動する、落ち着きがないなどの特徴がある。
  • ASD(自閉スペクトラム症):対人関係が苦手、こだわりが強い、感覚の過敏や鈍麻がある。
  • LD(学習障害):読み書き、計算など、特定の学習領域に著しい困難を示す。

これらの障害は見た目ではわかりにくく、周囲の理解や環境の配慮がないと、本人の努力だけでは適応が難しいことが少なくありません。

APD(聴覚情報処理障害)とは?

聴覚情報処理障害(APD)とは、「音は聞こえているのに、その内容が理解できない」という特徴を持つ障害です。
耳の聞こえ自体(聴力)には問題がなく、一般的な聴力検査では「正常」と診断されることがほとんどですが、実際の会話の中では「うまく聞き取れない」「何を言われているのか理解できない」といった困りごとが生じます。

APDの主な症状

  1. 音(声)は聞こえているが、言葉の意味が理解しにくい
  2. 騒音や複数人の会話の中では、内容を把握できなくなる
  3. 聞き間違いや聞き返しが多くなる
  4. 早口や小さな声が特に聞き取りにくい
  5. 長い話や複雑な説明を聞くと注意が散漫になる
  6. 言語発達に影響し、子どもの頃に言葉の遅れが見られることがある

これらの症状から、APDの人はしばしば「話を聞いていない」「集中力がない」と誤解されやすい傾向があります。

聞こえているのに「聞こえない」? 〜APDのイメージ〜

聞こえているのに「聞こえない」? 〜APDのイメージ〜

「聞こえているのに意味が分からない」というAPDの状態は、健常者には少し想像しにくいかもしれません。あえて例えるならば、ラジオの音声が雑音混じりで一部しか聞こえない、あるいは外国語のニュースを聞いているような状態に近いかもしれません。

音としては確かに耳に入ってきているけれど、脳がそれをうまく言語として処理できない。
だからこそ、「聞き返す」「指示が理解できない」といった行動に現れ、それが誤解やストレスにつながってしまうのです。

発達障害とAPDの深い関係

実は、APDを抱える人の多くは発達障害と深く関係しています。
ある研究によれば、APDと診断された人の約71%が発達障害を併せ持っているという報告があります。

内訳は以下の通りです。

  • ADHD・ADD:約40%
  • ASD(自閉スペクトラム症):約31%

このように、APDと発達障害は重なりやすく、特にワーキングメモリの弱さが関連していると考えられています。

ワーキングメモリとは?

ワーキングメモリとは、「その場で必要な情報を一時的に記憶しながら処理する力」のことです。
会話の流れを把握したり、指示を聞いて実行したりする際に欠かせない能力です。
発達障害のある方はこのワーキングメモリの容量が少ない傾向があり、それがAPDのような聞き取り困難を引き起こす原因にもなっています。

APDの人が職場でできる工夫と配慮

APDの人が職場でできる工夫と配慮

APDを抱える方にとって、特に会話ベースの業務指示チームでの連携は大きな壁となることがあります。以下のような工夫や配慮が、職場での困りごとを減らす手助けになります。

1. 静かな環境で作業する

  • 雑音が多い場所では情報が処理しきれないため、できるだけ静かなスペースで作業できるようにしましょう。
  • パーテーションの設置やイヤホンの使用なども有効です。

2. 補聴器や集音器の活用

  • 一部のAPDの方には、音声を明瞭に聞くためのデジタル集音器や補聴器のようなツールが有効です。
  • 医療機関で相談し、自分に合った機器を選ぶことが大切です。

3. 指示は「視覚情報」で受け取る

  • 口頭の指示だけでなく、メール、チャット、メモなどの視覚的な補助を活用することで、聞き間違いや指示漏れを防ぐことができます。
  • 特に業務の優先順位やスケジュールの共有は、文字情報の方が明確に伝わりやすくなります。

まとめ:聞こえているのに聞こえない──その背景に理解を

「聞こえているのに聞き取れない」というAPDの特性は、外から見ただけでは理解されにくく、本人にとっても非常に大きなストレスになります。
しかも、APDの多くが発達障害と重なることを考えると、これは「一部の人の問題」ではなく、社会全体が向き合うべき重要な課題だといえるでしょう。

APDのある方が職場で安心して働くためには、

  • 本人が自分の特性を理解し、適切に伝えること
  • 企業や同僚が合理的な配慮を行い、働きやすい環境を整えること

この両方が欠かせません。

また、もし自分がAPDかもしれないと感じた場合は、専門の医療機関での検査やカウンセリングを受けることをおすすめします。
発達障害やAPDの特性を正しく理解し、それに合った働き方や支援を受けることで、より良い人生設計が可能になるはずです。

聞こえるのに、聞こえない――。
その違和感には、理由があります。今、その声に耳を傾けてみませんか?