~反芻思考とその対策を知る~
「同じことをぐるぐる考えてしまって疲れる」「考えても考えても答えが出ず、むしろ不安ばかりが増す」――このような状態に心当たりのある方は少なくないでしょう。

「考えること」は本来、問題を解決し、前に進むために大切な力です。しかし、何度も同じことを繰り返し考える「反芻思考(はんすうしこう)」は、精神的な疲労や不調を招くことがあります。特に、ある種の精神疾患ではこの“考えすぎ”が症状の一部として現れやすく、注意が必要です。
本記事では、「考えすぎる」ことと関連の深い5つの精神疾患について、それぞれの特徴と対策を紹介します。
「考える」と「考えすぎる」の違い
本来の「考える」

「考えすぎる(反芻思考)」
1. うつ病
考えすぎる理由
うつ病では、気分の落ち込みや興味・意欲の低下とともに、自己否定的・悲観的な思考が強く現れます。特に、過去の失敗や人間関係のトラブルなどを繰り返し思い返し、自責の念に駆られるケースが目立ちます。

よくある場面
対策と治療

2. 自閉スペクトラム症(ASD)
考えすぎる理由
ASDの方は、「こだわり」が強く、一度気になったことを頭から離すのが難しい傾向があります。特に、解決が難しい問題や曖昧な状況に対して過度に思考が集中し、抜け出せなくなることがあります。

よくある場面

対策と治療

3. 不安障害
考えすぎる理由
慢性的な不安が強く、現実には起きていない未来の出来事をあれこれと心配してしまうのが特徴です。「もし○○になったらどうしよう」といった思考が止まらず、堂々巡りに陥ることがあります。
よくある場面
対策と治療


4. 注意欠如・多動症(ADHD)
考えすぎる理由
ADHDでは、「頭の中が多動」な状態になることがあります。さまざまな考えが次々に浮かび、気が散ったり、1つのことに過集中して疲れてしまうこともあります。

よくある場面
対策と治療

5. 強迫性障害(OCD)
考えすぎる理由
「○○しないと不安になる」といった強迫観念が頭から離れず、考えても考えても安心できないという悪循環に陥りやすい疾患です。一時的に安心しても、次第に確認行為などに費やす時間が増えていきます。
よくある場面

対策と治療

まとめ:考えすぎに気づき、一歩引くことが第一歩
同じことを繰り返し考える「反芻思考」は、精神的疲労や不調の原因となることがあります。特に以下の精神疾患では、症状の一環として“考えすぎ”が現れやすい傾向があります。
「考えすぎないようにしよう」と思えば思うほど、逆に思考が止まらなくなることもあります。まずは、「自分は今、考えすぎているかもしれない」と気づくことが対策の第一歩です。そこから、一歩引いて冷静になる、または別のことに集中してみる。必要であれば、専門家の助けを借りながら少しずつ自分のペースを取り戻していくことが大切です。
